転職を何度か経験された方は、いろいろな失敗談・成功談をもとに、新しい会社に入るときの「心構え」は十分持ってらっしゃるのではないかと思います。ですが、例えば、新卒で10年以上、ずっと1社のみで働いてきた方が、初めて転職をするとなると、その方にとっては想像していないようなことも起こり得るもので、最初の半年くらいは、戸惑いがたくさんあるものです。
今回は、実際に転職をされた方のお話を元に、ご転職が初めての方に向けての「転職先での心構え」をまとめてみました。
新しい会社=新しい自分で、謙虚に臨む
◎「前の会社では・・・」を口癖にしない:
会社が違えば、仕事のやり方が異なることがあります。最初から、今までやってきた仕事のやり方と違うからといって、頭から否定する、自分の考えを譲らない、などは避けたいものです。何か自分には把握していない理由があって、そのやり方で仕事をしているのかもしれません。自分のやり方がすべてではないことを、ここで学びましょう。これが自分の成長にもつながる、転職の醍醐味です。
まずは、その企業でのやり方でやってみて、それよりももっと良い結果が出るやり方があれば、積極的に同僚や上司に提案してみましょう。新しいやり方を実践させてもらい、結果が出ることを証明できれば、周囲からの信頼を得ることができ、会社全体にも貢献できるのではないでしょうか。
前職で、どんなに素晴らしい実績を残してこられた方であっても、転職は、新しい自分の第一歩でもあります。今までのやり方や慣例にとらわれない真っさらな状態で、謙虚に仕事に取り組みたいものです。「前の会社では・・・」を言い訳として、口癖にしないようにしたいですね。
◎上司と仕事の「目的・目標・行動計画」を明確にする:
例えば、大企業からベンチャーへの転職などの場合、社長や上司、同僚みなさんが忙しく、一から指導していただいたり、細かい指示をいただけない場合もあります。「新しく入って来た人間には、だれか教えてくれるよね?」という、ありがちな考えが通用せず、「あれ?」と思うこともあるものです。
このままじっと待っていては、きっと誰も何もしてくれずに月日が経ってしまい「自分って、何も役に立ってないような気がする」「本当にこんな感じの仕事のやり方で大丈夫なのか・・」「仕事がない」という状況に悩むことにもなりかねません。
そんな場合は、環境のせいにはせず、まず自分から積極的に行動することが大切です。忙しそうにしている上司でも、まずは時間を取ってもらい、話し合いをすることをおすすめします。きっと喜んで時間は取ってくれるはずです。少なくとも、「何を目標に、いつまでに行うか」をきちんと話してから仕事に取り組むことは、納得感を持って仕事に取り組むことができるので、精神衛生的にも非常に大切です。
自分が選んだ企業です。どんな思いで入社を決意したか思いだしてみてください。その実現のために、自ら考え行動し、社長や上司にアドバイスを仰ぐ。意外と単純なことですね。
◎人間関係のみにとらわれず、「仕事」で成果を出すことに注力してみる:
転職した先で、今まで関わったことのないようなタイプの方と一緒に仕事をすることもあるかもしれません。皆ととうまくやっていきたいという気持ちを持つのも良いことですが、その人間関係ばかりが気になり、仕事に集中できないということがないように気をつけましょう。
コミュニケーションがうまくいかないことや、そりの合わない方もおられるかもしれませんが、何とか自ら率先して工夫をしてみましょう。そして、それ以上に、仕事において結果を出すこと、そこに注力していきましょう。周りの方の為だけに転職したのではなく、自分の為、そしてその会社に貢献したいと思って転職してきたのですから、それを忘れないようにしたいものです。
まずは仕事で成果を出すことが、周囲の信頼を得ることにもなり、働きやすい環境を作る近道でもあります。
『謙虚』かつ『積極性』をもって、転職した目的を忘れずに
いかがでしたでしょうか。心構えは、他にもたくさんありますが、おおよそ、「謙虚さ」と「積極性」を両方もって新しい会社での勤務に臨むことは大事な部分だと思います。他にも、「あいさつが誰にでも気持ちよくできているか」「マナーはどうか」など、基本的なところも無意識のうちに見られているものです。
新しい会社に転職してから、慣れるまで半年くらいはかかるかもしれませんが、転職を決めたその時の想い、目的や目標を忘れずに、そしてその実現に向けて、焦らずに、邁進できると良いですね。