「くるみんマーク」-国が認定した<子育てサポート企業>


「くるみんマーク」という言葉を聞いたことがありますか?これは、次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」に認定した企業に与えられマークのことをいいます。

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この認定マーク取得には、子育て中の従業員が、安心して仕事に取り組めるような環境づくりのための行動計画書を作ることが必要となります。そしてその申請をすることにより、認定を受けることができます。(101名以上の企業は「義務」、100名以下は努力義務)。

認定を受けた企業は、そのマークを、商品や広告、求人広告につけ、子育てサポート企業であることをPRすることができます。それにより、従業員のモラールアップや生産性の向上、優秀な従業員の採用・定着が期待できる、と厚生労働省のHPには書かれています。さらに、この認定を受けた企業には、税制優遇措置(くるみん税制)も用意されており、平成28年6月末時点で、2,570社の認定企業があるそうです。

「くるみんマーク」認定基準

くるみん認定を受けるには、1~9項目の基準を満たすことが必要です。その中には、

◎育休をとった男性が1名以上いること
◎女性従業員の育児休暇取得率75%以上
◎3歳から小学校就学前の子どもを育てる従業員に対して、フレックス制や時差出勤制度、シッター代負担等の制度がある
◎法に違反する重大な事実がない

などがあります。どれもこれも、子育て中の従業員には、男女問わずありがたい制度です。

認定企業はほんのわずか

くるみんマーク認定を受けた企業が増えれば、育児中の従業員はより働きやすくなることが大いに期待できます。わざわざ国がこのような認定をつくることからも、国を上げて何とかしなくては、という思惑が想像できます。

ただ、日本全国の企業数は約400万程度。うち法人企業は約170万といいます(正確な数字は国でも把握ができていないそうです)。そのうち、くるみん認定企業は2570社程度(平成26年6月現在)とほんのわずかです。また、100名以下の企業は努力義務のみで、計画の提出は不要となっていますので、実質、なんら対策を打たなくても問題はない、という捉え方もできます。

電通も「くるみん」認定企業

先日話題になった、株式会社電通は、「くるみん認定企業」でした。認定基準には法に違反する重大な事実がない、ということも条件ですので、現状の労働基準法違反部分が改善されない限り、取り消しが検討されるとのことです。

先にご説明したように、くるみん認定は、企業側が表向きのイメージアップに利用することができ、また税制措置も受けられるという利点があります。ですので、それを目的として、実態が伴わないまま、認定が名目上だけになっていないかどうか、国も監視が必要ではないかと思います。

国の認定に関係なく実態をみてみる

ただ、一方で、このように国から認定をうけずとも、100名以下の企業でも、子育てと仕事の両立を、健全に行うことができるよう、様々な施策を実行している小規模の企業も着々と増えています。

くるみん認定は、子育て中の方にとっては、会社選びの一つの指針になると思います。ただ、転職をする際に、くるみん認定企業だけを探していくのはとても困難です。認定にとらわれずとも、企業の働き方や制度、育児中の従業員の方々の働き方の実態をみて、ご自身のご状況や希望と照らし合わせ、的確に判断することが重要になります。

次世代育成支援対策推進法は平成17年4月1日に制定、平成27年3月31日までの時限立法でしたが、10年延長され、平成37年までとなっています。この法律に基づいて、子育て中の私たちの働く環境が少しでも改善し、子供が成長した頃には、今よりも、健やかに誰もがいきいきと働ける社会になっているよう、従業員と企業側が少しずつでも協力・理解しあっていければと願うばかりです。