出産後、大きく変化する女性の役割と気持ち。“今”のあなたを整理してみませんか。
育児が始まり、今までの生活から一変する育休期間。
「出産後もバリバリ働きたいと思っていたが、いざ出産をすると、子育てに専念したくなった」「子どもが大きくなるまでは専業主婦でいようと思っていたが、社会との繋がりも欲しくなった」
など、生活の変化とともに気持ちが変化するのはとても自然なことです。
しかし、その変化に自分自身がついていけずに悩んでしまったり、先が見えなくて不安を感じたりすることもあります。
今回は育休中の今だからこそできる、「キャリアの棚卸し」についてお伝えします。
過去の育休コラム(参考:復職後のスキルアップのために、育休中にできること)にもあるように、これまでのキャリアを見直すと、今の自分に足りないもの、今後に向けて身に着けた方が良いものが、自ずと見えてくるようになります。
そこで「キャリアの見直しってどうやるの?」という方に向けて、キャリアカウンセリングの現場でも使われているワークをご紹介します。もちろん、ご相談内容によってワークを行わないケースもありますし、他のワークを使うこともありますが、今回は一例として、
①ライフキャリア・レインボー(“自分自身の役割”を知って、虹色の人生を描く)
②ライフラインチャート(過去を振り返り、“自分自身の価値観”を探る)
こちらの2つのワークについて詳しく説明したいと思います。
育児や家事で忙しく、なかなか自分のために時間を割くことは難しいかもしれませんが、お子さんが眠ったあとの30分でもいいので、ご自身と向き合う時間を作っていただけたら嬉しいです。
①ライフキャリア・レインボー
「キャリア」は「職業、経歴」という意味を持ちますが、実はそれだけではありません。特に、「ライフ」の言葉が付くことで、社会や家庭における様々な役割も含めた、その人の生き方全体を指す言葉になります。
(ちなみにエスキャリアでは、キャリアを「仕事だけでない、人の生き方、人生そのもの」と定義しています。くわしくはこちら)
「ライフキャリア・レインボー」とは、1950年代にアメリカの教育学者ドナルド・E・スーパーが発表したキャリア理論です。ここで言うキャリアとは職業とは考えず、人生において社会や家庭で様々な役割の経験を積み重ねることで、初めて自身のキャリアが形成されるという考え方です。
人は誰しも役割を担って生きています。それは年齢とともに変化し、子どもとしての自分、学生としての自分、社会人としての自分、妻としての自分、親としての自分、市民としての自分、趣味を楽しむ自分…など、様々な役割を、その時々の家庭環境や社会での経験に応じて比重を変えながら生きています。
今回は育休中の女性がワークをしやすいように少しカスタマイズをして、
①家庭人としての自分
②親としての自分
③労働者としての自分
④余暇を楽しむ人としての自分
⑤学生(学ぶ人)としての自分
⑥子どもとしての自分
以上の6つの役割をもとに、ワークを行いたいと思います。
上の図は役割を記した、虹の形(ライフキャリア・レインボー)です。枠の外側にある数字は年齢です。
あなたの今の各役割の比重を、ぬりつぶす帯の高低で表してみましょう。
参考までに、下記の(例)をご覧ください。
この場合は、20歳から一人暮らしを始めたことで、家庭人(主に家事をする人)が始まり、結婚をした30歳以降、高い比重で役割を担っています。子どもが産まれた35歳から親としての自分が始まり、その時期は労働者としての自分の役割は低くなっています。学生は資格取得などの勉強をしている時期も含まれますので、「いずれ、資格を取りたい!」など先の未来については、希望としてぬりつぶしましょう。子どもとしての自分には「親の介護」も含まれます。
※わかりやすいように現在の年齢に星マークをつけています。
一般的に女性は結婚や出産などのライフイベントによって、役割の数や比重を見直す機会が多くなります。
(例)のように、子育てや親の介護がある時期は、労働者としての自分の比重が低くなることもあるでしょう。それを「労働者としての役割が減ってしまい、ブランクの時期」だと思うか、「その分、家族のために費やしている時間」「空いた時間に学びを深めるための時期」だと思えるかは、ご自身の捉え方次第です。
ライフキャリア・レインボーのワークを行うと、
「こんなに様々な役割を担っているのか!私、すごいかも!」
「今は重なり合っている時期。どうりで忙しいわけだ!」
「38歳の今、まだまだ人生の折り返し地点。余暇を楽しむ自分のために、健康でいたいな」
「いつか資格取得の勉強をしようと思ったけど、再来年がベストな時期かな」
など、自分の人生を客観視し頭が整理できるので、将来に対して前向きな気持ちが芽生えることが多いです。
どんな役割の自分も大切な要素であり、経験を積み重ねることで自身の総合的なライフキャリアが形成されていきます。こちらのワークを通じて、あなたは自分らしい美しい虹色の人生を歩んでいるのだということを知ってもらえたら光栄です。
②ライフラインチャート
ライフラインチャートとは、縦軸に満足度(充実度)、横軸に過去の年齢(時間軸)をとったグラフのことをいいます。生まれた時から現在に至るまで、満足していた時期はラインを上げ、あまり満足できなかった時期はラインを下げ、曲線を描いていきます。
下記の(例)を参考に、ご自身のライフラインチャートを描いてみましょう。アップダウンのところには「どんな出来事があったのか」をコメントしてみてください。
ライフラインチャートは、これまでの人生の浮き沈みをグラフ化した表です。過去の経験をもとに、自分が大切にしてきた想いやモチベーションが上がった出来事などを見つめ直すことができます。
カウンセリングの現場では、「どのような時に満足度が上がるのか」、「満足度が上がるきっかけになった出来事は何か」に注目することが多いです。
育休中は生活が変わり価値観の変化もありますが、自分の歴史を客観的に見ることで
「私は人から必要とされると充実度が上がるみたい。今は我が子に必要とされている!」
「どん底の時も友達と会うことで気持ちを上げてきた。子育ても楽しいけど、たまには友達に会う時間も必要かも」
など、今とこれからをよりよく生きるヒントがこのグラフから見つけられるかもしれません。
自分らしい、新たな一歩を踏み出すために
いかがでしたでしょうか。「ワークをしてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。また、ワークを行い頭がスッキリすると、もっと深く自分を知りたいと思うかもしれませんね。
キャリアカウンセリングの現場でも、このようにワークを行う例はよくあります。ワークをもとにお話を伺い、相談者が本当に伝えたいことや心の中だけに閉まってきた感情を丁寧に解きほぐし、本当の強みを見出していきます。
そして、キャリアカウンセラーと話すと、“新たな自分”に出会うことがあります。自分では当たり前だと思っていたことが特別だったり、短所だと思っていたことが長所だったり、なぜそのような思考になりがちだったのかが明確になったり、第三者に言われて初めて気づくことが多いのです。
女性は結婚や出産などでライフスタイルの変化が大きく、悩みながらも決断を迫られます。特に気持ちの変化が大きい育休期間中の女性こそ「自分らしさって何?」と、キャリアの棚卸しをする時間が大切です。
様々な役割と経験を積み重ねて形成された、あなた自身の“キャリア”。そのキャリアを棚卸しする際にプロに話を聞いてもらいたい場合は、ぜひエスキャリアのキャリアカウンセリングサービス「マイ・カウンセラー」をご利用くださいね。自分らしい新たな一歩が踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。
キャリアカウンセリングがもっと身近な存在になるよう、エスキャリアでは
①サロンにて直接相談(キッズスペースあり)
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3つの方法でカウンセリングを行っています。詳しくは「マイ・カウンセラー」のページをご覧ください。
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