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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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人々が健康で生き生きと暮らせるように、「食」のサポートをし続けたい。

小さな頃から食べることが大好きだったという加野さん。体調不良になってしまった経験から、食に関する様々な資格を取得され、料理家として活躍される加野さんが叶えたい想いとは。お話を伺いました。

食べること、作ることが大好き

神奈川県で生まれました。絵を描いたり、工作したりして遊ぶのが好きで、幼児向けの工作番組を観てよく真似していましたね。母の勧めで、4歳からエレクトーンを始めました。

幼稚園から地元の小学校に進学。小学校では頼まれて学級委員をすることが何度かありました。目立つのは苦手でしたが、役割は全うする責任感がありましたね。

小学生になってからは、お菓子作りもよくしていました。食べることも大好きだったので、大好きな「モノづくり」ができて、おいしいものを食べれるなんて、最高だな!と思い、どんどん熱中していきました。

中学校に進学後は、エレクトーンを続けていたことで、合唱大会での伴奏を依頼されることがよくありました。ピアノとエレクトーンは違うので、苦労しましたが、練習すればするだけ成果となるので、練習に没頭しました。クラスメイトの歌声と自分のピアノの伴奏がハーモニーを奏でられるのがとても心地よかったですね。

私立の女子高へ進学し学生生活はとても楽しく個を尊重してくれる自由な校風でした。オシャレをしたり、友人と遊んだりすることがとても楽しかったです。

成績上位だった中学生時代とは違い、周りには優秀な子が多く、井の中の蛙だったことを痛感し、学業も頑張りました。学校のテストは記述式が多かったため、自然と書くことが好きになり、マスコミ関係の仕事に興が湧き始めました。

お菓子づくりは変わらず好きでお友達に手作りクッキーなどをよく渡していました。また、先生が「コーヒーはダイエット効果がある」と教えてくれたことをきっかけに、コーヒーをよく飲むようになり、コーヒーが大好きになりました。

体に入るものは、体に直結していることを実感

大学は、マスコミ関係への就職を意識し、かつ自宅から通学しやすいキャンパスにある文学部に進学しました。大学では勉強はほどほどに、飲食店でのアルバイトに励みました。ファミレス、ピザ屋、居酒屋、パン屋のほかにもアルバイトも掛け持ちでしていましたが、食べることが好きだったので、飲食店でのアルバイトばかりしていました。

将来は文章で何かを伝えたいと思い、マスコミ関係の就職を検討していました。OB訪問をしたり、説明会に参加したりしましたが、マスコミの仕事の大変さを知り、ひるんでしまいました。結局マスコミは一社も受けませんでした。

就職氷河期だったので、小さな頃から興味のあった「食」に関することのできる食品メーカーを中心に金融関係など、手広く就職活動をしていました。なかなか内定が出ず苦戦しましたが、ご縁をいただき、大手コーヒー会社から内定をいただくことができました。コーヒーが大好きだったので、とても嬉しかったですね。

入社後は、百貨店でコーヒー豆の販売を行いました。資格の勉強もしなければならず、忙しい日々でした。産地や豆の種類が多様にあり、また味も違うので覚えるのは楽しく興味深かったですが、あまりにもコーヒーを飲みすぎたため、胃を壊すことが増えてきてしまいました。自分の体に入るものはすべて自分の身体に直結しているんだということを感じ、コーヒーだけでなく、料理にも目を向けるようになりました。

入社して2年目の時、交際していた彼の転勤を機に結婚。偶然にも、転勤先に本社があったので、働き続けることもでき、とても迷いました。しかし、新天地で何か違うことがしてみたいという気持ちもあり、退職することを決めました。

育児をきっかけに、より食の大切さに気づく

結婚を機に、日々の食事作りをするようになり、改めて料理が好きになりました。転勤先で料理教室の求人を見つけて、応募、採用していただきました。料理教室では講師業と営業活動をしていました。料理を教えることは楽しかったのですが、妊娠が判明し退職を決めました。

長女を出産後は育児に忙しくしながらも、転勤族の友人にも恵まれ、楽しく過ごしていましたね。お料理上手な人ばかりで、みんなでよく持ち寄りパーティーをしていました。

子どもが生まれ、大人だけの生活スタイルが一変。簡単に済ませていたご飯も、離乳食から幼児食、何よりも子どもの成長のために栄養バランスを考えるようになり、「食」への興味が一段と深まりました。

