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フリーランスで出産。育児休業も手当もない!どう乗り切る?


自由な働き方が広まるとともに、注目を集めているフリーランスという働き方。
筆者自身も、フリーランス生活5年目を迎えます。その間に、結婚・妊娠・出産を経験しました。フリーランスになる前は会社員で制度に守られていたため、「フリーランスで出産するって、こんなに大変なのか」と驚きました。
筆者自身の経験を踏まえ、「こうすれば、フリーランスの出産は乗り切れる!」という方法をお伝えします。

1.貯金は多めにしよう

フリーランスは、稼働していないと報酬が発生しません。妊娠・出産のために休みを取れば、収入は0。頭ではわかっていましたが、実際経験してみると、なかなか苦しいものでした。
社会人生活を10年以上続けてきて、「自分の分は自分で稼ぐ」が当たり前。結婚しても、そのスタンスは変わらなかった筆者。

 
フリーランスになり、出産前の休養に入る直前のある日、ショックなことがありました。夫に「お小遣い、どのぐらい必要?」と聞かれたのです。「収入がない期間でも、いくらかは必要だろう」と、夫は良かれと思って確認してくれました。ですが、「私は、誰かにお小遣いをもらわないと生活できないのか・・・」と、激しく落ち込みました。
 

また、受け取れる給付金にも、フリーランスと会社員では差があります。フリーランスの場合、出産育児一時金は受け取れますが、出産手当金、育児休業給付金などは、受け取ることができません。新しい家族を迎えるには、何かとお金がかかります。同じ時期に妊娠・出産をした会社員の友人たちが給付を受けていることを知り、とても羨ましく思ったのを覚えています。
 

「私がまだ会社員をやめていなかったら・・・」と思った時もありましたが、「ないものはない!」と割り切り、できるだけ余計な出費を抑えるよう、心がけました。ベビーベッドは購入せずレンタル、使う期間が短いグッズは友人から借りる、先輩ママの体験談をもとに、本当に使うものだけを購入する、などの工夫をしました。
 

筆者の場合、産後しばらく収入がなくなることを見越し、1か月分の自分が自由に使えるお金(通信費・交際費・雑費など)約3万円×12か月分で、40万円ほど貯金しておきました。その中でやりくりして、非稼働時間を乗り切りました。
 

また、出産や子ども用品にかかるお金として、別途100万円くらいあると安心です。後ほど還付されるお金もありますが、入院費などまとまった額をいったんは手元から支払う場合もあるからです。
幸い大きなアクシデントもなく、予想外の出費をせずに済みましたが、やはり、多めに貯金しておくに越したことはないな、と痛感しました。
 

かかる費用には、個人差が大きいものです。出産に伴う費用が、自分の場合どのくらいになりそうか?をシミュレーションしてみることをオススメします。

2.保活は用意周到にしよう

フリーランスには、育児休業制度はありません。いつまで休むか、いつから再開するかは、自分次第です。

筆者の場合は、「長く休みを取ったら、もう仕事が来なくなってしまうのではないか」と、とても不安に思っていました。「産後ぜひ戻ってきてくださいね」と温かい言葉をかけて下さるクライアントもいましたが、ポジションが埋まっていれば、戻ることはできません。そのため、「早めに復帰したい」と思い、保育園探しにも妊娠中から早めに取り組みました。状況を整理すると、以下のことがわかりました。

<利点>

・わが子は4月生まれ
※保育園に入れるのは、原則生後57日以上。4月2日時点で0歳なら、生後11か月29日でも0歳児枠に入れる。つまり、同じ0歳児でも、早めに生まれている方が、認可外や認証保育園に預けて実績を積み、認可保育園申請のためのポイント加算を狙いやすい。
・周辺に保育園の数が多い
・会社員とフリーランスの基礎点に差がない

<不利点>

・子どもの数が多く、市内でも1、2を争う激戦区
・認可保育園に入るには、高得点が必要
・0歳児での受け入れ数はわずか
・1歳児で入るのはほぼ不可能

「認可保育園に転園できればラッキー」というつもりで、まずは認可外保育園を探しました。翌年度の申請をするための指数の起算日が11月1日だったので、それまでに入園できれば、ポイントが加算され、認可保育園への転園の可能性が増します。
 

妊娠中でも予約を受け付けてくれる認可外保育園を見つけ、キャンセル待ちをしました。そのうちの一つから連絡があったのは、10月末のこと。「11月1日から受け入れ可能」という、奇跡的なタイミングでした。11月から3月まで認可外でお世話になり、4月からは認可保育園に転園することができました。

3.近況を発信しよう

やっておいて良かった!と思ったのは、周囲への近況報告です。SNSで発信したり、お世話になった方や、今後もぜひお付きあいさせてもらいたいクライアントには、メールなどで定期的に連絡をしていました。
 

フリーランスの仕事獲得は、人脈が命。ウマが合った担当者が異動したことにより、その会社とは疎遠になる、なんていうこともよくあります。また、フリーランスを積極的に活用している企業では、他の人材が参入する可能性も大いにあります。
 

忘れられないために、「そういえば、あの人どうしてるかな?この案件頼めるかな?」と思い出してもらえるように、近況を発信していました。その際、もし自分が企業サイドだったら気になるであろうポイントを盛り込むように心がけました。

・子どもの状況(特別にケア・配慮すべき状況の有無)
・仕事復帰への意欲
・周辺地域の保育園事情、保活の進捗
・復帰時期の見通し
・現在興味を持っているニュースやネタなど

こうした情報を発信することで、いつ頃・どんな案件を頼めそうか、イメージを持ってもらうことができるのでは?と思ったのです。
 

実際、「今度こういう案件が出てきそうなんだけど、復帰はいつ頃になりそうですか?」「まだ保育園入ってないとのことだけど、単発の案件だったらできますか?」など、複数お問い合わせをいただきました。保育園が決まってから、お付き合いを再開したクライアントもあります。
 

新しいクライアント、新しい仕事も楽しいですし、幅も広がるので、積極的に取っていきたいものです。でも、これまでのご縁を大切にすることで、先に繋がることがある、とありがたく感じています。


いかがでしたか?フリーランスならではのメリットもあれば、デメリットもあります。デメリットを事前に知っておけば、備えることができます。
今回ご紹介したのは、あくまで私個人の一例です。女性にとって一大事の妊娠・出産。自分の望む働き方・キャリアを継続するために、少しずつ準備を進めておくと良いですよ。

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この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。2歳の娘を抱えるワーキングママ。
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