人生100年時代! 今からでも遅くない、40代からのキャリアについて考える(1)


「人生100年時代」最近、こんな言葉をよく耳にします。
少し前まで、「人生80年」と言われていましたが、いつの間にか20年も延びていることに、驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

人生100年時代の到来

これは、ロンドン・ビジネススクールの教授 リンダ・グラットン氏が、著書「LIFE SHIFT」の中で、世界の平均寿命は10年に2~3歳のペースで延びており、このままいけば、2007年に先進国で生まれた子どもたちの約半数が100歳以上まで生きることを指摘。そんな時代に「我々はどう生きていくか?」を問いかけ、全世界で大きな注目を浴びた言葉です。
日本でもベストセラーになりましたから、読まれた方も多いのではないでしょうか?

実際、日本では、1963年にはわずか153人だった100歳以上の人口も、今や約6万8千人に急増(厚労省プレスリリースより)し、100歳まで生きる事もそれ程珍しいことではなくなってきています。2017年9月には、内閣総理大臣を議長とした、「人生100年時代構想推進室」なるものも発足、世の中は、「人生100年」を前提に考える時代に着実にシフトしてきています。

そして、そうなると当然出てくるのが、「長く生きる分、長く働かなければいけない」という問題です。現在65歳まで義務付けられている雇用延長も、そう遠くない将来に70歳に延長されると考えられます。

つまり、今40歳の人はこれから更に30年、今まで働いてきた期間の倍近くを働き続けるということになります。マラソンで言うなら、まだ往路、折り返し地点すら見えていないということです。

40代以上からのご相談の増加

筆者がカウンセラーとして参画しているエスキャリアのカウンセリングサービス(マイ・カウンセラー)には、ここ最近40代以上の方からのご相談が着実に増えてきている実感があります。

マイ・カウンセラーには、多くの女性からキャリアや生き方、働き方に関する様々なご相談が寄せられております。そのうちの約70%は30代からのご相談なのですが、実は40代以上からのご相談も11.2%と決して少なくなく、中には50代の方からのご相談もあります。(コラム「ユーザーアンケート」

実際40代の方からいただいたご相談内容(一部)
・仕事が好きで働いてきたが、体力的にきつくなり、ふと、いつまで続けられるのか考えて
 しまった
・合併により、会社の雰囲気も仕事も変わり、居場所がない感じがしてこの先が不安だ
・経験と実績を買われ管理職になったものの、何となく行き詰まりを感じている
・会社の女性活躍推進により、期待値が急に変わり、戸惑いをとプレッシャーを感じている
・バブル崩壊のあおりを受け就活に失敗、キャリアを積めないまま今に至ってしまった
・このまま定年まで今の会社で働き続けることが想像できないが、かといって転職の勇気も
 でない

皆さん置かれている状況も、悩みもそれぞれですが、共通してよく聞く言葉があります。
それは、
「この年齢でキャリアについて考えるなんて遅い…」
「もっと早くに気付くべきだった…」
「今さら無理なのは分かっている…」
といったものです。

キャリアに悩んだり、キャリアを考えたりするには、「年齢的に遅い」と思われている方が多いのです。

本当に、40歳を過ぎてキャリアを考えるのは遅いのでしょうか?

40代は迷って当然?

孔子の有名な言葉で、『40にして惑わず』(不惑)という言葉があります。
筆者がこの言葉を知った高校生の頃は、「40歳にもなって迷うはずがない」と思っていました。しかし実際は、40歳を過ぎた今もなお、迷うことは沢山ありますし、むしろ増えている気すらします。

もちろん、寿命が延びた分、孔子の時代の40代と今の40代は違うということもあるとは思いますが、それでも高校時代に思い描いていた40代と、現実の40代が大分違うことに愕然とします。

一方で、心理学者のユングは、人生を太陽にたとえ、30代までは太陽が昇るように色々なものを吸収、成長していくのに対し、40代は日没(=人生の終盤)に向かう人生の転換期で、これからの人生をどう生きるかを自問自答し、「迷う」時期だと言い、40歳を『人生の午後』と表現しました。

また、同じく心理学者のレビンソンは、40代は漠然とした人生への幻滅感や停滞感、圧迫感、焦燥感を感じる人生の「過渡期・転換期」だとし、『中年の危機』と称しました。
『人生の午後』と『中年の危機』、どちらでも共通しているのは、40歳(40代)は「迷う」時期で、ある意味「迷って当然」だということです。
こう言われると、何だかほっとしませんか?

さらにユングもレビンソンも、この時期をいかに乗り越えるかで、後半の人生をより良く生きることができる、と言っています。つまり、迷って乗り越えるからこそ、次の新たな人生が開ける、というわけです。

こう考えると、40代でキャリアに悩むのはある意味必然であり、むしろ迷うからこそ、後半の人生が豊かになるということなのかもしれません。

ところで、先ほどの孔子の『不惑』には、実は別の説があるのをご存知でしょうか?
それは、『不』は本当は『不』で、「区切る」という意味の『或』に「不」がついていることで、「自らの限界を“ここまで”と区切らずに、新しいことにチャレンジしなさい」と言っている、という説です。
つまり、「40歳は新たな挑戦の年」だと言っているということです。

もしこの解釈が正しければ、ユングやレビンソン同様に、孔子も、次の新たなステージに向かう年として40歳を位置付けていたと言うことになります。

真偽のほどは分かりませが、そう考えた方が何かしっくりきますし、そうであってほしいと思うのは筆者だけではないのではないでしょうか。

迷いを感じたら…

40代は時代を問わず、多くの人にとっての何らかの「転換期」であることが多いようです。「迷って当然」ですが、この「迷い」をどう乗り越えるかも大事です。
もし、「迷い」を感じたら、一度キャリアカウンセラー(マイ・カウンセラー)に相談してみるのも1つの方法です。
新たな一歩が見つかるかもしれません。

次回は、実際にマイ・カウンセラーに寄せられた40代の方からのご相談について、いくつかご紹介していきたいと思います。


この記事を書いた人

上杉麻里 さん
キャリアカウンセラー
大学卒業後、不動産会社の人事としてキャリアをスタート。以降、日系・外資系のコンサルティングファームや消費財等、多様な業界に勤務。30代前半に留学によりキャリアを中断、その後派遣や契約社員等を経て、30代半ばで管理職となるなど、様々な働き方や立場を経験。現在は、働く女性を中心としたキャリアカウンセリングや人事制度コンサル、研修等を行う。