小学校入学といえば「小1の壁」。この言葉を思い浮かべる方も多いのでは?
こちらのコラムでもご紹介していますが、子どもが小学校に上がるとき、子どもの生活は大きく変わります。それに合わせて、共働き家庭、特にワーキングママは、働き方や生活スタイルを見直す必要が生じ、様々な困難な状況、悩みに直面します。これがいわゆる「小1の壁」と呼ばれるものです。この言葉はすっかり一般的になり、「壁」という言葉から、大変そうなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
筆者の子どもも、この4月に小学校に入学しました。
実際、筆者が経験して感じたのは、「小1の壁」とひとことで言っても、環境・手続き面や子ども・親の心理面など、様々な要素があるということ、はじめてで分からないことが多いからこそすべて大変に思えてしまうのでは?ということです。
「大変そう」だけど、一体何が?
漠然と感じている不安を可視化できれば、モヤモヤが晴れ、あなたの決断や行動が少し変化すると思いませんか。
そこで、今後同じ悩みに直面するかもしれないママに向けて、先輩ママへのヒアリング結果をもとにした情報を、工夫できるポイントと共にお伝えしたいと思います。
具体的には、一体何が大変なの? ~環境・手続き編~
先輩ママに何が大変だったか?聞いてみたところ、いろいろな声がありました。
- 手作り品、学用品の購入、名前付けなど入学前に準備すべき物事が多い
- 何事も伝達が直前であり予告もないため、その都度準備の手間がかかる
- 行事の日程が入学するまで分からない
- プリントや手書きの提出物が多い
- 入学後の子どもの生活習慣を定着させるのが大変
環境・手続きに関してまとめてみると、全体を通して、「見通しの立てにくさ」「煩雑さ」「はじめてのことへの不安」によるものが多いように感じました。
一方で、「手続きに関して特に困ったことはなかった」という先輩ママも。
みんな大変と言っているから、自分に当てはまるわけではないことを示す、良い例だなと思いました。大変さを感じるポイントには個人差があるということですね。
先輩ママたちの工夫・こうしていればよかった!アイデア
実際、先輩ママはどんな工夫をされていたのでしょう。
できれば効率よく取り組みたい!忙しいワーキングママのアイデアをまとめてみました。
◆積極的に情報収集する
一番多かったのは、『同じ学校に通う上級生ママに情報収集をした』という声です。
具体的には、どんな手続きが必要か、いつ頃どんな用品が必要になるか、用品購入のポイント、経験者だから分かる耳寄りの情報など。細かいことですが、事前に情報収集しておくことで、作業の効率化や二度手間防止にも役立ったようです。
知り合いがいなかったので、近所のママに積極的に働きかけて情報を得た、という方もいました。
◆タスクを整理する
大量に配布されるプリントもママの悩みのひとつ。
入学準備に関しては、「情報の宝探しのようだった」という声もあったほど。
筆者も、プリントからTODO・購入品・手作り品・提出物とそれぞれの期限を洗い出して整理し、タスクの抜け漏れがないよう工夫しました。
管理表を作成して家族が見えるところに貼り、分担して進める材料にした先輩ママも。
入学後も大量に届くプリントの保管・運用方法は、入学前に決めておくとよいのでは?というアイデアもありました。
実際、筆者も必要なときにプリントが見つけ出せず困った経験があります。
それ以降、必要な情報は写真に撮っていつでもスマホで確認できるようにしています。また、保管するプリントの定義を決め、提出物以外で不要なプリントは都度処分するようにしたところ、プリントを探すストレスが減ったように感じます。
◆事前に決めておく
子どもの生活習慣に関しては、入学前から子どもと話し合っておくとよいかもしれません。
朝・帰宅後のタスクは何があるか一緒に考えたり、身支度ボードなどを事前に導入して、慣らし期間を作ったりするのもよいのではないでしょうか。
筆者の場合、ランドセルや教科書、時間割などの配置を事前に決めておき、子どもの動線に合っているか確認しました。
余裕を持って事前に決めておくと、子どもも順応していきやすいように思います。
◆人やサービスに頼る
パートナーと作業を分担したり、家族や知り合いを頼ったり、自分だけで抱え込まないことも大切かもしれません。手作り品の販売サイトや名前シールを活用した先輩ママもいました。子どもと一緒にデザインを選ぶことで、子どもの満足度も高かった!という先輩ママの声もありました。
やっぱり気になる学童保育
ワーキングママであれば、やはり気になる学童情報。
厚生労働省の『平成29年(2017年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況』によると、待機児童数は、小学1~3年生:9,465人、小学4~6年生:7,705人にのぼり、都道府県別では、東京都(3,600人)、埼玉県(1,691人)、千葉県(1,177人)で全体の4割弱を占めているという現実も。
今回は、首都圏在住の先輩ママにお話を伺いましたが、公的学童に限らず様々な選択肢を検討された上で、皆さん仕事を続けていました。
公的学童の実施状況や、閉所時間・お迎えの有無・費用など条件が合うかどうかなど、ご家庭によって、事情や希望もさまざまですよね。
また、夏休みのお弁当作りも公的学童を利用するママの悩みの1つでもあるようです。仕出し弁当の提供がある、お弁当注文制度が導入されている学童もあるようですが、まだまだママの負担になっているというのが現状ではないでしょうか。
先輩ママの中には、そういった負担も想定し、条件や環境などを総合的に判断して、民間学童を選択したという方や、公的学童と、民間学童・ファミリーサポートを組み合わせて利用した方も。
また、学童ではなく「放課後子ども教室」を利用して仕事をしている、というママもいます。
学童の利用を考えている方は、ご家庭に合った選択をするためにも、前もって、ご自分の自治体の学童の状況・時間・費用など調べておく、また、出来る限り多くの選択肢を想定しておく必要があると言えるのではないでしょうか。
親もはじめてのことだと緊張して、つい力みがちになります。
ママが笑顔でいられるように、いろいろな選択肢を考えながら、うまく力を抜いて取り組んでいけるとよいですね。今回お届けした先輩ママの声、ぜひ参考にしてみてください。
次回は、子どもと親の心理面編をお伝えしたいと思います。