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男性が育休を取るってどうなの?パパのリアルインタビュー③


男性で育児休業を取得する人の割合は、5.14%(2018年5月30日時点 厚生労働省 雇用均等基本調査より)。パパが育休を取るパターンは、まだまだ少数派です。実際に男性で育休を取得した方へのインタビューをお届けする、本シリーズの第3弾です。

これまでのコラム:
男性が育休を取るってどうなの?パパのリアルインタビュー①
男性が育休を取るってどうなの?パパのリアルインタビュー②

 

<岡本直毅さんのプロフィール>

36歳、会社員。フリーランスで働く妻・5歳・3歳のお子さんの4人家族。この7月に、第三子誕生予定。
第二子の出産予定日から8週間と、1歳を迎える直前の2ヶ月間の2回に分けて、育児休業を取得。
※インタビュー後、予定より早く6月に無事第三子がご誕生されました。おめでとうございます!

なぜ、育児休業を取得しようと思われたのでしょうか?

2人目の出産ということで、第一子のお世話や家事に手が必要でした。仕事においては、まとまったお休みを取っても、時々臨時的就業という形で関われば、進行中のプロジェクトに支障をきたさない見通しが確保できたので、踏み切りました。

第一子の時は、妻側の実家で里帰り出産しました。そのため、特にやることがないというのが理由で、取得しませんでした。第二子の時も、近くに住む私の実家のサポートが受けられたので、人手という意味では、必須ではありませんでした。しかし第二子となると、第一子のフォローが大切になります。精神的な支えという意味で、「パパはお姉ちゃんにつきっきり」という状況が作れたのは、良かったと思います。また、通っている幼稚園が自転車で20〜30分程度と離れた場所にあるため、その送り迎えが必要だったことも理由です。

育休を2回に分けて取得されたのは、なぜですか?

1回目は、産後の妻を休養させることが目的で取得しました。妻の体調が落ち着き、家族の生活リズムが整ってきたタイミングで、いったん切り上げました。2回目はいつにするか、決めていませんでした。フリーランスで働く妻の仕事が立て込んだ時期が、第二子が満1歳になる直前と重なったので、その期間に取得しました。

2回に分けて取得できる、ということを私自身知らなかったので、そういう取り方もあるんだ!と驚きました。

(参考:厚生労働省ホームページより)

パパが育休を取得するケースについては、役所の方も知らないようでした。
第二子は予定日より早く産まれたのですが、8週間の育休の起算日を、実際に産まれた日にするのか、予定日にするのかで、終了日が変わってきます。この場合、予定日を起算日とできるのですが、手続きをしてくれた役所の方もわかっておらず、「ここに書いてありますよ」と私から提示し、ようやく理解してもらえました。

現場の職員の方も知らないとは、男性の育休がいかにレアケースかがわかりますね。制度については、いろいろ調べられましたか?

かなり調べましたね。使い勝手が良くないな、と感じる一方で、数年おきに改定が進んでおり、今まさに過渡期だなと感じます。

実際に取得してみて思うことは、
・男性の産前休業もあるといい
・育児休業給付金のルールは改善の余地がある
・総日数から総時間にカウントの単位が変更になったことで、半日休みが取りやすくなった
・出産育児一時金受取代理制度はとても良い
ということです。

男性の産前休業は、第二子以降の出産においては必要だと感じました。女性の場合は、お母さんと赤ちゃんの健康を守ることが目的ですが、男性の場合は、そのサポートですね。赤ちゃんは、予定日通りに産まれるわけではありません。陣痛が始まれば、待ったなしです。入退院のサポート、第一子のフォロー、家事などがいきなり一気に押し寄せるのはなかなか大変だったからこそ、思うことです。

育児休業給付金については、上限金額があり、所得によって支給される額に制限があります。申請から実際に支払われるまでにも、2か月ほど期間が空いたと記憶しています。そのため、ある程度まとまったお金が手元にないと、キャッシュフローが厳しくなります。
かつては「1か月に20日以上休まないと給付対象にならない」というルールでした。その後一部改正され、育休中も一部就労する場合、「労働時間を月間10日以内、もしくは80時間以内に収める」となりました。以前は日数でカウントされておりましたが、平成26年10月から、時間カウントもOKに変わりました。日数だと、1時間でも働いたら1日とカウントされてしまいますが、時間でのカウントであれば柔軟な働き方ができ、助かります。
(参考:厚生労働省ホームページより)
しかし、「奥さんが入院している一週間だけ、育休を取得した」というような場合は、やはり対象外となってしまいます。これでは、男性の育児休業取得はなかなか進まないと思います。

出産育児一時金受取代理制度は、出産に伴う大きな出費を自分たちで負担することなく、健康保険組合と病院の間でやり取りしてもらうことができます。持ち出し分は差額のみというのは、とてもありがたい制度だと思いました。

なるほど!まだ改善の余地がある制度も多いですが、少しずつ使い勝手が良いように変わりつつあるんですね。育休中は、どのように過ごされましたか?

