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「現在、育休中のママたちへ」先輩ママからのメッセージ(育休中の過ごし方アンケートより)【2/3】


先輩ワーキングママたちへ、「どんな育休を過ごし、今どんな思いでいるのか」アンケートを実施。

前回のコラム【1/3】では、育休中の「満足度」や「これをしておいて良かったこと」について書きましたが、今回は「育休中に感じた不安」や「実際に復帰後はどうだったのか」についてアンケートをまとめました。

 

慣れない育児とこれから始まる仕事との両立に漠然とした不安を感じる中、先輩ワーキングママたちはこの不安をどう乗り越えていったのでしょう。

 

Q3. 育休中に、仕事、家族との関わり、自分自身のこと等、復帰への不安はありましたか?

まず、育休中に感じた「復帰への不安」について質問しました。「仕事について」「家族・自分について」に分けて質問していますので、ぜひ参考になさってください。

【1/3】では、89%もの先輩ワーキングママが「育休期間が充実していた」と答えていましたが、その多くのママたちが、復帰への不安も感じていました。では、どのような不安を抱いていたのでしょうか。

(※以下、アンケートの文章は原文ママ)

■仕事について

「時短で満足のいく仕事ができるのかどうか」

「復帰して仕事と家庭を両立できるか。キャリアアップしていけるか」

「時短で働く自分に仕事を任せてもらえるだろうか、会社のお荷物になるだけじゃないだろうか」

「スピードの早い業界で、会社や上司も変わり、組織に貢献し続けられるのか」

「仕事のスキル不足、時間不足、復職先への不安、そもそも復職したいのか転職すべきか」

「役職がある立場で働いていたため、どれだけ過去の働き方と相違が出てくるのか検討がつかなかった」

「希望のキャリアと現実の不一致」

「フリーランスなので、再び仕事がもらえるか。スキルが錆びついてないか」

 

■家族・自分について

「両立できるのか」

「子どもの体調、発達」

「家族との時間を犠牲にしないか不安」

「子どもが保育園に早く慣れるかどうか、病気をもらってこないか」

「夫は料理ができず、ほとんど早くも帰れない中で、一人で帰宅後の家事ができるのかどうか」

「子どもと離れるのが辛くて淋しい。子どもに淋しい思いをさせて可哀想なのではないか」

「夫との家事育児の分担」

「毎日家事育児とうまくバランスがとれるか」

「妊娠前からお願いしていたにも関わらず、パートナーの家事育児への当事者感覚が全くなかった」

「精神的に健康でいられるか」

 

多くの不安が挙げられました。同じようにあなたも不安に感じているものがあったのではないでしょうか。「私だけが不安を抱えているわけではない」と思えるだけでも、少しは救われるかと思います。

 

それでは、実際に復帰した先輩ワーキングママに、その不安は解消されたのかどうかも聞いてみました。

(※「不安があった」と答えた方にのみ、追加で質問しています)

Q4. 復帰した後、育休中の不安は解消されましたか?

「仕事について」「家族・自分について」ともに、62%の方が「解消された」と答えています。不安に感じていることの6割以上は解消されていることがわかります。

それでは、「解消された」と感じる理由も見てみましょう。

 

■仕事について

「上司が育休前と変わらず、責任ある仕事を当たり前のように振ってくれたため、不安が払拭され、モチベーションも上がった」

「職場が育児に理解のある職場だった」

「復帰した時に付いたポジションがワーキングママの多い部署で、急な早退や時短勤務などに柔軟に対応する習慣が出来上がっていたため、とても働きやすかった」

「逆に時間制限があることで、効率的に取り組めた」

「復職前にシミュレーションをしたり、イメトレをしておいたりしたおかげで、意外とスムーズに両立できている」

 

