母の故郷である熊本県で生まれ、福岡県で育ちました。人見知りでおとなしく、お家の中で妹と一緒にお人形遊びや読書をするのが好きでした。
両親の希望で、伯母の母校である小中高一貫校を受験するため、年長から入塾しました。「受験する学校の図書館は大きいから、たくさん本が読めるよ」と母から教えてもらい、それを励みに勉強をがんばりましたが、志望していた小学校には合格できませんでした。子どもながらにショックでしたね。
公立の小学校に進学しましたが、塾の先生から「もう1度受験してみる?」と誘いを受け、転入試験に挑戦。無事合格することができ、2年生で転校しました。合格は嬉しかったものの、新しい学校への不安もありましたね。
今までの環境から一転、転校先には優秀な子が多く、周りについていくのに必死でした。人見知りが影響して友人もなかなかできず、図書館で一人読書に没頭していきました。読書に集中しすぎて、クラスメイトから話しかけられたことに気づかなくて。それを「無視した」と勘違いされたことがきっかけで、クラスメイトから無視されるようになったんです。
体育の授業や合宿などのグループ活動の時は仲間外れにされることもあり、とても悲しかったですね。でも、自分は何も悪いことをしていないのに、なぜいじめられるのかと理不尽さも感じていました。いじめに屈したくなくて「自分ひとりでできることはなんでもやる」という独立心が芽生え、自分の意思を貫く強さも培いました。
系列の中学校に進学、コーラス部から勧誘を受け入部しました。全国大会を目指す強い部で、毎日練習がある忙しい部でしたし、「コーラス」という集団での活動は、私にとってチャレンジングなものでしたが、歌うことが楽しく、仲間にも恵まれ、部活に熱中していきました。
成績はあまりいい方ではなく、忙しい部活動と勉強の両立に、最初は苦戦しました。しかし、部活動において「他の人への指導も自分のこととして改善を心がける」という習慣が身に付き、それを勉強でも生かすように心がけたんです。すると成績がだんだん伸びていき、学校の中でも上位に入れるようになりました。
キャビンアテンダントをしていた母の影響で海外に興味があり、私も将来は海外とかかわりのある仕事がしたいと思っていました。高校に進学する際、両親からの進学祝いとして「留学したい」という希望を叶えてもらいました。高校1年生の夏休みに1か月、オーストラリアに短期留学しました。
留学先では、現地校の授業を見学する機会がありました。異なる年齢の生徒が同じ授業を受けることや、積極的に発言することを求められる、ディスカッションがメインの授業風景に衝撃を受けましたね。
そこから、教育の差が国民性や社会の違いにどう関係しているのか興味を持ち「教育学を勉強してみたい」と思うようになったんです。さらに、将来グローバルな環境で働きたいという思いもより強くなり、大学の進路は国際関係か教育学科かどちらかと考えました。
3年生になる春休みに一度上京して大学見学をした中で、教育についてグローバルに学べる学部があることを知り、その学校を受験し、無事合格。進学を決めました。
大学に入学してすぐ、国際学生NPO団体に入会しました。海外の人と交流もでき、海外にインターンをする人の成長が見られて面白そうだと思ったことがきっかけでした。高校まで精神的に引きこもっていた分、大学では積極的に学ぼうとも決め、初めて自分から組織運営に携わりました。
関われば関わるほど学びが深まり、頼りにされるのが嬉しかったですね。仲間とたくさんの衝突がありましたが、高校までの18年間よりも強い絆を得ることができて。自己肯定感も上がり、信頼関係を大切にできるようになったんです。
就職活動でも、「教育」と「国際関係」という軸はぶれませんでした。自分が勉強してきたことやNPO団体での活動を生かしたいと思い、グローバル教育をしている研修会社にご縁をいただき、就職を決めました。
入社後は研修部門の営業に配属され、医薬、医療機器メーカー向けに、研修やe-Learningシステムのコンサルティング営業をすることになりました。2年目までは、自分の仕事をしながら先輩や上司の営業に同行したり、研修のサポートをしたりして勉強しました。
3年目の夏に大型プロジェクトを受注できたんですが、それから多忙な日々が続きました。毎日深夜まで残業が当たり前で、4ヶ月ぶりに明るい時間に帰れた時は嬉しくて涙が出ましたね。ストレスで体に蕁麻疹が出たりしたこともあって。激務の甲斐あって営業成績は常に上位を走り、3年目の期末に国内3位、世界8位の営業成績をとり、会社の国際表彰を最年少で受賞しました。
プロジェクトが落ち着いてきて、研修や教材の開発をしたいという思いが強くなりました。また、社外で新人研修の講師として登壇したり、上司がコンサルテーションから講師教育まで一人でこなす姿を見たりするうちに、「いずれは自分で考えた研修を自分で提供したい」と思うようになりました。
