自分自身と家族のための、産後の心と体のセルフケア


「育休って、もっとのんびりできるものだと思っていたわ」と、思ったことがある方は多いのではないでしょうか。

出産と同時に、24時間休みのない育児が始まります。ちょっとすると、すぐにどうにかなってしまいそうな命を前にして、気の抜けない緊張の日々・・・
産後の女性は、自分のことは二の次、三の次になってしまいます。「自分のことなんかかまっていられないの!」と思うかもしれませんが、実はこの時期こそ、自分も大事にすべき時期といえます。

妊娠により激変する女性のからだ

女性の体が、妊娠によりどれぐらい変化するか知っていますか?
よく、「妊娠は病気ではない」と言われますが、妊娠により女性の体は激変し、かなりのダメージを受けます。どんな変化が起きるのか、代表的な変化が4つを挙げます。

■姿勢の変化

妊娠するとホルモンの影響で関節が緩みます。2つ目とも関係するのですが、筋肉も弱くなるので姿勢が崩れやすくなります。妊娠週数が進むにつれ、胸とお腹が大きくなるので腰が反って、体の重心が前に移動します。そして、その重心を後ろに戻そうとして猫背を強める姿勢になってしまいます。

■筋肉が弱くなる

体調の変化や、安全面への配慮で、運動不足になったり、お腹が大きくなることにより、腹筋や骨盤底筋が引き延ばされて筋力が発揮できなくなります。また、ホルモンの影響で骨盤が緩むので、体を支える筋肉に負担がかかり、腰痛などのトラブルにつながります。

■血液量が増える

赤ちゃんと胎盤、子宮に酸素と栄養を送るために、妊娠32~36週には、妊娠前の約1.4倍の血液がママの体の中を循環します。この変化は、妊娠中の体の最も大きな変化です。血液量が多くなるということは、その分心臓に負担がかかっているということ。また、血液中の水分も多くなるので、体がむくみやすくなります。

■呼吸が浅くなる

大きくなった子宮に圧迫されて、横隔膜は約4cm上がります。また、ホルモンの影響や姿勢の変化で、肋骨が広がり動きが小さくなり、呼吸が浅くなってしまいます。呼吸と自律神経はとても深い関係があるので、呼吸が浅くなるとイライラしやすかったり、疲れやすくなったりしてしまいます。

 

これらの変化に出産が加わると、女性の体へのダメージは言わずもがな。そして多くの場合は、これらのダメージをそのままに、育児が始まってしまいます。

子連れで気軽に参加できる産後アクティビティで、心と体のセルフケア

産後の女性は、意識せずに頑張りすぎていることが多いです。
初めての育児の場合、不安はつきもの。また、二人目以降は、上の子どものお世話も同時進行ですし、ひょっとしたら「一人目の時と違う!」とストレスを感じることがあるかもしれません。

妊娠・出産のダメージへ、育児の不安が加わると、どんどん辛くなってしまいます。辛くなってくると、笑顔も少なくなるし、家族にあたってしまって「そんなつもりじゃないのに」と自己嫌悪になって・・・と、負のスパイラルに陥ってしまいがち。

少しでも育児がしんどいな、と思った方は、1時間でもいいですので、自分の体を動かす時間をとってみましょう。

心って、実は意外と素直なもので、体を動かすと頭がすっきりして、心もリセットできます。
子どもを預けて運動ができるのなら理想的ですが、それが難しい場合は、子連れでいけるママが主役のアクティビティに参加してみてはいかがでしょうか。

最近は、子連れで気軽にいけるヨガやピラティス、ベビーダンス教室が増えてきました。
たとえば、私が主宰する「ママとベビーのヨガ」教室では、1か月健診後からベビー同伴で参加可能です。

レッスン中、ベビーが泣いた場合でも、気にして抱っこしたりする必要はありません。ママがまだ大丈夫と判断する場合は、泣かせたままでもOKです。レッスンでは、ヨガの他に、妊娠・出産によって引き延ばされた骨盤底筋や腹筋をもとに戻すエクササイズで、産後の体をしっかりと回復させていきます。

ヨガよりもう少しハードに体を動かしたい方は、ピラティスやベビーダンスなどもおすすめです。また、NPO法人マドレボニータの「産後ケア教室」も、生後6カ月までのベビーは一緒に参加できるので、しっかりと汗を流したい時にいいですね。

自分と家族の笑顔をふやす産後のセルフケア

産後にエクササイズなどで体をケアすることには、育児疲れを癒すリフレッシュ効果以上のものがあります。

まずは、体力の回復です。

ベビーを抱っこしたり、遊んだり、育児にはかなりの体力が必要です。また、産後、疲れやすくなったと感じる方も多いと思いますが、それは、姿勢の悪化や筋肉が弱くなったことで、体を動かすのに余計なエネルギーがかかっているから。産後のしんどい時期を乗り切るためには、まずは体力(筋肉)を回復させましょう。

仕事へ復帰してからも、すぐにダウンしてしまうのは困りますよね。育休中に、しっかりと体力を回復させることは、復帰してからの自信につながります。

次に、最強の武器「ママの笑顔」をふやすこと。

理想は、いつも笑顔のママだけど、現実はどうでしょう。育児には、イライラすることがつきもの。常にストレスを感じていると笑顔にはなかなかなれません。気がつくと、眉間に深い溝が刻まれている…なんてことも。

自分自身、笑顔でいられると、とても気持ちが楽ですよね。
しかし、何よりもすごいのは、家庭の中でのママの笑顔の影響力です。ママの笑顔は、家族の笑顔の源です。
ママが笑顔になれると、家族の笑顔もどんどんふえて、たくさんの幸せをもたらしてくれるでしょう。

ぜひ、自分にあった産後のアクティビティを見つけてみてください。
自分のためだけではなく、愛する家族のためにも、ぜひ、自分自身をいたわる時間をとってあげてくださいね。


■筆者が府中エリアを中心に開催している“産後の私と向き合うじかん”modera yogaこちらから


この記事を書いた人

山室 智子 さん
(社)日本ママヨガ協会認定 ママとベビーのヨガインストラクター/美ラク抱っこ本部トレーナー
産後の私と向き合うじかん~modera yoga~主催。地方自治体の専門技術職として勤務の後、パートナーの東京転勤に伴い退職。第一子の産後に引きこもりとなった自身の経験をもとに、現在は東京都府中市を中心に、子連れでいけるママが主役のヨガ【ママとベビーのヨガ】、ママは美しくベビーの抱っこは楽になる【美ラク抱っこ】の各講座を開催中。