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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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チャレンジすることを大切にしながら、管理栄養士としての強みを模索したい。

昨年から、会社員とエスキッチンの食育サポーターを兼業している小柳さん。やりがいを見いだせずにもがきながらも、自ら未来を切り拓くために行動したその原動力と、そして大切にしていることとは。お話を伺いました。

母、兄、祖母の影響を受け、”食”への興味を持つ

4人きょうだいの上から2番目、唯一の女の子として、埼玉県で生まれました。

周りに山や川などの自然があり、木に登ったり、ザリガニを釣ったりして遊んでいました。兄の影響で、幼稚園から剣道を習い始めました。自分で始めると決めたことは最後までやり通すことを母と約束し、中学3年まで続け、2段まで取得。小学校では、持久走で学年1位になったこともあり、中学校では陸上部で長距離を走りました。体を動かすことは得意でしたね。

食べることが好きで、母と一緒にきょうだい皆でカレーや餃子などをつくり、料理にも興味が沸きました。

他にも、動物が好きだったり、髪を結うのが好きだったりと、食以外にも興味があったので、高校の進路選択には悩みました。兄が通っていた高校が、食品、製造、バイオテクノロジーなど、幅広い選択科目がある総合学科でした。元々農業高校だったのですが、自分で授業を選択できると聞いて楽しそうだと思ったので受験し、進学を決めました。

高校では、これまでの食への関わりから、食に関する授業を選びました。他の農業高校の学生が集まって農業について話し合うサークルで活動したり、放課後や休日はアルバイトをしたり、楽しく充実していましたね。

3年生になり、卒業後の進路を決める少し前に、祖母が糖尿病で入院することになってしまったんです。食事のコントロールが出来ず低血糖になり、入退院を繰り返しました。特にやりたいことがなく、漠然と就職ではなく進学しようと思っていたのですが、食への興味と、祖母を助けてあげたい思いから、食に関する仕事をしたいという気持ちが強くなっていきました。

看護師であった母にその気持ちを話したところ、「食に関われるし、おばあちゃんの食事の管理をサポートできるよ。」と、管理栄養士という職業を紹介してくれました。祖母だけでなく、食の面から多くの人を助けることができる管理栄養士を目指そうと思い、管理栄養士の資格を取ることができる専門学校を探し始めました。

”食”で人の役に立つために、新潟の専門学校で勉強する日々

地元の埼玉にも資格を取れる学校は多くあったのですが、医療系に特化していて、系列に医療関係の学部を持つ、新潟の専門学校に興味を持ちました。3年次に各学部の学生が集まり、チーム医療の演習ができることをパンフレットで発見し、これをやりたい!と惹かれて受験し、進学することになりました。

初めての一人暮らしが決まり、新しい世界を見るのが楽しみ、というワクワクした気持ちでしたね。母も、行ってらっしゃい、と快く送り出してくれました。

新潟県でも降雪量が一番多い市で生活をすることになりました。周りも田んぼばかりで、買い物や気分転換に出かけられる場所がなく、何というところに来てしまったんだろうと、精神的にも孤独感を味わい、入学後1年間はとてもしんどかったです。

専門学校の学生は、県外の各地から来ていて学生街があり、一人暮らしの人が多かったので、友達同士で家に集まることが多くなり、地元の友達から友達を紹介してもらったり、と友達が増えていき、徐々に楽しく過ごせるようになっていきました。

4年生になり、卒業後に地元で就職するために、就職活動で埼玉と新潟を行き来しました。祖母の件もあり、病院で働きたいと思って活動していたところ、給食委託会社に就職が決まり、希望通り病院の配属になりました。

4年間通った専門学校を卒業し、地元に帰る時は少し寂しく感じた一方で、この雪国から離れられる!という思いも強くありましたね。

取得した資格が活かされていないと感じ、ふさぎ込む

入社後、急性疾患や重症の患者さんを24時間体制で対応する、急性期病院で勤務を開始しました。職場の環境は良く、人間関係にも恵まれていました。

一方で、仕事内容は、食事の材料の発注や、既に出来ている献立リストから数値を微調整する程度で、管理栄養士の資格がなくても誰にでもできる仕事ではないか、と思うこともありました。朝5時に出勤して、患者さんの朝食を作るという日々。少人数でシフトを回していたため、休暇の取りにくい環境でもあり、体力的にはとてもハードな毎日でした。

休日も翌日の仕事のことを考えてしまい、時間を気にして楽しく遊ぶことができませんでした。そのうち、体を休めるためだけに一人で過ごすことが多くなり、ふさぎ込んでしまい、なぜ管理栄養士の資格を取ったんだろう?と自分に問いかける日々でした。

患者さんに食事を提供するも、直接顔を見ることができず、クレームはあっても感謝されることはありません。日々、時間内に仕事を終わらせることだけを考えていたため、仕事が流れ作業のように単調になり、気持ちが入っていかず、入社して1か月も経たないうちに、やりがいを感じられなくなってしまったのです。専門学校で勉強した知識も、使わないので忘れつつありました。現場で働けているという意味では、勉強になっていましたが、どうしても資格を活かせている気がしませんでした。

入社3年目の頃、エスキッチンというサービスで、作り置きの提供や子どもと一緒に料理をする食育サポーターをしていた専門学校時代の同期から、食育サポーターとして活動してみないか、と誘いを受けました。彼女は、エスキッチンのことを熱く語り、活き活きと働いていたので、興味は持ったのですが、精神的にも疲れてしまっていて、検討することすらできずにお断りしてしまいました。

