2019年が始まり約1か月が経過しますが、皆さんはどんなスタートを切られましたか?
今年は5月の新元号への変更や10月の消費税率変更など「変化」の多い年であると同時に、56年ぶりの東京オリンピック、パラリンピックや30年ぶりの大学入試制度改革などを来年に控えた「最終準備」の年でもあります。
「女性管理職比率30%」まであと1年
企業においても、今年はいよいよ4月に『働き方改革関連法』の一環で有休の取得が義務化されるなど「変化」の年といえます。また来年には就活ルール撤廃のほか『女性活躍推進法』の一環の「女性管理職比率30%」の達成期限も控えています。
とは言え、直近の厚労省のデータ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-29r/02.pdf)によると女性管理職比率はいまだ12%未満と低く、30%への道のりはまだまだ遠い状況です。
もちろん2016年4月の法律施行以降、多くの企業では女性社員を対象にしたキャリア研修や管理職向けの女性部下育成の為の研修の実施、あるいは女性が働きやすい職場環境の整備など様々な取組みをしてきました。
それでも目標に遠く及ばないことから、今年は『女性活躍推進法』の改正も予定されており、来年からはこれまで対象外だった100人以上300人未満の企業への適用拡大も検討されています。
女性は管理職になりたくない?
では何故なかなか女性管理職が増えないのでしょうか?
その答えの1つは、女性自身が管理職になりたがらないということがあります。
実際、キャリア研修に参加する女性社員から良く聞こえてくるのは「管理職なんてなりたくないのに研修に呼ばれて戸惑っている」「女性管理職が増えること自体はいいことだと思うが私は今のままでいい」と言う声です。
また、「せっかく女性を管理職にしようと思っても、女性の方が拒むので困っている」という管理職の声も沢山聞かれます。
また、ある調査では女性の約8割が管理職になりたくないと回答しており、その理由として「責任が増えるのがイヤ」「両立が難しそう」などのほか、「自分には無理」「まだ早い」などの自信の無さを表す声も多く挙がっているという結果もあります。
この自分に自信が持てないこと、自分の能力を過小評価してしまうことを「インポスター症候群」と言います。
男女関係なく約7割の人がかかるものの、女性の方が陥りやすくその程度も強い傾向があると言われています。あのフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏や、前オバマ大統領夫人で弁護士でもあるミシェル・オバマ氏もかつてインポスター症候群にかかっていたとその著書で述べています。
傍から見れば輝かしいキャリアを持ち、自信に満ち溢れているように見えるこの二人も、実は自分に自信がなく自己評価が低かったというのはやや意外な感じがしますが、自分だけではないんだとほっとする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かく言う筆者もかつて自信の無さから管理職になることを数回断った経験があります。決断力もあり、強いリーダーシップを発揮し多くの部下に慕われていた当時の上司のようには到底なれないと思ったことが最大の理由でした。
マネジメントスタイルは百人百様
それでも最終的に管理職になる事を決めたのには2つの理由がありました。
1つは、その上司からの「私のような上司になる必要なんてない」という一言でした。マネジメント方法は1つではなくマネジメントに正解は無いこと、だからこそ誰かのまねではなく自分なりのスタイルを築けば良いこと、もし迷うなら先輩管理職から少しずつ「良いとこ取り」し、組み合わせてみればいいことなどをアドバイスしてくれました。
そしてもう1つは、それでも自信が持てず「もう少し時間が欲しい」と返事した筆者に、「いつになったら自信がつくと思うのか?」と質問されたことでした。その質問をされたことで、先延ばしにしてもただ時間が過ぎるだけで自信がつくわけでは無いことに気付き、それなら早めに挑戦した方がいいかもしれないと思ったのです。
そして実際管理職になり部下を持ちましたが、恐れていた程の変化ではなく、思いのほかすんなりと役割を受け入れることができたように思います。
管理職になるまでは、管理職になったら誰にも頼らず一人で全てを決定していかねばいけないという思い込みがありましたが、実際には管理職になってもこれまで通り上司はいるため必要な時はサポートを得られます。また上司だからと言って部下を頼っていけないわけではありません。
管理職というと部下をぐいぐい引っ張っていく強いリーダーや、全てに誰よりも詳しく、常に正解を部下に提示できる完璧な上司を思い描きがちですが、決してそうではないのです。
たとえば最近注目されているスタイルに「サーバントリーダシップ」というものがあります。これは部下を支えるためにリーダーはいるという概念のもと、部下の話をよく聞きよく理解しながら、部下と共に考え、部下の成長の為に伴走するようなスタイルで、共感力や傾聴力、観察力が男性よりも優れた女性に向いているスタイルと言われています。特に承認欲求が高く、怒られ慣れていない最近の若手社員には特に有効なスタイルと言えるかもしれません。
また、あえて自分の不得意な部分、不完全な部分をさらけ出すことで部下の協力、フォロワーシップを得ていくようなスタイルも女性向きと言えるかもしれません。
まとめ
ある調査で「管理職になって良かった」と回答した女性管理職が7割に上るという結果があるように(https://www.ti.tohmatsu.co.jp/column_report/research/research_35_170310.html)、実際になってみたら意外に良かったと思う人は少なくないようです。
自分なりのマネジメントスタイルは一朝一夕で出来るものはなく、トライ&エラーしながら、自分にしっくりくるオリジナルのスタイルを数年かけて見つけていくものです。
そのため、もし皆さんの中に管理職を打診されている、あるいはそろそろだが自信がない、不安だという方がいらっしゃれば、「案ずるより産むが易し」で、まずは挑戦してみてはいかがでしょうか?やって良かったと思える何かに出会えるかもしれません。
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