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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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ありのままを受け止める。団体立ち上げや挫折を経て目指す「ほっとする場」づくり。

学生・若手のキャリア支援をメインに活動するキャリアカウンセラーの渡辺さん。やりたいことを実現させてきた渡辺さんが今作りたい「場」と、その背景について、お話を伺いました。

キャリアカウンセラーを目指すきっかけ

芸術家の親戚が多く、自由な雰囲気の家に生まれました。幼少期から、「人と同じだとつまらない、独創的なことをした方が面白い」という考えの母の影響もあり、人とちょっと違うことをするのが好きでした。

通っていた中高一貫校はとても自由な校風でした。高校1、2年時には自分の好きなテーマで卒業論文を書くんです。フィールドワークを中心に研究を進め、自分の足を使って色々な所へ取材に行く経験を通して、主体的に動くことの面白さ、やりがいを学びました。

高校3年になり「私の本当にやりたいことってなんだろう」と進路を真剣に考え始めた時、塾の小論文の先生と出会いました。先生は、いま世の中で起きている事や、今後世の中で必要とされるであろう事について、幅広い視点から世界を見せてくれました。また、先生と話すと、答えをくれるわけではないけど、自然と元気になる。「よし、頑張ろう」とモチベーションがあがる。先生のような人になりたいと憧れ、尊敬していました。

そして、先生が持っていた「キャリアカウンセラー」という資格に興味を持ち、「いつか私も必ずこの資格を取ろう」と決意し、キャリア支援について学べる大学に進学しました。

自分で立ち上げるおもしろさを知る

キャリア支援を学ぶために進学しましたが、新設されたばかりの学部で、カリキュラムもまだあまり整備されていませんでした。座学ばかりで「理論としてはわかるけど、実際どうなの?私はもっと動きたい!」と感じたんです。それで、学んだことを実践できる場を自分で作ろうと思いました。

そこで私は、高校生のキャリア支援をするサークルを立ち上げようと考えました。高校に行って大学生が自分の経験を話したり、数年後の自分自身について一緒に考えるワークをしたりする活動です。大学に入って「大学って、自分次第で何でもできる、なんて自由で面白い場なんだろう!」と思ったんです。だからこそ、自分が高校生の時に知りたかった情報を、今悩んでいる高校生に伝え、モチベーションを上げてあげたかったんです。

立ち上げる時は、不安より楽しそう、早くやりたいというワクワクする気持ちのほうが大きかったですね。

しかし実際活動をしてみると、維持していくのは大変で、組織運営には苦労しました。メンバーは色々な活動をしているので、モチベーションの差があり、どうしたら良いかメンバーと何度も何度も話し合っていく中で、それぞれの得意分野で力を発揮していけるようになりました。

この活動をきっかけに、自分で団体を立ち上げたり、自分の想いをかたちにしていくことの面白さを知りました。この頃、ノートにキャリアプランを書き、「20代で必ず独立する!」と密かな野望を記していました。漠然と自分はいつか独立して働きたいという想いがずっとありました。

いい子症候群からの脱出

大学3年の夏頃、ある就活イベントに参加しました。団体の立ち上げや起業をしている大学生が集まるイベントで、すごい人がたくさんいて圧倒されました。周りを見たら「同世代でこんなにすごい志で活動している人がたくさんいたんだ、私は井の中の蛙だったんだ…」とすっかり自信をなくしてしまいました。

この事がきっかけで、秋に体調を崩してしまい、だんだん大学に行きたくなくなり1ヶ月ほど大学を休みました。大学に行くと、友人に会って、笑顔で頑張らなくちゃいけない。いつも笑顔でいることがつらくなったんです。「私どうしちゃったんだろう」と自分でも異変に驚いたくらい、人生で一番のどん底でした。

病院に行ったところ、「自律神経失調症かもしれません。あなたは頑張りすぎです。頑張らなくて良いんですよ?」と言われて、すごくほっとしました。「そっか、私はいま調子が良くないんだ」って思えたんです。

その頃、タイミング良く教育実習の一環で1週間ほど老人ホームの介護実習がありました。初めて出会うおじいちゃん、おばあちゃんが、素の私に対して「ありがとう」「もえちゃん優しいね」と言ってくれて。ありのままの自分を受け止めてもらえたことにほっとし、「このままの私でいいんだな」と思うことができたんです。それから徐々に心身共に回復してきました。

ゼミの教授に休んでいた謝罪と経緯の報告に行った時、「今回の挫折経験は良かったね」と言われました。教授曰く、私は「いい子症候群」だったそうです。確かに私は小学生の頃から、先生や親や周りがどうしたら喜んでくれるのかを無意識に考えながら行動するところがありました。それがモチベーションにもなっていたんです。でも教授は、「そういう子って、いつも頑張りすぎちゃう傾向があって、人生のどこかで必ず一回は立ち止まってバキッと折れる経験を味わう。だから、大学時代にそれを経験できて良かったね。また一回り成長できたね」と。

就職活動では、最初は教育業界を中心に考えていましたが、「子どもに夢を与える仕事って何だろう、人にワクワクした気持ちを届けるためにはどうしたら良いんだろう」と考えた時、「それならまずは自分自身がいつもそういう気持ちでいないと」と思い至りました。いくつか内定を頂いた中で、エンタメ系の商社に就職することを決めました。

ギャップを乗り越えて、天職を見つける

最初は営業部門に配属されましたが、自分が思い描いていたものとのギャップが大きすぎてすぐに苦しくなりました。また、新しくできたばかりの部門で、残業も一番多い部署でした。仕事で毎日のように上司に怒られ、謝り続ける日々。自分が不甲斐なくて、会社のトイレでこっそり泣く事もしばしば…。それでも最低3年は続けようと思っていたので、「今は修行だと思って頑張ろう」と自分に言い聞かせていました。

