IT技術の進歩や企業におけるデジタルトランスフォーメーションが進んでいることに加え、昨年からの新型コロナウィルスの感染拡大などにより、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。

経団連は、終身雇用や年功序列賃金などの日本型雇用システムについて、強い危機感を示し、見直しを求めています。これは、一人一人のスキルにさらに焦点が当てられる時代に移りつつあるということです。

弊社のキャリアカウンセリングサービス、マイ・カウンセラーに寄せられるご相談の一つにも「専門性がなくて不安です」という声があります。「自分が活躍できる専門的なスキルがないと思っている」という不安が大きいようです。あなたを不安にしているその「スキル」とはそもそも何なのでしょうか？

そもそもスキルとは？

スキルは大きく分けると、「テクニカルスキル」、「ポータブルスキル」の２種類があります。

「テクニカルスキル」とは、他の業種や業種が同じでも他の会社では通用しない能力です。（ex:IT、金融、不動産、サービスetc業界、エンジニア、マーケティング、事務、経理etc職種において働く上で必要な知識、経験などのスキル)専門性が高いので年齢が上がるにつれ同業界・同職種への転職で強く求められます。

「ポータブルスキル」とは、業界や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力のことです。（ex:問題解決力、PDCA力、チームワーク力、マネジメント力、交渉力など）「専門的知識・技術」「仕事の仕方」「人とのかかわり方」によって構成され、第二新卒や異業界・異業種への転職で求められます。

また、「スタンス」と呼ばれるあなたの想い、価値観、考え方もスキルを考える際に重要とされています。

相手の価値観と合致するのか判断するような場面、例えば転職先を検討している時に自分が企業の考える方向性と合致しているか精査するのに役立ちます。

企業の求める人材像

では、企業はどのようなスキルを持つ人材を求めているのでしょうか？2020年に帝国データバンクが行なった新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査によると、企業が求める人材像は、前回の調査から比較して「リーダーシップ」や「主体性の高さ」「問題意識が高い人材」や「専門的なスキルを持つ人材」を望む傾向が高まっていることがわかります。

また日本政府は「人生１００年時代構想推進室」の看板を掲げています。2020年に独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「人生１００年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」によると、これまでは「経験を基に着実に仕事を進める能力」や、「チームの一員として役割を果たす能力」が重視されてきました。

しかし、人生１００年時代に求められる能力は、「自ら考え行動することのできる能力」や、「柔軟な発想で新しい考えを生み出すことのできる能力」がより重視されるようになり、これまで以上に主体性や発想力は企業が期待するポータブルスキルとなっていることがわかります。

さてあなたの持つポータブルスキル、スタンスはどのようなものがありそうでしょうか？「○○株式会社で○○職を○年担当していて○○のシステムを使えます」、「○歳になる娘が一人おり正社員として○年前に退職後、○年間現在まで専業主婦として家庭を支えています」などの説明とは違い、ポータブルスキルについて人に説明をする機会はほとんどありません。

それゆえ、仕事探しをしようと立ち上がった時に自分のアピールポイントを説明する書類作成、職種探し、面接という次に起こりうる段階を思うと行動を起こせないでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

キャリアカウンセリングを有効活用

自分のポータブルスキルを発見するには、キャリアの棚卸し、自己分析を行うことが有効です。一人で取り組むこともできますが、様々な質問技法を備えたプロのキャリアカウンセラーを相手に話す方法もあります。

対話を通して自然と自分の振り返りを行うことができること、第三者に客観的視点をもらえるという利点から最近では利用者も増えているサービスです。

弊社のキャリアカウンセリングサービス、マイ・カウンセラーでは経験豊富なプロのカウンセラーが一対一であなた自身の発見のお手伝いをさせていただいております。

アピールできることは自分自身が当たり前にできていることの中に隠れていることも多く、第三者に話してみるとそれが独自性のものであると気付きが得られる場合があります。

ぜひ、あなただからこそ持つスキルを一緒に発見してみませんか？