先輩ワーキングママたちへ、「どんな育休を過ごし、今どんな思いでいるのか」アンケートを実施。
育休中は我が子の成長に喜びながらも、慣れない育児に不安が募ったり、予定通りに終わらない家事にイライラしてしまったり、パートナーの帰りが遅く平日はワンオペ育児状態だったり、「このまま仕事復帰したら、どうなってしまうのだろう」と心配になるママも多いもの。
エスキャリアでは、昨年の9月から育休中の女性に向けたコラムを掲載していますが、反響はとても大きく、育休中は不安やモヤモヤを抱えている女性が多いことを実感しています。
そこで、実際に育休を経験した先輩ワーキングママたちが「どんな育休期間を過ごし、今どんな思いでいるのか」を聞くために、エスキャリアで独自にアンケートを実施しました。
質問した項目は7つ。
①育休期間は充実していましたか
②育休期間に「これをしておいて良かった」と思うことはありますか
③育休期間に、復帰への不安はありましたか
④復帰した後、育休中の不安は解消されましたか
⑤復帰した後、想定していなかった新たな不安はありましたか
⑥育休期間に「これをしておけば良かった」ことはありますか
⑦現在育休中の女性への応援メッセージ
70名近い先輩ワーキングママたちに、ご自身の育休期間を振り返っていただき、当時の気持ちや今現在の気持ちを「本音」で答えていただきました。
育休中に感じる、漠然とした不安や悩み。
先輩ワーキングママも少し前までは、あなたと同じように悩みを抱えていたかもしれません。アンケート結果を3回に分けてたっぷりお伝えいたしますので、コラムを通じて不安が少しでも解消でき、貴重な育休期間を前向きに過ごしてもらえたら嬉しいです。
※FaceBookを通じてアンケートを実施しているため、固有の団体名はそのまま掲載しています。気になる団体があれば、ぜひ情報収集してみてくださいね。
Q1. 今振り返ってみて、育休期間は充実していましたか?
はじめに、育休期間を振り返ってみての「充実感」を聞いてみました。
「育休期間は充実していた」と答えた方(とても充実していた、まあまあ充実していた)は、なんと89%でした。多くの先輩ワーキングママが「充実していた」ようです。では、その理由も見てみましょう。
(※以下、アンケートの文章は原文ママ)
■とても充実していた、まあまあ充実していた
「復職したら子どもとずっと一緒にいられないことがわかっていたので、育休中に子どもと過ごす時間を大切にでき、やりたいことを思いっきり楽しめた」
「育児だけでなく、友人と会ったり、映画をたくさん観たり、お昼寝時間に勉強したりと時間を活用できた」
「地元のママ友ネットワークが作れたのと、思う存分近所を歩き回って地域の情報収集ができたから。思わぬ趣味も見つけた」
「1人目の育休は、育休復帰後に仕事の感覚を取り戻すのに苦労した。その経験から、子どもがいても学び思考力やコミュニケーション力を高められる活動に積極的に参加した(例えば、育休プチMBAのスタッフ/ワーキングママ大学参加/ママボノ参加/家族で地元での子どもアートワークショップ開催など)」
「色々な地域活動を通じて自分が住む町を知ることができた。人とのつながりができた」
「仕事と無関係の育児セミナー等に出ることで、育休中でなければ出会えない人と友人になれた」
「習い事や友人と過ごせる時間が取れたから。何より、子どもとしっかり向き合えた」
「子どものことを考える時間、子どものために行動するなど、子どもと過ごす時間に集中できた。また今まで知り合えなかった近所のママ友との交流ができ、新しい世界ができた」
「子どもの成長をしっかり見られて幸せだった」
「充実していた」と答えたママたちの多くは、子どもと向き合える時間に幸せを感じられたこと、児童館や子育てセミナーなど今までとは違うコミュニティで新しい繋がりがうまれたこと、自分自身のスキルアップのために時間を費やせたことに「充実感」を味わえたようです。
では、「普通」「あまり充実していなかった」「全く充実していなかった」と答えた方の理由も見てみましょう。
■普通、あまり充実していなかった、全く充実していなかった
「復帰を急ぎ過ぎて、体調を崩してしまった」
「初めての育休で、楽しみ方があまりわからなかった。出不精になってしまい、お金も少なからずかかるので、気づいたら家に二人っきり…ということが多かった」
「仕事がないので、良い母親、良い妻像を自分で勝手に描き、それに合わせて自分を制限していたから。そして他人の評価を自分の基準にしていたから。自分をないがしろにしていた」
「第一子の時は、軽い産後うつから始まり、子どもと過ごす時間の使い方がわからなくて、必要以上に引きこもったり、実家にばかり行ったりしていた。子連れで外出することも精神的なハードルが高く、かなり保守的になっていた。子連れでも、自分自身が楽しめることはあったはずなのに、その時は罪悪感を抱いてしまい、そういう場を知らなかった」
「充実していなかった」と答えたママたちの理由は様々ですが、お子さんとの過ごし方を悩まれていたり、理想の母親・妻像に縛られてしまっていたり、自分のことは後回しにされていたりと、悩みながらもとても頑張ってこられたのだなあという印象を受けました。
筆者自身もそうなのですが、完璧主義の人や一人で抱え込んでしまいがちな人ほど、子育て中の「思い通りにいかない」ことへのモヤモヤを感じやすいのかもしれません。しかし、「子どもとどう過ごしたら楽しめるのかな」「良い母親・妻になりたいな」と思えるのは、とても素敵なことですよね。
もし「今は育休中だけど、あまり充実していないかも」と感じる方は、ゆっくり深呼吸をしてみてください。なぜ、充実していないと感じるのでしょうか。
もしかすると「あなた自身」のことを大切に思えていないのかもしれません。子どものため、家族のために、頑張りすぎているのかもしれません。「母親は(妻は)こうあるべき」と思いがちなところがあるのかもしれません。
毎日慌ただしく、自分のために使える時間は少ないと思いますが、たまには少し力を抜いて、あなたが自分らしく過ごせる時間が作れるといいなと思います。
毎日頑張っているママを、お子さんは見てくれています。ママが楽しそうにしている姿は、お子さんにとっても嬉しいことでしょう。
育休期間は限りがあります。その貴重な時間を、より良く過ごせることを願っています。
Q2. 育休期間に「これをしておいて良かった!」と思うことはありますか?
