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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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家庭に重きを置いて、バランスをとれる仕事を。自由で責任あるフリーランスの働き方。

フリーランスで、キャリアコンサルタントをしている小川さん(仮名)。バリバリ働いていた会社を退職した小川さんが、家庭を大事にするために辿り着いた働き方とは?お話を伺いました。

留学を経て意思表示できるように

東北地方で生まれました。父は自営業、母は父の仕事を手伝いながら専業主婦をしていたので、仕事と生活が常に一緒にある環境で育ちました。教育熱心な両親で、躾が厳しく、幼い頃から「良い子でいなきゃ」という意識が強い子どもでした。

小学生の頃は、ピアノと水泳を習っていた他、本が好きで、暇さえあれば本を読んでいました。先生から勧められ、学級委員もしていましたね。

高学年の頃、女子の間でいじめがありました。他の子がいじめられるのを見るのも、自分にまわってくるのも嫌でしたね。それから人の心の動きに敏感になりました。

中学ではソフトテニス部に入りましたが、もともとすごく好きになれるものがなく、周りの人が羨ましかったですね。でも、通っていた塾の先生の息子さんからカナダ留学の話を聞いた時、「高校1年生になったら留学しよう!」と初めて自分の意思で決めました。英語は好きだったし、身近に感じたんです。それからは留学の試験を受けるなど、頑張りました。

地元の高校に進学しましたが、高校1年の夏から1年間、アメリカの公立高校に留学しました。3~4ヶ月は他の日本人と一緒に大学の寮に入り、語学学校に通いました。その後、散り散りになって、ホームステイを始めました。周りは優しかったですが、ホームシックもあって大変でした。

留学では世界が広がりましたね。今まで良い子でいようとしてきましたが、主張しないと誰もわかってくれないと感じたんです。それから意思表示ができるようになりました。

帰国後、進路を考え始めました。臨床心理士に興味があって、最初は心理学部に行こうと思いました。でも、いくつか受けましたが受かりませんでした。強みは英語だし、本を読むのが好きだから、と英文学科も受けており、結果的に私立大学の英文学科に進学しました。

大学は楽しかったです。テニスサークルに入って毎日テニスをしながら、家庭教師でお金を稼ぎ、2~3ヶ月の旅行に行く、いわゆる普通の大学生活でしたね。

特におもしろかったのはゼミです。演劇を通して、性差や時代による差別など、ジェンダーを学ぶゼミでした。心理学もそうですが、問題があることに対してのサポートがしたかったんですね。

人生の岐路に寄り添える仕事へ

大学3年生の夏、就職活動を始めました。商社、銀行の事務、メーカーなどいろいろ受けましたが、面接の端々で男女差を感じることがあり、女性も男性と同じように働ける仕事が良いなと感じるようになりました。また、エンドユーザーに届くまでの距離が近い仕事が良いと思いました。

たくさん受ける中で興味を持ったのが人材紹介会社でした。ベンチャー企業で、尖った人が多く、仕事に真剣に取り組んでいきいきと働く姿を見たんです。人の気持ちに興味があり、人とじっくり話すのが好きで、人の岐路に寄り添える仕事が良いなという想いが漠然とあったので、その人材紹介会社への入社を決めました。

希望通り、ITの人材紹介の部署に配属され、キャリアアドバイザーとして働き始めました。最初は先輩がついて細かく教えてくれました。よく怒られて毎日のように泣いていましたね。辞めたくなって先輩に相談しても、飲みに行ってうやむやになっていました(笑)。でも耐えられないほど辞めたかったわけではないんですよね。メンバーの仲が良く、大学のサークルのように一丸になって頑張るのはおもしろかったですね。

半年経たないうちに独り立ちをし、毎日朝から終電まで働くようになりました。体はしんどかったですね。頭痛薬が手放せませんでした。もともと達成意欲が強くて、強制されていなくてもつい頑張ってしまうんですよね。でも体が強いから、倒れるほどではないし、きつい時は周りに頼ることもできました。ここでみっちり働いたことで、仕事の土台ができたと思います。

結果を出していたら自由にさせてくれる会社で、4年目に「辞めて旅行に行こうかな」と言ったら、「良いよ」と言われて3ヶ月ほど休職させてもらって旅行に行ったこともありました。柔軟で良い会社でした。

独身だったのでバリバリ働くことができましたが、5年目に結婚することになりました。同時期に異動の話をいただき、人材紹介の事業企画に異動しました。でも結局、1年経たずに、生活とのバランスが上手くとれなくなり、辞めることになりました。

家庭に重きを置いて、フリーランスとして働く

転職活動をして、大手企業の人事、海外向けの人材紹介、ヘッドハンティングの会社から内定を頂きましたが、あまり自分自身のキャリアを真剣に考えておらず、どうにかなると楽観的だったので、結局全部蹴ってしまいました。当時は不安もなかったですね。

専業主婦をしながら、前職から忙しい時期だけ頼まれて、業務委託で研修やキャリアコンサルティングなどの仕事を始めました。そのうち、前職時代の繋がりで、他の会社でもキャリアコンサルティングや学生の就職支援をするようになりました。

もともとフリーランスになりたかったわけではないんです。ただ、母が専業主婦をしながら父の手伝いをするのを見てきたので、私も家庭に重きを置いて、それとバランスをとれる量の仕事をしようという気持ちがベースにあったんですよね。