転勤して7年目に第二子を妊娠。妊娠中に、妊娠糖尿病になってしまったんです。食事のたびにインスリン注射や血糖値の測定をしなければならず、想像以上の食事制限もありました。食べることが大好きだったので、とても苦痛でしたね。ますます健康的に生きるためには、食はとても重要という思いが強くなりました。

様々な資格を取得、料理家としてのキャリアをスタート

無事、第二子となる長男を出産。しばらくは育児に忙しい日々を過ごしました。長男が2歳のときに再び東京に転勤が決まりました。長男が幼稚園に入園し自分の時間ができたため、興味のあった野菜ソムリエの資格を取得しました。野菜ソムリエの勉強から栄養学に行き着き、野菜で薬膳を取り入れていけないかと考え、国際薬膳資格も取得。食育にも興味が湧き、食育の資格も取得しました。

野菜ソムリエの資格を取得する過程で、料理家、生産者、流通に関わる方など野菜という切り口で活躍するソムリエ仲間と出会いました。様々な人に出会い、私も資格を生かした仕事をしたいと思うようになりました。何を考えていても食に直結してしまうくらい大好きなことを極めたいと思ったんです。ソムリエ仲間の紹介で、食に関する様々な活動を行う会社と業務委託契約を結び、食に関するWEBの記事執筆をさせていただけることになりました。

長男の幼稚園が食育に力を入れている園だったので、食育インストラクターの資格を生かすことができると思い、食育係のリーダーになりました。子どもと一緒に味噌作りをしたり、給食に慣れるための栄養バランスを考えた食事を作ったり、食を通じて園の活動に携わりました。今後仕事をしていく上でも食育に力を入れていきたい、子どもと関わる機会が今後も増えることも考え、保育士の資格を取得しました。

食や料理を極めていくうちにプロの作る料理と家庭料理は何が違うんだろう?と知りたくなり、さらに自分の調理技術を高めたい、と思ったんです。夫や両親に家事や育児を協力してもらい、夜間の専門学校に入学、調理師の資格も取得しました。忙しい日々でしたが、好きなことを学べることが、とても楽しかったですね。

さらに、記事を提供していた会社のつながりで知り合った方からエスキッチンの食育サポーターに誘っていただきました。食育に興味があり、今までの経験を活かすことができたらと、食育サポーターとしても活動させていただくことになりました。

子どもが通っていた体操教室の代表と知り合うきっかけができ、体操教室とコラボレーションして「子供の生きる力を身につける」をテーマに子ども向けの料理教室も始めました。

食を通して、子どもに生きる力を身につけさせてたい

現在も、フリーランスの料理家として食に関する記事を執筆することの他、エスキッチンでの出張料理、一般の方向けのレシピ作成、野菜ソムリエとしての講師業、子供向けのお料理教室などを行っています。

さらに、最新の料理や技術を吸収したく、フレンチ店のキッチンスタッフとして勤務し、忙しい日々を送っています。好きなことを仕事にしているので、充実していますね。

プライベートと仕事の境界線がつきにくい仕事でもあるので、この日は完全OFFにすると決めない限りは、ひたすら料理をつくったり、記事を書いたりしていることが多いです。

今後はもっと自分の料理の幅を広げたいですね。日本人の体にはやはり和食が一番合うだ思うので、和のテイストとフレンチ、薬膳を混ぜ合わせて何かできないかなと色々模索中です。人々が健康で生きられ、かつ美味しい料理を追求したいですね。

食育にも引き続き力を入れていきたいです。食べることは生きることに直結していると思うので、自分で食事を作れることはとても切なことだと思うんです。勉強が忙しくなる前の、幼少期だからこそできることだとも思います。たくさんの子どもに、生きる基礎として、食事作りを通して旬の食材や食べることの楽しみを知ってほしいですね。


加野 有美 さん
30代後半 / 料理家

大学卒業後、大手珈琲会社に勤務。コーヒーマイスターとして珈琲豆の知識を生かし接客・販売、カフェ業務にも携わる。その後、お料理教室の講師として働き、パンの師範資格も取得。自身が、妊娠糖尿病やアレルギーを発症したことをきっかけに、野菜ソムリエや薬膳の資格も取得。食育を通した活動として子どものための「子どもキッチン」を主宰。また、野菜に関するWEB記事の執筆や、レシピ制作など料理家としても活動している。

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