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転職活動の二次・最終面接をクリアするためにすべきこと


前回のコラム「転職活動の一次面接をクリアするためにすべきこと」では、一次面接を受ける際にぜひ気をつけていただきたいことについて解説しました。今回は、無事一次面接を突破したあと、二次・三次の面接では何をチェックされているのかについて、転職サポートをするキャリアカウンセラーの立場から、お話したいと思います。

1.二次面接以降の位置づけ

二次面接以降は、会社の規模や選考フローによっても異なりますが、現場のリーダー・責任者、部門のトップ、社長などが面接官として出てくるケースが多いです。二次面接が最終面接となり、社長や役員との面接ということもあり得ます。会社規模が大きく、いくつもの部門組織に分かれている場合は、二次でリーダー、三次でマネージャー、最終で役員、といった流れになることもあります。
選考フローについては、聞けば教えてもらえることが多いです。転職エージェントに確認したり、自分で人事に尋ねるなどして、把握しておくと良いでしょう。

一次面接は突破しているので、「人物像には問題ない」と判断されていることが多いです。ですが、一次面接だけでは掴みきれなかった弱みや、会社との相性を考えた時に「ここがネックになるかもしれない」といったポイントが、要確認項目として二次面接官に申し送りされていることもよくあります。油断は禁物です。

二次面接以降では、これまでの経験やそこから培った能力、指向性、キャリアの方向性、会社との相性を中心に確認します。また、マネジメントを求められるポジションであれば、経験の長さ、マネジメントスタイルについても問われるでしょう。

2..見られているのは、能力と相性と将来性

具体的なチェック項目としては、
・これまで経験してきたプロジェクトの概要、務めたポジション、成果
・強み、得意とする領域
・仕事や仲間と向き合うスタンス
・今後のキャリアの方向性
といったことが挙げられます。

【これまで経験してきたプロジェクトの概要、務めたポジション、成果】
この点については、一次面接でも求められた要素をさらに詳しく突っ込まれると思って準備しておきましょう。

これまでどのくらいの規模のプロジェクトの経験があり、その中でどのようなポジションを任され、自分としてどのような努力・工夫をして貢献したのかについて、整理して話せるようにしておくと良いでしょう。
チームとして挙げた成果も大事ですが、それ以上に個人として挙げた成果が大切です。プロジェクトの成功話はよく耳にするエピソードですが、よくよく聞いてみると、「自分自身は下っ端で雑用しかしておらず、関わったのも半年程度。先輩が3年かけて仕掛けてきたものが花開いた結果に便乗しただけ」というケースもあるからです。

また、「成功や失敗から何を学び、次にどう生かしているか」というのも非常に大切なポイントです。失敗は誰にでもあるもの。成功体験は貴重なものです。せっかくそういう体験をしているのに、学べていない・学びが浅い、気づきはあっても行動が変わっていない場合などは、評価が低くなります。洞察力と自らの行動を変える力は、そのまま成長の伸び代に繋がるからです。

【強み、得意とする領域】
こちらは「この点においては、他の人に負けない!」と胸を張れるものだと思っていただくといいかもしれません。

例えば、「飲食業界の顧客を長年担当していたので、業界知識には自信があります」「マメで丁寧なコミュニケーションを心がけており、そのおかげでミス・トラブルを未然に防いだ実績も多くあります」といったことです。
顧客や上司からもらった褒め言葉があれば、そこに至った具体的なエピソードと共に伝えると、説得力が増して良いと思います。

【仕事や仲間と向き合うスタンス】
こちらも、一次面接で聞かれたことを掘り下げられる形になると思います。

前回のコラムでも解説しましたが、
・自分にとって、働くとはどういうことか
・仕事をするに当たり、大事にしてきた哲学は何か
・仲間や上司とどのように付き合い、協業してきたのか
といったことは必ず押さえておきましょう。
こうした価値観が違うと、「社風と合わない」と入社後双方が苦労することになりますので、重視される項目です。特にチームメンバーとのコミュニケーションの取り方、共有の仕方などの仕事の進め方は、とても大切なポイントです。

以前、こういう実例がありました。銀行出身の転職者Aさんは、「何でも書面でエビデンスに残す」という習慣から、チームメンバーや上司に対してのちょっとした報告や提案も、全てメールで送っていました。ところが、新しい職場はスピードが命。会話ベースで重要な決済が下りることも、よくある話でした。そのため、「Aさんって、何でいちいちメールで送ってくるの?目の前にいるんだから、話しかけてすぐ解決すればいいのに」と不思議がられ、浮いてしまったのです。
良かれと思ってしていたことが、文化の違いから通じなかった事例と言えます。こうしたことが起きないよう、社風や仕事の進め方についても、しっかり確認しておきたいですね。