このままこの職場で仕事を続けていても、新しいことは何も得られないという思いと、やはり管理栄養士の知識を活かして働きたいと思い、転職することを決意しました。

自分の関わりによるお客様の変化に、やりがいを感じる

「管理栄養士の資格を活かした仕事」で、求人を探し始めたところ、「生活習慣を改善する」というキャッチフレーズが目に留まって惹かれ、発毛・美顔サロンの研究職に応募をしました。

面接で社長と話をしていると、自分にはまだ研究職として仕事をするための知識や経験が足りないので、現場でそれらを積んでから1~2年後に研究職に転換してはどうか、という提案を受けました。確かに、知識が抜けてしまって、すぐに研究職として仕事をするには不安があったので、有り難くその提案を受け、入社することにしました。

昨年の4月から、発毛・美顔サロンにて、発毛カウンセラーとして働いています。お客様の発毛のために、生活習慣を改善してもらえるように、管理栄養士の知識を活かして、食事の観点からアドバイスをしています。シャンプーやマッサージなどの施術も行い、一人のお客様につき、カウンセリングから一連の流れを担当しています。

接客業は初めてのため、最初は言葉遣いやお客様の対応になかなか慣れることができませんでした。シャンプー1つとってみても、手の動かし方が意外と難しいです。カウンセリングの場面では、専門用語などを相手に伝わるように話さなければならないことも難しく感じますが、職場の方から学ぶ日々です。

お客様は、主に30~40代の、頭皮に関する悩みをお持ちの男性ですが、自分のアドバイスを信じて、生活習慣を変えようとしてくれるのです。お客様にとって、それはとてもエネルギーのいることですが、結果とそこへ向かう過程を見られることに、大きなやりがいを感じています。お客様のために、自分ももっと勉強しようと思うようになりました。

全てが自分にとって新しいことであり、刺激をもらっています。自分の経験を活かしつつ、新しいことにチャレンジができて、すごく充実しています。

食育サポーターとして、さらなる挑戦へ

時間にも精神的にも余裕が出来て、色々なことに挑戦してみたい気持ちになり、週休2日で家にいることがもったいないと感じるようになりました。そんな時、エスキッチンの話をふと思い出したのです。職場が副業可能であったこともあり、食育サポーターとしての活動をやってみようかと思い、5月頃、彼女にコンタクトを取り、エスキッチンを紹介してもらいました。

マネージャーの川島さんとの面談、研修を経て、6月から稼働を始めました。エスキッチンは、食育サポーターの方が活き活きと仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。

稼働のペースは、週1回、月に3~4回のペースで、無理なく活動しています。主に共働きのご家庭からのご依頼で、お子様と一緒に料理を作ったり、作り置きできる料理を提供しています。

自分が作ったものを喜んでいただけて、美味しかったという感想をメールでいただくこともあり、直接お客様の声を聞けることが嬉しいですね。自炊をしていることもあり、自分で作って食べたメニューをサービスに活かしています。

他のサポーターさんの報告を見て、小さなお子様の味覚に合う味付けを参考にしています。サポーター同士で学べるような仕組みになっているのは、とても有り難いです。

食育サポーターとして作り置きのメニューを増やすことで、サロンでのカウンセリングの際に、生活改善の観点からそのメニューを提案したり、逆にサロンで学んだことを、エスキッチンのメニューに活かすことができることは、兼業することでのやりがいですね。どちらも、人を健康にしていくという意味では目的が同じであり、活かし合えています。

まずは何でもやってみることで、得意なことを見つけたい

現在も、発毛・美顔サロンで勤務しながら、エスキッチンの食育サポーターとして活動しています。

どちらの仕事も始めたばかりなので、学ぶべきことはまだまだたくさんあります。エスキッチンでは、今はまだ、料理するのに必死で、お客様との会話が十分に出来ていないと感じているので、余裕を持って会話が出来るようになりたいです。この仕事で、お子さんと関わるようになりましたが、お子さんにももっと楽しんでもらうような関わり方ができたり、楽しんでもらえるようなメニューを作れるようにもなりたいですね。

美顔・発毛サロンでは、社長の提案通り、ゆくゆくは研究職に進んでいきたいので、技術も磨いていきたいです。社内で、AIを活用したある研究が進められているのですが、発毛のノウハウを活かすことができそうなので、その新規事業に関わっていけたら良いな、と思っています。

コミュニケーションは、どちらの仕事も求められるので、年齢層やバックグラウンドに合わせた会話ができるようになることを目標にしています。

今はまだ、得意なもの、向いているものが見えていないので、これから見つけていきたいと思っています。それを見つけるためにも、物怖じせずにまずはとりあえず何でもやってみよう!という姿勢を大切にしたいです。自分にどんな未来があるか、楽しみです。


小柳 好未 さん
20代後半 / 会社員/管理栄養士

専門学校の管理栄養科を卒業後、給食委託会社に就職。管理栄養士として急性期病院にて3年間勤務。その後、2018年4月、発毛・美顔サロンに転職し、管理栄養士の資格を活かして発毛カウンセラーとして勤務。6月より、休日を活用して、エスキッチンの食育サポーターとしても活動中。

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