業務委託は決めた時間帯で契約でき、オフィスに行く日も決められるのでバランスをとりやすいです。ただ、所属せずいろんな会社で仕事をするため、この会社を良くしていこうという気持ちはなくなり、おもしろみも感じにくくなりましたね。

結婚後2年ほどで第1子を出産しました。幼稚園に入るまでの3年間は働かず、子どもが小さいうちは一緒にいたいという気持ちが強かったので、そこに不安もありませんでした。その後はまた業務委託で働きました。

自由度が高く、責任もある働き方を

第1子が生まれて4年後、第2子を出産しました。生まれてすぐに、夫から海外赴任の話を聞きました。聞いた瞬間「うわー」と思いました。もともと夫が行きたいのはわかっていましたが、言われたのが出産直後のタイミングだったので、最初は戸惑いましたね。

でも、家族がばらばらに住まないほうが良いと思っていましたし、上の子もパパっ子なので、夫だけが行くという選択はありませんでした。

第2子が生まれて3ヶ月ほど経った春、夫の海外赴任に帯同し、海外に引っ越しました。子どもの首もすわらないうちに、家を探したり学校を探したりしました。でも、留学やバックパッカーの経験があるし、夫もサポートしてくれるので、環境の変化には大変さを感じませんでしたね。

海外生活は楽しかったです。ビザの都合で働けないですが、お母さんコミュニティで頼まれて、英語を教えていました。3年半で、夫の任期が終わり、帰国しました。子どもも慣れていて、お友達もできていたので、「今?」と驚きはしたものの、いつかは帰るものと思っていました。

帰国後は、学校を探したり、家財道具の準備をしたり、新生活の準備に時間がかかりました。やっと落ち着いてきた半年後、仕事をどうしようか、考え始めました。

友人経由で、小さい人材紹介会社の人と会いました。「一緒に働きませんか?」という話になっていましたが、オフィスに来てほしい、在宅で働くなら毎朝と夕方に報告をしてほしい、と言われて、違和感がありました。私はもっと自由度が高く、責任もある働き方がしたかったんです。

その後、キャリアコンサルタント、フリーランスというキーワードでWEB検索をして、エスキャリアを知りました。面談をした時、アットホームさに驚きました。そして話を聞いて、自由度が高く、責任もある働き方ができると思いました。知らない人に仕事を任せる時って、不安だから管理したくなりますよね。だからこそ、エスキャリアには信頼を感じられて、良いなと思いました。社員かフリーランスかどちらが良いかを聞かれて、フリーランスとして関わり始めました。

家庭を一番大切に。いつかは志を持てる活動も。

現在は、フリーランスで、キャリアコンサルティングや企業の採用支援をしています。エスキャリア以外では、親族が社会保険労務士のため、助成金を活用した企業のキャリアコンサルティングのお手伝いもしています。

今は、転職希望の方が悩んでいることを解決できる転職先を見つけるなど、着実にサポートできる人を増やしていきたいですね。また、エスキャリアが信頼してくれているのを感じるので、お客様をサポートすることでその信頼に応えたいと思っています。

助成金を活用したキャリアコンサルティングで、転職をしたいわけでも悩みがあるわけでもない人と面談をして、「転職ありきでないキャリア相談」の価値を感じています。今後は、エスキャリアの「マイ・カウンセラー」のようなキャリアカウンセリングもしてみたいですね。

仕事をするうえでは、仕事量が多くなりすぎないように気をつけています。フリーランスは仕事をいくらでもできますし、自分は頑張りすぎてしまうところがあるんですよね。働き方はフリーランスに向いていますが、性格としては向いていないんです。オン・オフの切替は課題ですね。

仕事の内容は選んでいません。絶対にこれをやりたい、というのがないんです。それが悩みでもあります。志が薄い分、達成欲が強く、それで動いているんですよね。でも、何のために働くのか、志を持てる仕事のほうが良いんだろうなと思っています。人材支援の仕事は、得意で結果が出せること、強みが発揮できることです。働き方のバランスもとりやすいし、おもしろみも感じます。でももしかすると、これがライフワークではないかもしれません。

なので、人材支援の仕事もおもしろいですが、全く違う使命のある社会活動もしてみたいですね。例えば、動物が好きで、生体が売られているのが嫌なので、ペットショップ販売をなくす活動とか、あるいは子どものサポートとか。今すぐというわけではないですが、今の働き方を変えずにできることがあれば、やってみたいと考えています。

でも、まずは自分の子どもを大切に育てたいですね。子どもを産むたびに、自分自身の「良い子でいなきゃ」という気持ちを捨ててこられているんです。親への愛はそのままに、自分の人生を大切にできるようになりました。今は、家庭を一番に大切にしたいと思っています。


小川 麻沙子(仮名) さん
30代後半 / キャリアコンサルタント

新卒で大手人材紹介会社に入社。キャリアコンサルタントとして年間約300名の転職希望者と面談。併せて事業企画業務、新卒中途入社者の採用面接・教育担当業務にも従事。フリーランスになってからは引き続きキャリアコンサルタント業務、学生の就職活動サポート業務、企業サイドの採用業務に従事。相談者のお気持ちに寄り添った支援を得意としている。

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