【自分らしい独立・起業】時短勤務からの起業。ムリせず自分らしい働き方を実現された岡本鏡子さん(株式会社ラウンドリング)


「仕事も家庭も、自分らしく。」そんな生き方にチャレンジしている起業家へインタビュー

皆さん、「独立・起業」と聞くと、とても大きなチャレンジだというイメージをお持ちではないでしょうか。ところが、「自分らしい働き方」を追い求めた結果、自然と「独立・起業」に至った、という方も、実は少なくありません。そんな等身大の起業ストーリーを、エスキャリアのインタビュアーが伺ってきました。

今回ご協力いただいたのは、化粧品メーカーの株式会社ラウンドリング 代表・岡本鏡子さん。3歳になるお子さんを子育て中の岡本さんは、以前勤めていた会社で約1年間の時短勤務を経て、昨年起業されました。

驚いたのは、商品企画はもちろんのこと、商品のパッケージデザインやホームページ・チラシ・パンフレット等の制作、SNSの投稿など全て岡本さんお一人でされているとのこと。
と紹介すると、「仕事大好き!母になっても、やりがいをもって働きたい!」というキラキラオーラ全開の女性を想像されるかと思いますが、岡本さんにお会いすると良い意味で裏切られます。

「わたし、成功体験がないんです」「一人が好きで家でゴロゴロしている時が幸せ」「高い目標は立てません」「なんでも『まぁ、いっか』で片付けます(笑)」「最近行けていませんが、好きなことは釣りです。全然釣れないんですけどね(笑)」と笑顔で話す、とても自然体で飾らない、のんびりとした雰囲気を感じさせる女性です。
そんな自然体でありながらも「起業」という大きな決断をされた岡本さんの今までのキャリア、仕事のやりがい、ご家族との関係、そして今後のビジョンについてお話を伺いました。

 

大学時代の就職活動や転職活動について

−大学時代、気付いたときには就活時期が終わっていたとのこと。焦りはありませんでしたか?

気付いたときには、周りの友達が内定をもらっている状態で。少し焦りましたが、どこかで「まぁ、なんとかなるか」と思ってました(笑)。大学卒業後1年くらいアルバイトをしたりしながらぼんやり過ごしていたのですが、「さすがにまずいかな」と思い、就職活動を始めました。高校・大学時代にデザインを学んでいたこともあり、小さな出版社にアルバイトとして入社し、その後正社員登用していただきました。こちらの会社ではスクール情報誌やネイルサロンの広告制作を担当し、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを使ったデザインスキルを習得しました。

2年半ほど経ち「新しいことがしたい」と転職を決意したものの「何をしたいのか」がわからず、成り行きで企業人教育の企画制作会社で働くことになりました。ちょうど新人研修用のテキストをリニューアルするタイミングだったので、「新入社員の方が楽しく学べるテキスト」を目指して、若者が興味をもちそうなコラムを書いたり、イラストを入れてわかりやすい誌面構成にしたり、ターゲットに伝える表現方法はこの時に習得しました。
2年ほど経ち「受注側から発注側へ転職したい」と考えるようになり、当時興味のあった『企画職』を軸に転職活動を開始。そして、前職となる化粧品・スキンケア商品等の企画・販売会社に採用されました。

仕事のやりがいを感じつつ、キャリア形成で悩むことも

−元々、美容や化粧品に興味があったのですか?

いいえ、まったく(笑)。化粧品メーカーも大手しか知らない状況で。そんな私でも採用して下さるというありがたい会社に出会えたので喜んで入社しました。中小企業だったので、商品企画はもちろん、キャッチコピーやパッケージデザインの担当、薬事法についてなど、化粧品ができるところから販売されるまでの0〜10まで携わることができました。この経験は私にとっては大きく、今の仕事に繋がっていると実感しています。全ての工程に携わる分思い入れも大きく、商品が出来上がってお客様から好評をいただけたとき、この仕事のやりがいを感じました。

ただ、入社して5年ほど経ったとき、結婚が決まり今後のキャリアを考えるようになりました。仕事は楽しいしやりがいはあるのですが、なかなか昇進できないことに不安を感じることもありました。
「でも、ゆくゆくは子どもも欲しいし…今は動かず、待ちの時だ」と自分で自分を納得させ、目の前の仕事に集中して取り組みました。そして、結婚してから数ヶ月後に子どもを授かり、産休に入りました。

そして娘が生後10ヶ月の時から保育園にお願いすることになりました。慣らし保育も終わり、私も時短勤務で仕事復帰しました。

−仕事と育児・家事との両立は大変ではなかったですか?

ありがたいことに夫が協力的で、率先的に朝ごはんを作ってくれるようになり、保育園への送りもしてくれるので、とても助かりました。あと、大変だって言いたくなかったんです。自分で働くことを選んでいるのに、愚痴とか言いたくなくて。保育園でどんどん成長していく娘の姿を見るのも嬉しいですし、本当に保育園さまさまです(笑)。子育ての喜びを感じながらも自分の時間もあるだなんて、ありがたい環境ですよね。

ただ、時短勤務でありながらも産休前と同じパフォーマンスを求められることに精一杯応えつつ、今後のキャリア形成に不安があったのも事実です。そんな時、『皮膚常在菌』という存在を知りました。化粧品を作っている中で常に感じていた「肌が弱い人が多すぎる」という状況を解決できるのではないか、そう感じました。そして、自分の中で「これを商品化したい!」という思いがどんどん大きくなり、退職しないことが“リスク”だと思えて、起業するなら「今しかない!」と決断しました。

起業して変わったこと、変わらなかったこと

−以前の岡本さんは「今は動かず、待ちの時だ」と敢えて動かない時期もあったかと思うのですが、今回は「今しかない」と行動されたのですね。大きな決断ですが、誰かに相談はされましたか?

