あなたの“家族を想う気持ち”こそが、保活では大切です!
産休・育休中の多くの女性が悩まれている「保活」。
エスキャリアの有料キャリア相談サービス「マイ・カウンセラー」でも、保活の相談が増えてきています。
出産後も働きたい女性にとって、保育園探しは重要です。しかし、「待機児童が多くて希望の園に入れるか不安」「役所へ行ったり保育園へ行ったり、やることが多すぎる」など、ネガティヴな感情が芽生えるのも事実。
待機児童の多い地域で保活経験のある筆者も、保活の大変さは身にしみて感じています。続けるうちに「とにかく入れさえすれば良い」と思いそうにもなります。
今回のコラムでは、そんな「大変な保活」から少し視点を変えて、「育休明けも安心できる保活」を紹介します。見学のポイントなどの保活のハウツーを知るだけでなく、「なぜ保活をするのか」を整理し、行動に移していただけたら嬉しいです。
大事なお子さんが、最長6年間お世話になる保育園。お子さんのため、自分のため、家族のために、妥協せず後悔のない保活をしましょう!
Step1:【保育園探しは自分探し】あなたが大事にしたいものは?
あなたは、なぜ保活をするのでしょうか?
「出産後も今までのキャリアを手放したくないから」「子育てしながらも社会と繋がっていたいから」など、様々な答えが出てくるかと思います。一人ひとり保活をする理由が違うため、保育園に求めるものも違ってきます。
そのため、まずはあなたの「大事にしたいもの」を整理しましょう。
■【保活】自分を知るワーク の仕方
・どんな保育園生活を送ってもらいたいか(Forお子さん)
・どんな女性でありたいか-母として、妻として、社会人として-(For自分)
・どんな家族を築きたいか(For家族)
を書き出し、【保活で譲れないこと!大事にしたいこと!】を顕在化させます。
*データは本コラム下部からダウンロードできます
保活を行っていると、条件が合う・合わないだけで保育園を選びがちになります。しかしこちらのワークを行うと、そもそもその条件は本当に必要なのか、より重視したいポイントは何か、お子さんはどんな保育園だと安心して成長できそうか、が浮き彫りになります。
このように【保活で譲れないこと!大事にしたいこと!】が明確になると、保育園の見学時は何をポイントに見たら良いか、役所でどんな情報を得たら良いか、も見えてきます。
ぜひ、パートナーにも同じワークを行ってもらいましょう。保育園の見学は平日の昼間が多いため、どうしても産休・育休中の女性がメインで動くことが多いですが、ワークを通して「保活は夫婦で行っている」と思えるだけでも、保活の大変さは軽減できるはずです。夫婦で将来の家族像を話せるきっかけにもなります。
お子さんが一日の大半を過ごすことになる保育園。時間がかかってでも、「大事にしたいこと」は夫婦でしっかり話し合っておきたいですね。
Step2:【正確で最新の情報収集を】役所やママ友から“生きた”情報を集めよう
何を大事にしたいかが明確になったら、次は情報収集です。
ネット検索も一つの手ですが、情報が古く正確ではない場合も多いので、まずは役所へ行き、保育園に関する様々な情報を教えてもらいましょう。
あなたが知りたい情報の他にも、申し込みのスケジュール(4月入園希望の場合、多くの自治体が前年度の11〜12月に申し込みを受け付けることが多い)、選考基準となる「基本指数」の認定方法、前年度の状況(認可保育園ごとの年齢別利用希望者人数など)を聞いておくと良いでしょう。
熱心に話を聞いていたら職員さんに顔を覚えられ、次に役所へ足を運んだとき最新情報をすぐに教えてもらえた、などの声もあります。
産前産後の役所通いは大変ですが、保育園の申し込みについて最新で正確な情報が揃っているのは役所です。授乳室が広かったり、おむつ交換台が何台もあったり、周りの方が優しく声をかけてくれたり、嬉しい発見もあるものです。ご自身とお子さんの体調の良い時に、ぜひ役所で情報収集を行ってみてください。
また、様々な保育園情報を共有できる「保活仲間」を作るのもお勧めします。指数をアップさせる方法や保育園の口コミなど、役所の職員さんが答えにくい部分を知れるのは、保活仲間の良さです。
児童館、保健センター、公園、小児科などに、保活で悩んでいるママや、保活経験者の先輩ママはいるはずです。はじめは緊張してしまうかもしれませんが、同じ悩みを抱える仲間。お互いに保活の情報共有をしながら、子育ての悩みも話せるようなママ友に出会えるといいですね。
Step3:【保育園見学のポイント】情報を整理しつつ、直感も大切に!