しかし、希望が叶わず営業を続けることになり、仕事へのモチベーションが下がってしまいました。ちょうど同じ頃、交際していた彼と結婚。1年後には彼の海外赴任に帯同することも決まって。これを機に働き方を見直したいと思っていたところ、異動を希望していた研修開発部門でアルバイトとして働かせていただけることになりました。
開発部門での仕事はとても楽しく、会社側からの提案で業務委託契約に切り替えてもらって、赴任先でも仕事を続けられることになりました。日本とアメリカの事業部合同のプロジェクトのメンバーとして、業務委託でありながらも責任あるポジションを任せてもらえて、やりがいも感じていました。
赴任先では妊娠中もテレワークで仕事を続け、産後1ヶ月ほどで再び仕事に復帰しました。生後3ヶ月の時に夫の赴任期間が終わり、帰国。子どもが1歳になる頃からは週に2〜3回保育園に預けて仕事をしていました。夫の赴任があっても途切れることなく働き続けられて本当にありがたかったですね。
息子が2歳の時に、東日本大震災が発生。そろそろ帰らなきゃ、と思っていた矢先の出来事でした。夫婦共に帰宅難民になってしまい、子どものお迎えに行けたのは夜7時でした。これがきっかけで息子が精神的に不安定になってしまったんです。仕事を続けたい気持ちはあったものの、しばらくは息子に寄り添うべきではという思いが強くなり、仕事を辞める決断をしました。
その後間も無くして二人目を妊娠、出産。しばらくは二人の育児に忙しい日々でした。働きたいという思いはずっと持ち続けており、次男の幼稚園入園を機に再び働き始めることを決めました。
そんなとき、大学時代の友人でもある前職の同期と再会しました。彼女はエスキャリアでパートナーとして働き始めたばかりで、エスキャリアを紹介してくれました。エスキャリアの理念に心から共感し、私もパートナーとして登録させていただきました。その後すぐ、エスキャリアから研修会社の開発部門でデータ解析、集計のアルバイトを紹介していただけました。さらに、前職の会社で教材の翻訳も始めました。
アルバイトは2年ほど続けましたが、繁忙期しかお仕事がいただけないため、エスキャリアの業務委託として大手企業の研修運営のお仕事も紹介していただきました。面談の際に、今後やっていきたいことを聞かれました。前職での研修講師の経験や、教育への興味から、講師の仕事をやっていきたいと率直な気持ちを伝えました。すると、キャリアコンサルタントの資格をもっていると有利ですよ、と教えてくださり、早速講習を申し込みました。
また、前職で培った講師のスキルやファシリテーションの経験を生かし、さらには私自身のスキル向上にも役立てたく思い、息子の習い事で知り合った作家の先生と作文教室をはじめました。そこから発展し、子どもたちの読解力向上のため、読んだ本の意見交換をするブッククラブを主宰することになりました。
仕事とブッククラブ、育児の合間に資格試験の勉強をし、無事キャリアコンサルタントの資格試験に合格。その後、エスキャリアから研修講師のお仕事をご紹介いただけ、とても嬉しかったですね。
現在もフリーランスとしてエスキャリアからご紹介いただいた研修運営や研修講師をしながら、ブッククラブの運営、さらには小学校のPTA副会長をしています。
PTA活動は子ども達の学校生活に役立っているという実感がある一方で、現代の共働き家庭には負担の多い活動だとも感じています。前職でプロジェクト管理業務をしていたので、「組織の負荷を軽減し、保護者が前向きにPTA活動に取り組むお手伝いができたら」と思い、2期目も引き受けました。
PTA全体の仕事内容と工数を管理をして、不必要な仕事を洗い出して学校と協議しています。やりがいはありますが金銭的な報酬はないので、ねぎらいの言葉をかけてもらえると嬉しいですね(笑)
PTA活動が忙しかったのと、いろいろなニーズを受けて、開催場所や頻度に悩みお休みしていたブッククラブを3月末からようやく再開します。今後は毎月1回、継続的に続けられたらと思っています。
講師としての活動にとてもやりがいを感じていますし、今後も講師としてのキャリアを積んでいきたいですね。夫の海外赴任に帯同する可能性がありますが、どんな場所にいても、目の前の人、一人ひとりが前向きに仕事に取り組むお手伝いをして、組織や社会の活性化につなげたいです。
大学卒業後、人材開発企業に入社。企画営業、教材開発、カスタマイズ研修の開発・運営などに携わり、社会人4年目で同社国際表彰を最年少で受賞。その後、夫の海外転勤、出産、育児のためフリーランスに転向。2018年4月に国家資格キャリアコンサルタントを取得。人材サービス分野では大学時代を含め通算18年間の幅広い経験を有し、現在はエスキャリアにて研修運営、研修講師の案件に従事する傍ら、自身で子ども向けの読解力・作文力向上のためのブッククラブの運営もしている。
全部または一部を問わず、コンテンツを、当社の事前の同意なく、無断で転用・転載する行為を禁止します。