夫に相談しました。私の理念を伝えると、意外なほど起業を応援してくれました。応援してくれる人の存在は、とてもありがたかったですね。

起業にあたり決めたのは「借金をしない」だけで、大きな目標は立てませんでした。その目標も「借金が無ければ失敗したとしても、出直しやすい」という弱腰な理由です(笑)。そして自分のわずかな貯金だけで事業をはじめたので、節約できるところはとことん節約しました。例えば商品パッケージやパンフレットやホームページなどのデザインは、すべて自分で制作しました。デザインスキルもターゲットに向けたキャッチコピー作りも、過去のキャリアが活きています。ホームページは全くの素人だったので四苦八苦しましたが、詳しい友人に聞くなどして何とか完成させました。今まで「なんとかなる」と深く考えずに生きてきたのですが、すべて今に繋がっていると思うと、どの経験も無駄ではないですね。

—起業されたあと、働き方や考え方に変化はありましたか?

全てのスケジュールを自分で管理できるのは大きいですね。子育てしながらだと、納期がきっちり決まったお仕事はどうしても難しい面もあると思います。子どもの急な病気や定期検診などで、お休みをいただかないといけない時もありますので。
起業した今は、商品の発売日を軸とし、逆算してスケジュールを立てています。「これくらいまでにパッケージを決めたいな」「発売前にキャンペーンを組もうかな」「発売後にイベントをしようかな」など、全て自分で決められるのは、働くママとして働きやすく感じます。
また、全てにおいて自分が決裁権をもっているので、気持ち的にラクですね。その分責任も全て自分ですが、「やりたい」と思ったことが出来るのは、起業したからこそ得られたものです。好きなようにやりたいんです、私(笑)。
考え方は特に変わってないですね。起業したからと言って高い目標は立てないし、基本的に一人が好きですし(笑)。今の働き方が合っていると思います。

「お酒が好きなので、娘と仲良くお酒を飲むのが夢!」

起業の後押しをしてくれた、娘の存在

−子育てしながら起業するのに、不安はありませんでしたか?

逆に娘の存在が、起業の後押しをしてくれました。私の母も自分で会社を立ち上げたので働く母の姿を見てきたこともありますし、子どもの頃から時々、母がちょっといいレストランに連れて行ってくれたんです。おめかしして、ドキドキしながらフォークとナイフを持って…。幼心にそれがとても嬉しくて。お会計は母がしてくれていたのですが、それがかっこよく思えました。父のお金ではなく、自分で稼いだお金で私を喜ばせてくれる。そんな母を尊敬していますし、娘にも同じ経験をさせてあげたいな、と思っています。娘はまだ3歳だから、もう少し先ですけどね(笑)。

−『母』になったことで、精神的に強くなった部分もありそうですね。最後に、今後のビジョンを教えてください。

『女性の働きやすい環境をつくりたい』と思っています。これは、起業する時から私の理念でもありました。自分で働き方を選択できて、自分らしく働ける。そんな環境があれば、女性はもっと活躍できると思います。今の会社はまだ私一人ですが、ゆくゆくは人を増やしたいと考えています。
女性は結婚・出産・育児・キャリア…と人生のステージで悩むことが多いと思います。でも、明けない夜はありません。選択肢を増やすことで、自分らしくラクに生きられる方法もあります。その選択肢の1つに、株式会社ラウンドリングがあるといいなぁと思います。

−「売り上げアップ!」「お客様を増やす」などではなく、「女性の働きやすい環境をつくりたい」というビジョンが、岡本さんらしいですね。


起業という大きな決断も、「自然な流れ」だと笑顔で話す岡本さん。
自然体で穏やかな雰囲気の岡本さんですが、客観的にご自身を分析したり、タイミングを逃さず行動に移したり、どの環境でも学ぶ姿勢をもっていたり、過去の経験を全て今に活かしていたり、常に前向き・楽観的だったり、自分軸を大事にしていたり…と、お言葉の端々に内に秘めた芯の強さを感じました。
「女性の働きやすい環境をつくりたい」と奮闘される岡本さんの、更なるご活躍を楽しみにしています!お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 

取材協力
岡本鏡子さん(37歳)

2016年5月、株式会社ラウンドリング設立。「全ての忙しい女性たちに少しでもラクしてキレイになって欲しい」という想いから、BioMedi〜ビオメディ〜を商品化。オールインワンの手軽さと、ハリ・弾力・透明感アップが実感できる!と口コミやSNSで評判となり、ファンを増やしている。秋に向けて新商品も発売予定。本業の他にも、『起業ママ×ものづくり』の共通点をもつメンバーが集まり、【ラクして美しくなる】をコンセプトとしたプロジェクトを発足。世の中の『ラクして美しくなりたい』女性に向けて、自身の子育て経験も活かしながらイベントを企画中。


この記事を書いた人

早川愛 さん
大手人材会社の新卒採用領域において、法人営業を経験。結婚を機に退職し、現在はフリーランスとしてキャリアを含めた女性の生き方支援を行う。元気いっぱいな男の子(2歳)と遊ぶのが大好きなワーキングママ。