上の子のフォローもありましたが、幼稚園に行っている間は時間が空くので、その間はほぼ家事をやっていました。家事の中でも、主に洗濯ですね。大人2人、乳幼児2人だと、毎日大量の洗濯物が発生します。赤ちゃんのお世話は、あまりしていません。おむつ替えはしましたが、授乳は妻しかできませんし、新生児は寝ている時間が長いので。

家事をやってみて思ったのは、妻なりのルールがある、ということ。どこに何が置いてあるか?洗い物をする時のこだわりは?食器の置き場所は?など、普段妻が家事をする中で最適化されています。だから、急に家事をしようと思っても、わからなかったり、自分にとってはやりづらかったり。短期間の休業だと、そのルールをキャッチアップするだけで終わってしまいます。1度まとまった休業を取って経験しておけば、そのあとが楽だと感じました。その後妻が長期不在にすることもありましたが、何の問題もなく家事をこなすことができました。
2回目に休んだ時は、妻の出張に帯同しました。子どもの面倒を見ながら妻の仕事が終わるのを待ち、仕事の合間に下の子を授乳してもらって、という完全サポートな過ごし方でした。

社内の反応はいかがでしたか?

私が勤める株式会社パーキングマーケットは、2005年設立のベンチャー企業です。新卒採用を始めたのが7年前で、最近結婚や出産を迎える社員が増えてきた折でした。女性の育休取得第一号が出て、男性の第一号が私でした。もともと、周囲に育休取得する予定だと言ってありましたし、会社としても充実させたいという意向があったので、応援してもらえたのはありがたかったですね。その後も、男性で育休取得した事例が2~3例ありました。1か月以上取得した人もいましたよ。

株式会社パーキングマーケットホームページ

岡本さんのように、マネジメントする立場にある人が育休を取得していると、男性も後に続きやすいですね。仕事復帰後は、どのように感じられましたか?

私の場合、完全に仕事から離れるのではなく、時折打ち合わせに顔を出してプロジェクトマネジメントだけ行っていました。クライアントにしてみれば「いるかいないか、よくわからない」という状況だったと思います。復帰後の業務も変わらず、メンバーともお互い違和感なく戻ることができたと思います。

ただ、1年間など長期で離れた場合、組織も仕事も動いているので、必ずしも同じ仕事に戻れるとは限らないですよね。弊社の場合は、慣らしの意味で、復帰直前の2~3か月になると月に数回顔を出してもらい、業務をキャッチアップしてもらっています。それでも、間が空いた分キャリアの断絶感を味わいやすいので、どうバックアップしていくか、会社として今後の課題かなと思っています。

また、効率的な働き方を意識するようになりました。子どもと一緒に過ごしていると、生活時間が前倒しになります。朝からバタバタしているし、遊びに付き合っていると体力が持たなくて、21時には一緒に寝てしまう。限られた時間の中で、どう成果を上げていくかを考えざるを得ない状況になったのは、良い効果だと思います。

3人目のお子さんが生まれるタイミングでは、育休取得されるご予定ですか?

短期で取る予定です。育休というよりは、有給を消費する形にすると思います。今回は、たまたま有給付与制度変更のタイミングと重なり、たくさんある状況なので。
いろんな考え方があると思いますが、私個人としては、男性はまとまって育休を取るより、長期で半日休みを取得できる方がいいんじゃないか、と感じます。少なくとも、産前産後は定時に帰って、子どもと一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったりするだけでも、全然違うと思います。なので、今回も週3回半休にするとか、遅めに出社して早めに退社するなどして、対応したいと思います。子どもが小さいうちは、定時退社を心がけていきたいですね。

これから育児休業を取得しようかと考えている男性に向けて、何かメッセージはありますか?

先ほどお話した通り、多少は金銭的な備えが必要になることは認識しておくといいと思います。
でも、将来的に家事・育児を夫婦で分担していく予定であれば、「“育児休業”といっても、実は家事全般を負担することになる」と思って、しっかり家事と向き合う時間を作ることを強くオススメしたいですね。“育休”という言葉が、逆にハードルを上げているのかもしれません。私にとっては、“子育てのため”というよりは、家族が一人増えるに当たって、家庭全体をうまく回していくための”体制移行期間”、という認識です。家族というチームをどう機能させるか、と考えると、少しとっつきやすくなるかもしれません。

さいごに

「まとまった休みを取るよりも、毎日定時退社できる環境の方がいいのでは」というお考えに触れ、とてもハッとさせられました。負荷の高い産前産後期間のサポートは確かに必要ですが、子育ては日常そのもの。子どもの相手をするだけではなく、こなすべき家事の量も増えます。「ママが大変だから、ヘルプするために育休を取る」というより、「家族が増えたから、チームの体制を変える」という方が、しっくりくると感じました。

また、現在の育休にまつわる諸制度についても、考えさせられることが多くありました。実際の使い勝手については、使ったことがある人でないとわからないもの。「もっとこうした方がいい」「こう変えた方が使いやすい」と発信していくことが、より子育てに優しい社会・環境作りに繋がるのだと実感しました。


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。3歳の娘を抱えるワーキングママ。
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