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【就社】から【就職】へ あなたらしいキャリアの築き方を考えよう


「自分らしいキャリアを築きたい」そう考えたことはありませんか?

エスキャリアのカウンセリングサービス、マイ・カウンセラーにも、そういったご相談は多く寄せられます。

しかし、「やりたいことはあるけれど、最低でも〇年は今の会社で働いたほうがよいのではないか」「子育てとの両立ができる働き方をしたいけれど、一度正社員の道を外れると、二度と正社員に戻れないのではないか」など、自分らしくキャリアを築きたいという思いを持ちながらも、一歩踏み出すことを躊躇してしまう方もいらっしゃいます。

深く根付く「就社」の概念

独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の行った「第 7 回勤労生活に関する調査(2015年)」によると、「終身雇用」を支持する割合が約9割で過去最高になり、特に20代、30代の支持割合が2007年から急激に伸びているという結果が出ています。

長い間、日本企業の成長を支えていた「日本的雇用」の仕組みが、1990年代以降、成果主義の導入やリストラの実施などに伴い、徐々に手放されてきた現在においてもなお、「終身雇用」が支持されており、先述の調査対象者の過半数が1つの企業に長く勤める働き方を望んでいて、中でも20代の支持率がもっとも高い点は、大変興味深い結果といえるでしょう。

また、「一企業キャリア」を選択する割合がゆるやかな上昇傾向を示す一方、「複数企業キャリア」「独立自営キャリア」を望む割合が低下傾向を示していることからも、どの年代においても「ひとつの企業で長く勤めること」「雇用されること」望む方が多いのが分かります。

これは、職に就くというよりも、どこかの会社に就き、長く働くこと、つまり「就社」することがごく当たり前のことと認識され、評価されるものであると信じられているからなのではないか、と思うのです。

 

人生100年時代の到来 「長く働く」とは?

かつては、定年退職後は悠々自適の老後生活というようなイメージで、「定年まで働く」ことが「長く働く」ことを指していたかもしれません。しかし、今や人生100年時代と言われています。定年退職が65歳と想定しても、定年後35年もの時間が残されていることになります。

そう考えたとき、「1つの会社で長く勤め、定年まで働いた」あとも、また、働くという選択をする方が増えることが予想されます。先ほどの調査でも、調査対象者の9割強が「いくつになっても働ける社会にしたい」と回答しています。

「長く働く」ためには、長く会社に勤めること、定年まで働くことだけを目指すのではなく、会社に属していても自分の軸で「キャリア」を考え、「いくつになっても働ける力を自ら培う」ことが必要ではないでしょうか。そして、それが「自分らしいキャリア」を築くことに繋がっていくのではないかと思うのです。

あなたが「あなたらしく」働くために

それでは「いくつになっても働ける力」を培うにはどうしていけばよいのでしょうか。

◆思い込みを手放す

まずは、自分の中にある思い込みに気づくことから始まるのではないかと思います。
冒頭に挙げたお悩みにも、ちょっとした思い込みが含まれていることに気づかれましたでしょうか?

「やりたいことはあるけれど、最低でも〇年は今の会社で働いたほうがよいのではないか」
→ ひとつの会社で長く勤めなければならない

「子育てとの両立ができる働き方をしたいけれど、一度正社員の道を外れると、二度と正社員に戻れないのではないか」
→ 正社員でなければならない、雇用されなければならない

もちろん、「ひとつの会社で長く働きたい」という希望であればよいと思います。

しかし、希望ではなく「〇〇であることが普通」「〇〇でなければならない」というような考え方になってしまうと、あなたを押さえつけ必要以上に苦しめてしまうことがあります。

行きたい方向があるのになぜか一歩進めない方は、一度、ご自分に「なぜそう思うのか?」「本当にそうなのか?」を確認してみてはいかがでしょうか。

◆自己理解を深める

自分のポータブルスキル(業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力のこと/厚生労働省HPより)や強み、自分がやりたいこと、自分が大切にしたい軸など、自己理解を深めることも、大きな助けとなるでしょう。

それらを明確にしていくために、
・キャリアの棚卸しを行い、ご自分の経験やスキルを点検し強みを洗い出す
・どんなことにやりがいを感じるのか、やりたいことは何かを書き出す
・自分が仕事を決めるときに大切にしたい事柄を洗い出し優先順位をつける
といったことを行ってみるとよいと思います。

ご自分と向き合い、考えを掘り下げるのが、おひとりでは難しいなとお感じになる場合は、キャリアカウンセリングを受ける、というのも有効な方法といえるでしょう。

◆数年後の自分を展望する

1年後、3年後、5年後・・・というように、いくつかに分けて未来のご自分を展望してみましょう。

そのとき、例えば「この会社に入ること」「この会社で管理職になること」というように、漠然と、会社に紐づけて考えすぎず、具体的に、自分軸で「キャリア」を考えることも大切なポイントです。

上記の場合は、「この会社に入ること」「この会社で管理職になること」と思うのはなぜか、どんなスキル・経験を身につけた自分になりたいかというように、掘り下げて考えてみるとよいと思います。

◆多様な価値観に触れる

今と異なる環境にも飛び込んでみるのもよいのではないでしょうか。

転職もひとつの方法ですが、現職に就きながらプロボノやボランティアに取り組んでいる方も増えています。また、出産・育児休暇中に出会うコミュニティなども、ひとつの異なる環境といえると思います。

そういった場に行くと、いつもは出会わない人に出会います。新しい価値観に触れると、「気づき」が生まれることが多くあります。その「気づき」は自分の価値観やキャリア、スキル、現在の職場での仕事の仕方などを振り返る機会となり、よりブラッシュアップできるきっかけになることもありえるのです。

また、多様な価値観に触れることは、あなたの「柔軟性」「相手を受け入れる力」を養うチャンスにもなるかもしれません。

あなたらしいキャリアを築くために、一度【就社】の概念を置いて、自分自身の「キャリア」と向き合ってみませんか。

エスキャリアのマイ・カウンセラーでは、プロのカウンセラーがおひとりおひとりに寄り添い、対話やワークを通して、あなたのお悩みを解決へとサポートいたします。あなたが「あなたらしいキャリア」を築くヒントを一緒に見つけませんか。


この記事を書いた人

松井 美佳 さん
大学卒業後、システムエンジニアとして勤務。その後、人材業界に転身。企業や行政機関での転職支援を経験、キャリアカウンセラー資格を取得。結婚・出産を経て、現在はフリーのキャリアカウンセラーとして、リモートワーク中心にキャリアカウンセリングのほか、ダイレクトソーシング・コラム執筆などにも携わっています。二児の母。
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