情報収集のあとは、保育園見学です。Step1で明確になった大事にしたいことを軸に「見学したいな」と思う保育園を選び、見学の予約をします(見学をしないとわからない部分も多いので、通える範囲か、外から見た雰囲気は良いか、などで選ぶことになるかと思います)。
見学する際のポイントは、前述している通り一人ひとり違いますが、基本的な部分は見ておくと良いでしょう。参考までに、見学のポイントをまとめました。
見学のときに感じた「直感」も大切です。なんとなく雰囲気が暗い、子どもたちの笑顔が少ない、先生方の挨拶がない、など何かしら感じたことを残しておくのも良いでしょう。
見学後はこちらのシートをまとめることで、情報の整理ができますし、パートナーへの共有・相談もできます。ちょうど10月は運動会のある保育園も多いので、見学可能であれば、運動会の様子を見てみるのもいいですね。
大事にしたいことを軸に、どの保育園を希望するのか夫婦でじっくり検討してください。
希望の保育園が決まったら、認可保育所の場合、申し込みの期日までに役所へ必要書類を提出して結果を待ちます(並行して、認証保育所や認可外保育施設などの情報収集や見学をしておくと安心です)。
家族ごとに異なる保活ストーリー。家族のために、今できることをしよう!
保活の難しさは、希望する保育園に必ずしも入園できる保証がないところです。体力と時間を使ったのに、結果が報われないのは辛いですよね。
しかし、Step1のワークを行うことで「あなたの家族を想う気持ち」が明確になり、パートナーと話し合う時間が作れたとしたら、保活は無駄ではなく、貴重な経験になるはずです。
一つの事例として、筆者の保活経験をお伝えします。
現在フリーランスで仕事をしているため、役所で「指数が厳しい」と言われました。この一言をきっかけに認可保育所は諦め、認証保育所のみ探しました。探してみると園ごとに特色があり、規模の小さい認証保育所だからこその良さも知ることができました。
初めての集団生活。息子の成長を一緒に喜んでくれて、子育てのパートナーになってくれる園が絶対条件でした。このこだわりは譲らず見学を続け、最終的には複数の園から入園許可をいただきました。その中で息子と私が一緒に通うイメージが湧き、「大事にしたいこと」が一番叶えられると感じた園にお願いすることにしました。結果、息子は毎日楽しい保育園生活を送っています(よかった…!)。
今通っている認証保育所は2歳児までなので、もうすぐ3歳になる息子は来春には転園です。そのため、再び保活中です。ただ、認証保育所に通園していた実績の加点がつきますし、幼稚園という選択肢も増えました。
0歳・1歳のときと保活の状況は変わっています。息子にとって転園はストレスなので気持ちのケアはしっかり行いますが、このタイミングでの転園はメリットもあると考えています。
それは、息子の成長と共に「大事にしたいこと」も少しずつ変化しているからです。「やんちゃな男の子だから園庭は絶対ほしい」「一人っ子なので異年齢保育のある園がいい」「成長がゆっくりだから個性を伸ばしてくれる園がいい」など、今の息子を見てあれこれ悩めるのは、とても幸せなことです。
それと同時に、私自身「どう働くのか」を考えるようになりました。これも「今の自分にとって何が大事なのか」を自問自答した結果です。
息子にとって、家族にとって、私にとって、どの選択が良かったのかはわかりません。しかし、「今の保育園にお願いできて良かった」と心から思えるのは、妥協せずに保活ができたからだと思っています。
これから保活をスタートされる方へ
「希望する保育園に入園できなかった」など、思い描く結果を得られない場合もあります。
どうしても認可保育所に入園できず認証保育所に足繁く通われて入園許可をいただいたママ、保育園が決まらず実家のご両親にお子さんを見てもらっているママ、数ヶ月間保育ママにお願いしながら役所通いも続け最新の空き状況を確認して保育園に途中入園できたママ、保育園が決まらず泣く泣く退職して在宅の仕事を始めたところやりがいを見出して頑張っているママなど、悩み、葛藤し、決断したママたちがたくさんいます。
家族の分だけ、保活は異なります。正解はありません。
もし保活で心が折れそうなときや気持ちを整理させたいときは、「マイ・カウンセラー」にご相談くださいね。働くママの気持ちがわかる、女性キャリアカウンセラーが多数おります。
大切な我が子が長時間過ごすことになる保育園。夫婦で満足のいく保活をして欲しいと願っています。
子どもの将来であれこれ悩むのも、幸せな時間ですよね。子育ても家事も仕事も頑張ろうとするあなたなら、前向きに保活ができると思います。一緒に頑張りましょうね。
■女性向けキャリア相談サービス「マイ・カウンセラー」
■関連コラム:「「保活」の一つに「キャリアカウンセリング」を」
■参考資料(ファイル名をクリックするとダウンロードが始まります)
・【保活】自分を知るワーク(PDF)
・保育園見学スケジュール一覧(PDF)
・保育園見学のポイント一覧/認可保育所(PDF)・認証保育所/認可外保育施設(PDF)