強みが一目でわかる職務経歴書を書こう



転職する際に絶対に外せない書類といえば、履歴書と職務経歴書です。初めての転職であれば、どう書けばいいか悩む人も多いでしょう。新卒で就職活動をした時のエントリーシートのように、ああでもない、こうでもないと迷ってしまうものです。

今回は、キャリアカウンセラーである筆者が、強みが一目でわかる職務経歴書について解説していきたいと思います。

1. 人事の目に留まりやすい職務経歴書とは?

そもそも職務経歴書は、「いつ・どのくらいの期間・どこで・どのような仕事をしてきたのか」をまとめた書類です。新卒で入社した会社から始まり、今に至るまでの異動歴や転職歴を書き連ねていきます。

しかし、ただ事実を並べるだけで良いというものではありません。職務経歴書は、最初の書類選考の判断材料になると同時に、面接時の参考資料になる大切なものです。人事担当者は、大手企業ならば、毎日数十~百人ほどの書類を受け取り、目を通しています。書類上で興味を持ってもらえなければ、その先に進むことはできません。

それでは、人事担当者はどんなポイントに着目しているのでしょうか。

① 応募要件に合った職務経歴かどうか

② なぜ転職しようとしているのか

③ これまでのスキルや経験を、どのように生かしていきたいか

という3点が、大きなポイントになります。

ここからは、実際にあった事例を用いて解説してみましょう。
未経験OKの広告営業に応募したAさんの事例です。

<Before>

航空会社の客室乗務員として2年、企業の受付として1年勤務したあと、一身上の都合により退職しました。
今後は長く続けられる仕事に就きたいと思い、営業職を希望しています。未経験でも成長できる貴社を志望しております。

これまでの経歴が並んでおり、素直に転職動機と志望動機について述べられている、という印象でした。ですが、これでは説得力に欠け、人事の目に留まるのは難しいと感じました。Aさんとは面談する機会があったので、改めてこれまでの経験を深堀りし、転職にかける思いをヒアリングした結果、概要はこのように変化しました。

<After>

私は、チーム一丸となって目標を達成した経験があります。国内線の客室乗務員として勤務していた頃、機内販売業務において、7か月連続15チーム中1位という成績を収めました。
出張で利用するビジネスマンに、奥様や恋人へのお土産として、女性に人気のある商品を自分自身が実際に使った感想を伝えながら提案したり、お子さんへのお土産として、人気のあるお菓子やおもちゃをお勧めしたり、といった工夫が功を奏しました。また、これらの工夫をチーム全体に共有し、皆で1位を目指す姿勢を作り上げることにも貢献できたと思います。
営業職は未経験ですが、こうした経験が貴社でも生かせるのではないかと考えております。ライフイベントを通じても長く働き続けたいと考えており、営業として力をつけられる貴社を強く志望します。

この2つを読み比べてみて、いかがでしょうか?後者は、営業未経験でも活躍してくれそうだと感じませんか?自分が応募するポジションに対して、応募先企業はどのようなことを求めているのか、どんな経験であれば生かせそうなのかがクリアになったと思います。

実際Aさんは、改善後のエピソードを、職務経歴書の最後ではなく冒頭に持って来た結果、見事内定を獲得されました。

このように、これまでの経験の中から何を学び、次の職場でどのように生かせそうなのか、端的に書いてあるものであれば、人事の目に留まりやすいと言えます。

2.キャリアの棚卸と一緒に自己分析を進めよう

自分のキャリアを振り返ると同時に、それぞれの経験からどんな学びを得て、どのようにできることを増やしていったのか、自己分析をしましょう。特に、進めるのに苦労しつつも成し遂げた案件、関係者が多いプロジェクト、リーダーとして任されたプロジェクトなどは、ターニングポイントとなっている可能性が高く、人事もその話を聞きたがります。プロジェクトの規模や、チームの中での自分の役割と貢献した成果について、しっかり整理しておきましょう。

また、周囲から「あなたはこういう人」と評価された言葉についても、振り返ってみましょう。例えば、「自分では当たり前だと思うことをしていただけだったが、 『仕事が丁寧だね』と褒められた」「『周囲の人を巻き込むのが上手だね』『あなたに頼まれるとつい、うんと返事をしてしまう』などとよく言われる」といった評価は、主観が入らない分、信憑性があります。

ただ、その言葉をそのまま伝えるだけでは弱いので、

・なぜ、そのような評価を受けることができたと思うか

・自分としては、仕事を進める上で何を大事にしているか

といったところまで、洞察しておくと良いと思います。

社会人としての自分の強み・弱みの傾向、指向性がわかってきたら、その内容を職務経歴書に反映していきましょう。
「自分一人では、なかなか作業が進まない…」という場合は、ぜひエスキャリアのマイ・カウンセラーをご活用ください。一緒に整理して、転職活動をスムーズに進めるよう、お手伝いできると思います。お気軽にご相談ください。

3.企業のニーズについて理解しよう

強みをわかりやすく伝えるには、自分自身についてきちんと理解することに加え、企業側のニーズについても把握することが必要です。キャリアカウンセラーをしていると、一方的に自分の強みを伝えようとする人が多い印象を受けます。

わかりやすく恋愛に例えると、「あなたのことはよく知りません。でも私にはこんな良い所があるんです!付き合った方がお得ですよ」と言っているようなもの。これでは、なかなか相手の心には響きません。

一方で、「あなたが相手に求めていることは、こういうことですよね。私ならできます。相性が良いと思うので、お付き合いしませんか?」というアプローチであれば、どうでしょう。もうちょっと相手のことを知ってみようかな、と思いませんか?

一方的なゴリ押しにならないよう、相手のニーズをしっかりと汲み取っていきましょう。

企業が求職者に求めていることを汲み取るには、

・会社説明会に参加する(実施がある場合)

・求人票を読み込み、求める人物像や具体的な仕事内容について理解する

・ホームページや活躍している先輩社員のインタビューなどを読み、具体的な仕事内容や社風について理解する

・経営3か年計画や決算短信などを読み、企業のこれからの方向性を理解する(公開されている場合)

・その企業に勤務している人に話を聞く

・転職エージェントに話を聞く(エージェントを介する場合)

といった手段があります。

このように集めた情報の中から、「こういうお仕事ならば、こういう力が求められるのではないか」「数年後にこういう世界観を目指しているならば、今後はこういう人を求めているのではないか」といったことを予想します。そして、その予想に沿って、アピールすべきポイントを絞っていいきます。最後に、その想定が正しいかどうか、選考を通じて確かめてください。面接の最後に質問するのも良いと思います。

こうした想定がある人とない人では、職務経歴書のシャープさが全然違います。想定が多少ずれていたとしても、相互コミュニケーションを通じて解消すればいいですし、「ここまでうちの会社に興味を持って調べてくれているんだな」と好印象を残すことができるはずです。

いかがでしたか?
転職活動は、あまり慣れていない、現職の業務と並行して行われる、といった理由で、大変に感じるかもしれません。ですが、筆者がキャリアカウンセラーとして尊敬する師匠は、「本来、仕事選びは楽しいもの。だって、自分の可能性が広がっていくんだから」と言っていました。

転職活動中に少し疲れてしまった時は、ぜひこの言葉を思い出してみてくださいね。
皆さんお一人おひとりが納得のいく転職活動ができることを、心より応援しています!


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。3歳の娘を抱えるワーキングママ。