【今後のキャリアの方向性】
例えば、あなたがプロフェッショナル志向で、「ずっと現場で働いていたい」と考えていたとします。ところが会社側では、「しばらくは現場で経験を積んでもらい、3年後にはマネジメントに回ってほしい」と考えていたとしたら。方向性が違ってしまいますね。
もちろん、入社して働くうちに気が変わったり、適材適所を考えて違うポジションが割り当てられたり、というのはよくあることです。入社前の時点で、必ずしもすり合ってないといけないというわけではありません。ですが、会社の基本の方向性が、あらゆる部署を経験させてゼネラリストを養成するのか、ひとつの仕事をじっくり掘り下げるプロフェッショナルを養成するのか、といったところでも、大きく変わっていきます。

また、「今後は海外、特にアジアに積極的に進出したい」「次の事業の柱となる新規事業を立ち上げたい」などの事業の方向性も、そこで働く人のキャリアに大きく影響します。こちらも、決算短信や中期経営計画に目を通したり、ホームページやエージェントを通じて説明してもらったりして、しっかり確認しておきましょう。

3.油断できない条件すり合わせ

「人物像としても問題なく、求める経験やスキルはぴったり。ぜひうちに来てほしい!」というオファーがあったら、「ぜひ!」と気持ちが浮き立ちますよね。でも、ちょっと待ってください。勤務条件をきちんとすり合わせられていますか?うちに来て、の後に続く言葉が、「でも、お約束できる年収は・・・」と、現年収より100万円ダウンした金額を提示されたとしたら。あなたはどうしますか?

年収の相場は、求人票やホームページに書いてあることもありますが、最後は本人見合い。能力が高く経験豊富であれば多少高くても出すが、未経験者や若手なら安めに抑えたい、というのが企業側の本音です。また、現年収を参考にオファー金額が決まることもあります。ボーナスの出方、昇格の道筋などによっても、実際手にできる金額は変わってきます。志望度は高いけれど金額に納得できない場合は、転職エージェントに間に立ってもらって交渉したり、今後の昇給の見通しを確認したりしておきましょう。

また、お子さんがいらっしゃる場合は、勤務時間や残業についても、実際の運用ベースでどうなのか、知っておきたいところです。制度はあっても現場でなかなか活用されていない、人事はOKと言っていたけれど、現場の上司が理解できていない、などという場合、「約束と違う・・・」といった事態になりかねません。言質を取って置いたり、内定通知書などに諸条件が記載されている場合は、しっかり目を通しておきましょう。

4.実は最難関!現職の退職交渉

現職に就いている場合、転職における最大の難所であり、一番揉めやすいのが、実は退職交渉です。せっかく次のステップが決まったのに、退職の日にちがなかなか決まらず、そのため入社日が確定できず、ズルズルと先延ばしになってしまったり、慰留されて結局転職そのものをやめてしまったり、といったケースもあります。転職先にも、現職場にも迷惑をかけてしまう可能性があるので、要注意です。

まず、退職の意思表示をいつまでにしなくてはいけないのか、現職場の社則を確認しましょう。申し出なくてはいけない時期が、3か月前まで、1か月前まで、2週間前まで、など、会社によってルールが異なります。例えその条件を満たしていたとしても、後任のアサインに時間がかかったり、引き継ぎなどの関係で、退職日がずれ込む可能性も十分あります。後のことを考えると、早めに伝えておく方がいいでしょう。
また、後任やチームに迷惑がかからないよう、しっかり引き継ぎを行いましょう。何を引き継ぐべきなのか、それにはどのくらいの時間がかかるのかを見積もり、上司に報告しておくと親切です。
顧客情報やノウハウなどを不正に持ち出した場合、罪に問われて逮捕されてしまうこともあり得ます。引き継ぐべきものは引き継ぎ、そうでないものはしっかり処分するようにしましょう。

理想は、残っている有給休暇をすべて消化して少しリフレッシュしてから、次の職場に向かうことだと思いますが、そう上手くいかないケースが多いものです。もし有給休暇を消化しきれなかった場合、買い上げ制度はあるのか?その場合の上限日数・金額は?といったところも、確認しておきたいポイントです。

現職場は、今までお世話になった会社です。不満があって辞める場合もあるとは思いますが、円満退職に越したことはありません。万が一、後ろ足で砂をかけるようなことをしてしまっては、世の中広いようで狭いですから、いつしっぺ返しが来るとも限りません。双方納得し、気持ちよく退職日を迎えられるよう、大人として誠意を持って向き合うことをオススメします。

5.さいごに

いかがでしたか?面接が進んでいくと、見られるポイントも変わってきます。また、現職を辞める、職場が変わるといったことが現実的に目の前に迫ってきて、戸惑うこともあるかもしれません。ですが、将来についてじっくり考える有意義な時間になるはずです。この転職を通じて、何を実現したいのか?どうなりたいのか?を自分に問いながら、一歩ずつ前に進んで行けるといいですね。

皆さんの転職活動がうまくいくことを、心よりお祈りしております!もし「プロの手を借りたい」と思ったら、エスキャリアのマイ・カウンセラー「転職レッスン」をぜひご活用ください。経験豊富な女性キャリアカウンセラーが、あなたのキャリアを全力で応援します。


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。3歳の娘を抱えるワーキングママ。
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