1年目の終わり頃、「もっとこうしたら作業効率が上がるのでは?」と思うことを上司に提案したところ、「やってみてよ」と言われ、業務改善をしました。すると、周囲から「使いやすくなったね」「お願いして良かった」と言われるようになり、今居る場所でも、私なりにできることがあるんだと仕事の捉え方が変わり、そこから仕事を面白いと感じるようになりました。

3年目になるタイミングで希望を出し、人事部に異動しました。もともと教育に興味があり、いつかは人事の仕事がしたいと思っていました。

人事の仕事では、新卒採用や若手社員教育をメインで担当させてもらい、日々仕事がとても楽しく、やりがいを感じていました。上司にも恵まれ、採用設計や選考方法など新たな試みをさせていただいたり、新人研修では日々の新人の成長に感動して嬉しくて泣いたり、自分のふがいなさを感じて一人悔しくて泣いたり。

自分が採用や教育に携わった新入社員がとにかく愛おしくて、勝手に彼らの母親になったかのような気持ちで(笑)、入社後もずっと彼らを見守っていました。彼らが社内でイキイキと働いている様子を見たり、現場の社員から活躍している話を聞いたりすることが何よりも嬉しく、幸せな瞬間でした。

若者のキャリア支援をするためにフリーランスへ

27歳の夏、人生の転機となる出会いがありました。大学時代の先輩に誘われて、食事会に参加した際、当時はフリーランスだったエスキャリア代表の土屋に出会ったのです。

その頃、キャリアカウンセラーの資格取得をきっかけに転職を考え始めていました。採用と教育の仕事に関わる中で、若者の主体性や自己肯定感の低さに課題感を感じていたんです。社会人になる前の学生時代にアプローチできる事があるのではないか、もっと会社の枠から外れた幅広い選択肢の中で若者の主体的なキャリア支援をしていきたい、という想いがありました。

食事会の帰りに土屋にその想いを話すと、「それなら一緒にやらない?」と言われました。土屋を見て、フリーランスで働くのは面白そうだなと興味はあったのですが、イメージがわかず収入面などの不安もあり1年ほど悩みました。

28歳の1月、土屋がフリーランスとして働く女性を集めてくれたんです。そこでも背中を押してもらいました。不安よりも面白そう、挑戦してみたいという気持ちのほうが強くなって。いきいきしている人ばかりで、私もこんな素敵な人になりたいなと思いました。

夫も私の挑戦を応援してくれたので、踏み切れました。前職も大好きな会社で、「こんな素敵な会社を辞めたら、いつか後悔するかもしれない」と不安な気持ちもありましたが、今ここで挑戦しない方がもっともっと後悔するだろうと思いました。自分で決断したのだからこそ、自分で選んだ道を正解にしていくしかない。後悔だけは絶対にしない人生にしようと決意しました。

4月に独立し、最初はとにかく、できることがあれば何でもしました。留学生の就職支援をしている会社の日本支社の立ち上げや、転職支援、模擬面接、採用代行など、いろいろしましたね。自分に何ができるか分からないからこそ、お仕事の声をかけていただいたら、若者支援の仕事でなくても何でも挑戦していました。フリーランスとして何の実績もない私に仕事を任せていただけることがただただありがたかったです。

仕事でも地域でも、ほっとする場をつくりたい

フリーランスになって3年目。現在は、大学のキャリアカウンセラー、専門学校の授業講師、セミナーや研修講師などを中心にお仕事をしています。

ありがたいことに、思っていたより早いタイミングで、独立当初目標として思い描いていたお仕事を任せていただけています。私は目標に向けて突き進んでいくタイプなので、だからこそ今後については悩むこともあります。

実は去年、目標を見失って焦っていました。フリーランスで働く素晴らしい方々を見て、理想像と現状の自分のギャップを感じ、「もっと早く成長しなければ!実績を残さなくちゃ!」と焦っていて、常に息苦しい気持ちでした。自分に足りないものばかりに注目してしまい、いま目の前にあるものや、自分のちょっとした成長に気づけなくなっていたんです。

そんな時、自分らしい私に戻してくれたのは、エスキャリアメンバーや家族との対話でした。私の周りには、ありのままの私を受け止め、私を信じて応援し見守ってくれる人がいました。その人たちとの対話を通して、自分に無いものばかりに目を向けるのではなく、今あるものに目を向け、そこでできることを少しずつ頑張ろうと思えるようになったんです。肩の力が抜けたような感覚でした。ありのままの自分を受け止めることの大切さに気付くと同時に、私も誰かにとってそんな存在になりたいという想いがより強くなりました。

今は地域に根ざした場づくりにもすごく興味があります。いつかは、世代間交流ができる場をつくりたいですね。誰もが来るとほっとする場所、ぽかぽかしてのんびりできる縁側のような場所が理想です。

大学を卒業する時、サークルのメンバーが「あの場を作ってくれたから自分の居場所が見つかった」とか「気持ちの良い仲間、気持ちの良い場だった」とか言われたのがすごく嬉しかったんですよね。自分にとってもサークルはそんな場でした。人と繋がったり、緊張がゆるんだり、やわらかい気持ちや笑顔になれる、そういう場をつくりたいし、誰かにとってのそういう存在になることが、今の私の目標です。


渡辺 萌絵 さん
30代前半 / キャリアカウンセラー

大学卒業後、事業会社にて営業部門を経た後、人事部門へ異動し新卒採用や若年層教育研修を行う。企業内人事の経験から、より多くの若者の主体的なキャリア形成のサポートを行っていきたいという想いのもと独立。現在は企業での採用支援業務や、キャリアカウンセラー・講師として大学生や専門学校生に対しての就職支援、カウンセリング等を行っている。

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