育休中から考えておこう! ~外国人ママに学ぶサスティナブルな家族生活~


外国人ママたちと子育てや仕事について話していると、彼女たちは家事育児から非常に上手に手を抜いて、リラックスして生活していることが分かります。その一方で、日本では家事育児が辛いと語るママたちが多くいらっしゃいます。

なぜ日本のママたちはこんなに大変なのか、家事育児で自分を消耗させているのか。この大変さ、辛さを解消するためのヒントを、アメリカにいる外国人ママたちの日常生活の中から探してみました。

1.親が楽しむため、楽をするために他人を頼る

筆者がアメリカ暮らしをする中で驚いたことの一つに、「自分が楽しむ、楽をする」ために子どもを友人やベビーシッターに任せることへの社会的容認があります。

「金曜日の夜、妹と二人でボストンにミュージカルを観に行くから」

「月に一回は夫とレストランに食事に行くから」

「ゆっくりデパートで買い物をしたいから」

こういった理由で、他人に子どもの世話をお願いして、外国人ママたちはどんどん出かけていきます。もしこれが日本であれば、「そんなことで他人を頼るべきではない」と他人から白い目で見られてもおかしくありません。「母親たるもの子どもを置いて自分が楽しんではいけない」「楽をするために他人を頼るべきではない」という風潮があるからです。

しかし、立ち止まって考えてみると、そもそもなぜ母親が「自分が楽しむこと、自分が楽をすること」に罪悪感を覚えなければいけないのか、という根源的な疑問に行き当たります。

母親が我慢をし続けることが家族にとって果たして健全なのでしょうか?母親は自分の楽しみを家族の後回しにしなければいけない存在なのでしょうか?

子育てを負担に感じないという人がいるということも事実ですが、カウンセリングにいらっしゃる方々を見ると、子育てが負担で、我慢をし続けた先に疲れやストレスを溜めて体調を崩す方、両立に悩んで仕事を辞める方がいるのも事実です。

母親自身が「自分が楽しむこと、自分が楽をすること」に罪悪感をもたず、むしろ「自分を含めた家族全体の幸せのための行動」と捉えていけたら、仕事と家庭の両立がもっと楽になり、サスティナブルな働き方ができるようになるのではないでしょうか。

まずは、同じ子育て中の友人と「自分のため」に互いを頼ることから始めてみてはどうでしょう。

2.身近な楽しさを大事にする

アメリカでは、国土が広いことや祝日が少ないことから、長期休みでない限り家族で遊園地などに出かけることは難しいようです。その代わり、週末は近所のイベントや公園で数時間程度遊ぶ家族が多く、全体的にのんびりしています。

一方で日本では、ワーキングママが自分と専業主婦のママを比べ、子どもと過ごす時間が圧倒的に短いことを気にして、仕事で疲れた体に鞭打って週末に遊園地などの「特別なお出かけ」に連れていかなきゃいけない、と思っている方が多いように思います。

正直なところ、アメリカのイベントは全体的にシンプルで、日本人の感覚で言うと「人を呼べるレベルではない」雑なものも多いです。農場の秋祭りに行ったところ、corn beachという、乾燥コーンを大量に敷き詰めただけの場所で子どもたちが転げまわって遊んでいた(!)、ということもあるほどです。

しかし、それでいてアメリカに暮らす子どもたちが、特別なお出かけに連れて行ってもらえず不幸せなのかというと、全くそのようには見えません。楽しそうに泥んこになるまで遊んでいます。

そもそも、子どもをお出かけに連れて行くのは、何のためなのでしょうか?

子どもを楽しませるためなのか、それとも「普段遊んであげられなくてごめんね」という親側の罪悪感を解消するためなのか。この部分を自分に問いかける必要があると感じます。

もし、子どもを楽しませるためなのであれば、遊園地などの特別な場所へのお出かけではなく、近所の公園、近所のお祭りでも、子どもは十分に楽しめると筆者は考えます。むしろ、遊園地のように乗り物ごとの年齢制限や待ち時間がない分、兄弟姉妹が一緒に遊べるというメリットがあるように思います。

身近にあるちょっとした楽しさを大切にすることで、子どもにとっては楽しくて親にとっては負担の少ない時間の過ごし方ができるのではないでしょうか。

3.パートナーとの対等で効率的な家事育児分担

アメリカで周囲のご夫婦を見ていると、外国人男性が家事育児に携わるレベルの高さに驚かされます。

平日のスーパーに子ども三人を連れて買い物に来ている男性を見かけることは日常茶飯事ですし、その他にもPTAのクラス役員、料理、子供の髪を結ぶ…など、日本では女性の仕事と思われる分野を男性が担っています。

これは実際にデータを見ても明らかです。

(参考 http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/kids/2_2.html
(参考 http://suzie-news.jp/archives/7230

何人かの男性に話を聞いてみると「妻よりも僕の方が得意だから」「僕の方が時間を作りやすいから」という非常にシンプルな答えが返ってきました。「男性だから/女性だから」ということではなく、もっと実利的な判断で家事育児の分担をしているのです。

女性の社会進出が叫ばれて久しくなりましたが、それでも日本では、家事育児を行うことが女性の基本的な役割であり、家族やパートナーへの愛情の示し方であるという風潮が根強く残っているように思います。

しかし、家族生活を平和で持続可能なものにするためには、女性/男性という性別による分担ではなく、最大限に効率性を重視した家事育児分担を行っても良いのではないでしょうか。

「長い目で見た時に、誰が担うことが家族にとって効率的なのか」という目線で家事育児の分担を見直してみると、パートナーに任せられる家事も増えてくるかもしれません。

さいごに

日本人は真面目で勤勉、という国際的なイメージそのままに、日本のママたちは家族のために日々頑張っていると心から思います。でも、ママが自分の家族を大事に思う気持ちと同じくらい、ママ自身が大事にされるべき存在であることを忘れないでください。

子育ても仕事も先の長い取り組みです。「自分が頑張る、自分が無理をする」以外の選択肢を母親自身が持っておくことが、幸せでサスティナブルな家族を作るのではないでしょうか。


この記事を書いた人

山口 奈生 さん
大学卒業後、大手損害保険会社の総合職として勤務。夫の海外留学に帯同するために、子ども二人とともに渡米。帰国後、キャリアカウンセラーの資格を取得し、第三子を出産。人材サービス会社で勤務ののち、キャリアカウンセラーとして独立。現在、再度家族で渡米し、アメリカ⇔日本のリモート勤務中の、一男二女の母。