次に、育休期間に「これをしておいて良かった!」と思うことは何かを聞いてみました。
「仕事について」「家族・自分について」に分けて質問していますので、ぜひ参考になさってください。
■仕事について
「仕事で使う資格取得」
「職場の人との交流。今の状況や変わったことを聞いておくことで復職したときの心構えができた。また交流を持っておくことで復職後もスムーズな人間関係を築けた」
「子連れで『ぷちでガチ!育休MBA』の講座を受け、視野が広がった。他社の方との人脈が広がった」
「休み中に復帰後の生活を脳内シミュレーションしていたため、おおまかな問題は復帰前に対策しておけた」
「大学院にいった。キャリアにつながるボランティア活動を続けた。資格の通学をした」
「ベビー系の資格取得をした」
「地域のママだけじゃない繋がりをつくる、復帰したら何をしたいのか自分の得意不得意や好き嫌いを考えながら過ごす」
「プロボノに参加して、視野を広げられた」
「会社のメールを家でも見られるようにし、時折状況を把握しておいた」
「専門にしていきたい分野の勉強、資格取得。育休MBA受講」
「東京ワーキングママ大学3ヶ月コースへの通学。課題に取り組む過程が仕事のリハビリにつながった。また、社外のワーキングママたちとつながりができた」
「NECワーキングマザーサロンのボランティア活動、マドレボニータOGの自主企画として復職者向けワークショップを開催したこと」
「たくさん本を読んだ」
■家族・自分について
「キャリアカウンセリングを受ける。時短料理や作り置きの練習。朝起きて家を出るまでの練習」
「地域のイベントにたくさん参加し、子育て支援施設にもたくさん通った。ママ友もたくさんできた」
「子どもと一緒にいろんなところに行った。移動中大変なこともあったが、それによって人を思いやる気持ちが増した。そういう配慮が不足気味の自分にはいい経験になった」
「両家の親、親戚とたくさんコミュニケーションをとった。昔からの友人と沢山会った。夫婦でいつもよりたくさん話をした」
「家族旅行やお出かけ、両親に孫とたくさん遊んでもらった」
「子育て支援センターに通ったことで、心から信頼できるママ友ができた。PTA役員を引き受け、今の学校事情などを知るいい機会になった。ピラティスを習い始め、体調がとても良くなった」
「ワーキングママ友達(戦友)や地域で社会活動をしている方と多く関わり、自分も家族の生活も豊かになった」
「マドレボニータの産後クラスを受講し、心身ともに健やかになった」
「素早く作るご飯のメニューを増やした」
「親子英語、親子ヨガ、ベビーマッサージ、とにかく子連れで行けるイベントに参加」
「地域の人やママ友との交流、子どもと手作りを楽しむ、プチDYI、フォトブックの作成」
「復帰後のシミュレーション。家事分担について夫婦で話し合う。子育て以外に熱中できるものを探す」
「フラワーアレンジメントや料理など習い事をした」
「子どもと公園にたくさん行った」
「仕事復帰前にパートナーを教育した」
育休期間は新たな自分に気づけるチャンス!
いかがでしたでしょうか?あなたも「チャレンジしたい!」と思えるものはありましたか?気になるワードも出てきたかもしれません(ぜひ検索してみてくださいね!)。
アンケートを見ると、意欲的に行動された方ほど、育休期間の満足度が高い傾向にあります(逆に、「特になし」と答えられた方は、育休期間の満足度が低めです)。
子連れでは行けるところが限られる…と思いがちですが、託児サービスのあるところや、育休中だからこそ行けるワークショップなどもたくさんあります。図書館や児童館などにママ向け講座のチラシが置いてあったり、ママ向けのフリーペーパーが配布されていたり、ネットから情報が取得できたりしますので、興味のあるものがあればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
時短術やパートナーの教育(!)については、過去のコラム「ワーキングママの時短術」「育休中の一大プロジェクト!パートナーとの強力タッグ形成でスムーズに仕事復帰しよう!」も参考にしてみてくださいね。
また、公共の交通機関や飲食店などで「子ども連れ」の大変さを実感する場面もあるかと思います。だからこそ「優しく声をかけてくれた人に救われた」「他のママさんの子どものあやし方を見て勉強になった」「我が子より小さなお子さん連れのママを見ると、手を差し伸べたくなる」など、外に出たからこそ気づくことや学ぶこと、気持ちの変化もあるでしょう。
育休期間は今までは違うコミュニティがうまれ、新たな自分を発見できる絶好の機会でもあります。ぜひ色んな場所へ足を運び、色んな人と出会い、色んな経験をしてほしいと思います。
続いて【2/3】では、育休中に感じた不安と実際に復帰したらどうだったのかを聞いてみました。また【3/3】では先輩ママから育休ママへのメッセージもお伝えいたします!
<アンケート概要>
【アンケート方法】Facebook上で育休経験者を対象にアンケートを実施
【アンケート期間】2017年11月8日〜11月14日
【回答】68名(平均年齢:36歳 ※アンケート当時)