会社の中でも自分らしいキャリアは作れる!~100年ライフ時代の主体的なキャリアの作り方~


みなさんは、ご自身のキャリアの作り方について、どのように考えていますか?

「キャリアアップは、転職することで実現するものだ」、「自分のキャリアと言っても、会社員なのだから、会社都合で異動するものだ」と思っている方も多いようです。

本来、自分のキャリアは、自律的にコントロールしていくことが可能です。最近話題の本、リンダ・グラットン著の「ライフ・シフト」の中でも言われているように、これからは人生100年、働くのは80年の時代

平均寿命が延び、働いている時間も長くなる中、自分で自分のキャリアをコントロールし、自分らしい人生にしていきませんか?

望むキャリアを手に入れるためにできることって?

筆者がキャリアカウンセラーとしてお会いする方の中には、一つの会社に長く在籍し、いろんな部署を歴任している方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、異動の仕方が大きく二つに分かれます。

一つは、それまでの経験が次に生かされ、着実にステップアップできている異動。もう一つは、非連続的で、あまりステップアップに繋がっていない異動です。

真面目で器用なタイプの方ほど、後者の異動を繰り返している傾向がある印象を受けます。器用であるがゆえに、本当に“会社の都合最優先”で、人が足りない部署にアサインされてしまっている可能性があります。それ自体は悪いことではありませんが、ふと自分のキャリアを振り返った時に、「私って、何をしてきたんだろう」と思い悩む方がいるのも事実です。

やってみたい仕事や望むキャリアがあるなら、ぜひ手に入れたいですよね。そうは言っても会社は組織ですから、もちろん全体最適が最優先です。必ずしも、自分の希望が通るとは限りません。 だからといって、最初からあきらめる必要はありません。望むキャリアを手に入れるためにできることを、いくつかご紹介します。

1.発信する

「この仕事をやってみたい」「将来、こんな風になりたい」という思いを、周囲に発信しましょう。頻度は多い方がいいので、発信しまくる!くらいのイメージで良いかもしれません。

上司との能力開発面談、人事との面談といった正式な場から、同僚や先輩との飲み会、社内交流会、SNSなどのフランクな場まで、どんな時でもOK。繰り返し発信することで、人事異動のタイミングで「そういえば、あの人興味あるって言ってたな」と、思い出してもらえるようになります。決裁者本人の耳に入っていなくても、周囲が推してくれるかもしれません。

“根回し”という言葉を使うと、ちょっとネガティブなニュアンスに映るもしれませんが、自分の前向きな意志を発信することは、何も悪いことではありません。主張し、アピールしなければ、周囲に自分の意志を理解してもらうことは難しいですよね。

もし、候補者が2人いて、同じ能力だとしたら、やる気のある人に任せたいと考える人が多いでしょう。経験のないポジションでも、「やる気があるなら、任せてみよう」と思ってもらえるかもしれません。

こうした反応を得るためには、今の仕事に誠意をもって取り組んでいること、成果を上げていること、周囲と良い関係を築けていること、が重要になります。いくら発信しても、適当な仕事ぶりが目に付いたり、評判が悪かったりしたら、抜擢は難しいものです。

「ぜひ、この人に任せたい」と思ってもらえるよう、発信し続けると同時に、目の前の仕事も責任を持って頑張りましょう。

2.社外活動に力を入れる

「キャリア=職業」だと思っている人も多いのですが、実はこれもよくある勘違いです。

本来“キャリア”とは、職業以外にも、余暇や趣味の時間、家庭人としての活動、市民活動、学びなど、全てを含んだものを指します。そのため、社外活動に力を入れることも、立派なキャリア構築の手法の一つなのです。

子育てをする親として、趣味を通じて知り合った仲間とのディスカッションの中で、スポーツをする中で、PTAや自治会の活動を通じて、社外勉強会に出席する中で・・・。気づいたこと、学んだことはありませんか?

子育ては、非常にマネジメント力が鍛えられますよね。 例えば、子どもが体調を崩した時。夫婦でどちらが対応するのか相談したり、祖父母や病児保育、ファミリーサポートなどをアサインし、何をどこまでお願いするのかを決めて説明する、というプロセスを見てみても、よくわかるかと思います。

またスポーツを通して、辛い時や苦しい時でも、自分で自分をコントロールし、ゴールを見据えて突き進み続ける大切さを学ぶ人も多いでしょう。
社外で、抱える背景や価値観が異なる人と対話することは、様々な気づきをもたらしてくれるものです。

こうした経験もすべて、自分自身の能力を高めるものであり、キャリアとして見なすことができます。社外活動で身についたスキルが、仕事の場で生きることもあります。

会社の中でのポジションが思うようにいかなかったとしても、プライベートであれば、比較的コントロールしやすいと思います。ぜひ、積極的に社外の人とコミュニケーションしたり、余暇や趣味を楽しんだり、勉強したりする時間を取ってみてください。

3.内省し、身についた力を言語化してみる

あなたは、「この経験を通じて、この能力が身についた」と自分のキャリアを簡潔に語ることはできますか?

転職経験がないと、人に話したり、職務経歴書を書いたりする機会は、あまりないかもしれません。ですが、キャリアの棚卸という意味で、職務経歴書はとても使いやすいツールです。「自分がやってきたことを整理し、キャリアを棚卸するために、提出のあてはないけれど、年に1度更新している」という人もいます。

内省をする上で大切なことは、「仕事を通じて、こんな風に成長できた、こんな力が身についた」という自覚を持つことです。

例えば、「営業一筋できたから、自分は営業しかできない」と思っている人も多いのですが、具体的にどんな力が身についたかブレイクダウンしていくと、その人らしさが見えてきます。「行動力や人を巻き込む力が身についた」と感じる人もいれば、「傾聴力、提案力が上がった」と感じる人もいるでしょう。扱う商品・サービス、業界、顧客特性などによっても変わるものです。

言語化してみることで、「なんとなくここまで来たけれど、私ちゃんと成長しているな」という実感が持てたり、「この仕事を通じて、意外とこんな力が鍛えられているんだな」と気づけたりすると思います。この先のキャリアを考える上でのヒントとして、「この力が身についているなら、こんな仕事にも親和性があるかもしれない」と選択肢の幅が広がったりすることもあります。

さいごに

私たちは、会社員として、親として、子として、友人として、社会や地域を構成する一員としてなど、様々な顔を持っています。すべてひっくるめて“自分”という人間であり、切り離すことはできません。プライベートの活動が仕事に生きたり、仕事の経験が子育てに生きたりと、相互作用しあうことで、キャリアに幅を持たせることができます。

自分らしいキャリアを送るために、あらゆる面からアプローチしてみることをオススメします!


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。2歳の娘を抱えるワーキングママ。