■家族・自分について

「同じ環境で働いている同僚と話をしたり、保育園のママ友に相談したりした」

「『寝返りも打てない赤ちゃんがやってきた!』と保育園でフィーバーが起こり、先生のみならず園児たちの愛情を一身に受けているとすぐわかったから」

「子どもとの時間は減ったけれど、時間ではなく質の問題で、更には自分次第なのだと痛感。そして保育園を楽しんでいる子どもを見て、一緒に居るだけがハッピーでは無いなと感じた」

「夫との協働が徐々にできるようになったこと、手を抜くことができるようになったこと」

 

解消したと答えられたママたちは、職場の理解があったことや、保育園でのお子さんの成長ぶり、パートナーとの協働、を挙げられているケースが多くありました。

 

逆に「周りに理解してもらえない」環境に居る場合、「悩みが解消しなかった」と答えるママたちもいました。マミートラックに陥ってしまった、夫が全く協力してくれなかった、など、育休中にも不安に感じていたことがそのままモヤモヤとして残っているケースもあります。

 

マミートラックについては、以前、株式会社エスキャリアの岡本がインタビューを受けています。復帰前に読んでおくだけでも参考になる記事ですので、ぜひご参照ください。

(→【掲載】<第二弾>「ハピママ」に代表岡本のインタビューが掲載されました

 

また、パートナーとの協働については過去の育休コラムもご参考ください。

(→育休中の一大プロジェクト!パートナーとの強力タッグ形成でスムーズに仕事復帰しよう!【その2】

(→林田香織さん(NPO法人FatheringJapan)×エスキャリア対談「育休中こそ”チームわが家”を!」【前編】

 

復帰後も不安が解消しない場合は、ぜひ「変えられるもの」を探してみてください。自分自身の考え方を変えてみるのか、周りの協力を得たいのか、まずは頭の中を整理してみることが大切です。

 

周りの環境を変えるのは簡単なことではありませんが、周囲に「現状」と「今後どうしていきたいのか」を発信し続けていくのは大切です。「どうせ変わらないし…」と諦めずに、「自分が変えていく!」くらいの気持ちで伝えてみてください。

 

続いて、復帰後に想定していなかった新たな不安が出てきたのかも聞いてみました。

 

Q5. 復帰した後、想定していなかった新たな不安はありましたか?

約半数の先輩ワーキングママたちは、復帰後に新たな不安を感じていました。では、どのような不安があるのでしょう。

 

■仕事について

「子どもが熱の時、大変だとは思っていたが想像以上に周りへの配慮など必要だった」

「残業できないプレッシャー」

「勤務時間は短いのに、こなす仕事量は減らないので、成果を出すのが大変」

「時短取得者だったが、残業や持ち帰って仕事をすることが多くなってしまった(中途半端に仕事をするのが嫌。できるなら期待に応えたい。という思いと、子どもともきっちり向き合う時間がほしいというジレンマが招いた結果)」

「残業や持ち帰りが続いた時、疲弊していく自分と、子どもと満足に触れ合えないストレスで、何のために仕事をしているのか、このまま仕事を続けるのが家族にとってよいのかわからなくなってしまったため」

「今まで自分が築き上げてきた地位、キャリアが失われるのではないかという不安」

「2人目のタイミングを気にして、長期プロジェクトに積極的に関わることができなかった」

 

■家族・自分について

「夫がどんどん協力してくれなくなった→正確には自分がやってしまったがために夫がやらなくなった」

「思ったより、子どもと長時間離れることで自分が不安になった」

「汚くなっていく家、子どもたちのご飯の質」

「子どもとの時間が少ないので、習い事等の練習を見ることができない」

「満足するまで全てをする事ができない」

「仕事も家事育児も中途半端で、達成感を得られずこれで良いのかといつも迷っている」

 

思った以上にお子さんの発熱等で仕事を休むことが多い、子どもとの関わり方、仕事と家事育児との両立等で悩むママの声が聞けました。

 

子どもの病気については、育休中の今のうちに夫婦で話し合っておくことをお勧めします。

(→育休中に考えておこう!こんな時どうする?~子どもの病気~

 

