「仕事は何をしているの？」と聞かれ、「人材紹介会社で働いています」と答えると「あー、派遣ね」と言われることが実は多々あります。その度に「人材紹介会社は派遣とは違って・・」と、説明することになりますが、意外にも知らない方が多いなと感じます。
派遣＝「派遣で働く」と想像しやすいのですが、人材紹介＝「正社員として働く」とは、言葉からはなかなか想像しにくいものですね。今日は、人材紹介会社と人材派遣会社の違いについて、基本的な部分のみではありますが、お話ししたいと思います。
紹介される求人の「雇用形態」が違う
まさに、これが一番の違いといえるでしょう。人材紹介会社では「正社員（契約社員）」のお仕事が紹介されます。紹介される求人票には、企業名・職務内容・待遇等が記載されていますが、その「企業様」から、直接雇用されるお仕事です。
給与もその企業から支払われ、福利厚生もその企業のものが適用されます。原則、紹介会社は、求職者の方の採用が決まれば、あとはノータッチ。 雇用契約等にも一切関わることはありません。
一方、派遣会社では、「派遣社員」としてのお仕事が紹介されますが、この場合、給与は派遣会社（派遣元）から支払われ、勤務先は別の企業となります。福利厚生も、派遣元の福利厚生が適用となります。また、派遣契約には期間が設けられています。契約満了した後も、引き続きお仕事を探す方は、引き続き紹介を受けることも可能です。派遣社員として勤務中も、担当のコーディネーターがついていますので、勤務先についての相談事も親身に受けてくれるでしょう。
派遣の方が高い場合も？「お給料」について
人材紹介会社から紹介された正社員のお仕事では、給与は、勤務先企業から直接ご本人へ支払われます。月給制・年俸制がほとんどです（賞与あり、なし、その他待遇は企業により異なります）。
派遣の場合は、時給制・月給制、両方パターンはありますが、時給制が多いようです。時給制だと、残業が多い月は給与が上がり、少ない月は下がり、また、ゴールデンウィークやシルバーウィークなど、祝日の多い月は出社しない日も多くなりますので、単純に給与が減ることになります。月によって給与が変動していくことに、不安を持つ方もいらっしゃるようです。
人材紹介か、人材派遣か「おすすめの使い方」について
人材紹介会社では、対面や電話での面談を行うことによって、ただご経験に合うというだけではなく、人物像やご希望も加味して企業を紹介してくれます。今後、長く1社でしっかり腰を据えて働きたい方、専門性を身に付け「天職」を見つけたい、という方には是非利用していただきたいです。自分に合う人材紹介会社、自分にあうキャリアアドバイザーに出会うことができれば、1人よりも断然効率的によい転職活動ができるでしょう。これから一生を左右する転職、このサービスを利用してみない手はありません。
一方、派遣としての就業の場合、契約期間がありますので、期間に限定のある方にはおすすめの働き方と言えます。世界一周旅行に行くお金を貯めるために、時給の良い派遣で集中して働く、ご主人の転勤が多く1社に長くは就業できないので期間限定で働きたい、という方は割り切って、派遣でお仕事をしてみるのも良いでしょう。また、派遣社員の仕事は、その幅が決まっていますので、本当にやりたい職種だけに携わり、スキルをつけたい方にもおすすめです。いろいろな企業や仕事を経験して自分の視野や経験の幅を広げたい、という方にも向いているといえます。
経歴的に、将来の転職に有利なのはどっち？
「派遣の経験が多いことを指摘されて、書類選考が通らない」という求職者の方からの悩みをよく伺います。書類選考時には、転職回数と雇用形態をしっかりご覧になられる企業も少なくありません。
平たく言うと、派遣就業の場合は、「あまり主体的に仕事をするのではなく、指示をもらって働いてきた方」「企業の核となる部分は任されていない」と思われることが多々あり、ご経験が浅いと判断され、書類選考に通過しないという場合が残念ながら多くあります。
派遣でも専門性をもって仕事をしている方、信用が厚く核となる重要な部分を任されている方もおられますので、その場合は、徹底的に職務経歴書を書き直し、しっかりアピールする必要があります。今後、いつかは正社員での転職活動をするかもしれないという方は、派遣での就業を軽く選ばずに、将来のキャリアを一度じっくり考えてみることをおすすめします。
ただ、正社員で働いていたとしても、転職回数が多ければ同じように「またすぐにお仕事やめるのではないか」「特定のスキルを短期間ではつけられていないだろう」などと思われることにもなりますので、一概に正社員が有利とも言えません。
やはり、どのようなご経験を、どれくらい深く、真摯に取り組んできたかが重要になります。
人材紹介会社、人材派遣会社、その違いを理解し、ご自身の働き方、ライフステージ、目的に応じて、うまく使い分けていただきたいものです。
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