また、子どもとの関わり方や家事については過去のコラムもご参照ください。

(→「忙しい」が口癖のワーキングマザーへ ~現状のままで今をもっと楽しむ工夫~

(→育休のうちに真似したい!外国人ママの楽々ディナー

(→ワーキングママの時短術

 

「育休中の今も不安を感じているのに、復帰後はさらに不安を抱えるのかもしれないのか…」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、復帰前に先輩ワーキングママたちのリアルな声が聞けたことを、プラスに捉えていただきたいと思っています。心構えをしておくだけでも充分意味があります。

 

次は復帰後に新たな不安を感じた方を対象に、「育休中にこれをしておけば良かったこと」を質問しました。今すぐ実践できるものがあるかもしれませんよ。

 

Q6. 育休中に「これをしておけば良かった」ことはありますか?

■仕事について

「産休前から、そういう可能性があることを周りに話したり、事情を深く理解してくれるお子さんがいる方を探しておいたりする」

「想定外のことは必ず起こるという心構え」

「自分にとって何を一番に大切にするか、よく自問自答しておけばよかった」

「社外のワーキングママとの交流」

「自分を深く見つめて、方向性を考えること。子どもとの時間が何よりも大切なので、早朝や夜間など、子どもが寝ている時間にやるのがベストだと思います」

「私の仕事では、時短勤務では産休前の能力全開では働けない事、やりたい気持ちと出来ることのジレンマについて経験者に教えてもらいたかった」

 

■家族・自分について

「かかりつけの病院以外にも、近くの小児科の診療時間を調べておくこと」

「復帰を想定して、帰宅時間から就寝までの流れを練習しておけばよかった」

「パートナーとの家事分担」

「夫の料理力向上」

「子どもの成長記録をつけて、フォトブックとして形に残す。上の子とお菓子作りをしたり、ちょっとだけいつもより凝った料理を作ったり、家族で過ごす時間を楽しむ」

「パートナーにワーキングママの苦悩の構造を理解してもらう、家事育児をもっとシェアする、なんでも話せる関係性を作っておくこと」

「不安≠悪いこと」。不安とどう向き合い、どう解消するかが大切

いかがでしたでしょうか。「パートナーと話し合ってみようかな」「自分は何を大切にしているのか、考える時間を作ろうかな」など前向きな気持ちがうまれたのではないでしょうか。

 

先輩ワーキングママたちも、不安を感じたりモヤモヤを抱えたりしながら、復帰されています。自分だけが不安を感じているわけではないこと、復帰後には新たな不安が出てくるかもしれないけど心構えをしておくだけでも充分なこと、一人で抱え込まずに夫婦で話し合いをするのが大切なこと、などアンケートからたくさんの気づきがあったかと思います。

 

不安を感じるのは悪いことではありません。その不安とどう向き合い、どう解消していくのかが大切です。上司の理解が得られず転職したいと思ったり、夫婦喧嘩をしたりすることもあるかもしれません。その一つひとつの経験を通じて、あなたが自分らしく働くために必要なものは何なのか、どんな家庭を築いていきたいのかを明確にしていけたら、不安を感じたり悩んだりした時間は無駄ではなく、貴重な時間だったと言えます。

 

続いて【3/3】では、先輩ワーキングママから育休中ママへ、心温まるメッセージをお伝えいたします!


<アンケート概要>

【アンケート方法】Facebook上で育休経験者を対象にアンケートを実施

【アンケート期間】2017年11月8日〜11月14日

【回答】68名(平均年齢:36歳 ※アンケート当時)


この記事を書いた人

早川愛 さん
大手人材会社の新卒採用領域において、法人営業を経験。結婚を機に退職し、現在はフリーランスとしてキャリアを含めた女性の生き方支援を行う。元気いっぱいな男の子(3歳)と遊ぶのが大好きなワーキングママ。
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