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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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自身の専門的キャリアや得意を生かしながら、子どもと一緒に学べる英会話教室を。

美容師からアイリストへ転身、結婚・出産を経て、現在はまつ毛サロン、幼児向け英語教室の運営、エスキャリア・ライフエージェンシーにて経理業務を請け負う白川さん。3足のわらじを履く白川さんが描く今後のキャリアとは。お話を伺いました。

アメリカでの生活で、美容師を目指す

駐在員の父と専業主婦の母、歳のはなれた兄2人の5人家族として、アメリカのニューヨークで生まれました。兄2人と一緒に遊ぶことが多く、活発な女の子でした。日本文化に触れてほしいという両親の思いから、4歳から剣道を始め、中学生まで続けました。

近所にある区立の小・中学校に進学し、学校生活はもちろん、家族との会話も英語という生活をしていました。クラスには様々な人種の生徒がいて、多様な価値観に触れました。アジア人として偏見の目で見られることもなかったわけではないですが、いじめなどはなく、みながそれぞれを認め合っていましたね。様々な国の友人との学校生活は毎日とても楽しかったです。

中学生になってからは、平日は区立の中学に通い、土曜に日本の科目を勉強するための日本人学校の補習校に通い始めました。日本人なのに日本語が話せないことを心配し、いずれ日本に行くことになっても困らないように、という両親からの強い勧めでした。日本にいくことなど考えもしなかったので、授業が苦痛でしたね。

地元の高校に進学し、陸上部に入部しました。もともと走るのが好きで得意だったのと、友人も作りたくて。通っていた高校は、大学のように自由に授業を選び、スケジュールを組めたので、授業、部活、アルバイトの予定を組み、毎日充実した高校生活をしていました。

兄が美容師をしていた影響からか、「人を美しくさせたい、喜ばせたい、自分をもっと好きになってもらいたい」という思いが強く、美容師になりたいと思いました。そして、15歳で美容院の受付のアルバイトを始めました。

そこで働いていた日本人の美容師さんから、「日本人の方が器用だし、日本の美容院もおすすめだよ」と言われました。いずれ日本の専門学校に行く可能性もあるのかも、と感じ、それからは補習校での勉強をがんばるようになりました。

美容室でのアルバイトに加えて、後輩に勉強を教える家庭教師のアルバイトもしていました。人とコミュニケーションをとり、その人の役に立っていることが実感できることに、とてもやりがいを感じていました。

高校卒業後、美容師になるための道を考えました。ニューヨークの美容専門学校にいくか、日本の美容専門学校にいくか、とても悩みました。美容師をしている兄は、日本の専門学校に行き、とても楽しそうでした。日本に興味があり、住んでみたいとも思っていたので、2年間の学生生活だけでも日本に住めたらと、日本の専門学校にいくことを決めました。

戸惑いの多い日本生活、念願の美容師になるも挫折

生まれて初めての日本での生活は戸惑いばかりで、すぐに帰りたいと思いました。日本語だらけの生活の中で、日本語に酔ってしまいましたね。授業についていくのも必死でした。

日本語の勉強に加えて、専門的な授業は覚えることも多く、とても大変でしたが、美容師になるという目標に向けて努力している友人にも恵まれ、ともにがんばっていました。負けず嫌いなので、絶対あきらめたくない、と必死で猛勉強しました。そして国家試験に合格することができました。

専門学校卒業後はニューヨークに帰ることも考えましたが、卒業してすぐニューヨークの美容院で働くのは難しい現実がありました。まずは日本の美容院で経験を積んでからでもよいのではないか、と思い、日本に残ることを決めました。英語が使えるので、都内でも外国人が多い地域の美容院をいくつか受け、内定をいただいた個人経営の美容院に就職を決めました。

アシスタントとしてフロア掃除やお客様のシャンプーなど営業終了時間まで働き、そのあと練習の日々が始まりました。お客様一人ひとりの髪質の違いに驚き、覚えることもたくさんあって、毎日とても忙しかったです。

ですが、毎日のシャンプーにより、手のひらまでひび割れしてしまいました。それがきっかけで、精神的にもつらくなってしまいました。このまま美容師として働き続けるのは無理だと思い、就職して1年弱で美容院の退職を決めました。それでも、違った形で美容にかかわる仕事をしていきたいと思っていました。

アイリストとして夢中で働く日々

美容関連の求人で、まつ毛サロンでのまつ毛エクステンションの施術を行うアイリストの求人を見つけました。まだお店が少なく、アメリカにもないだろうと思い、いつかアメリカでお店を開くのもいいかなとも考え、アイリストを目指すことを決めました。

一からまつげの勉強を始め、3か月ほどでアイリストとして施術を行うようになりました。丁寧な接客を心がけたことで、指名客がつくようになり、売上が伸びました。成果が認められ、入社して1年で店長に就任しました。

そして、お客様を担当することに加えて、スタッフの育成やマネジメントも行うようになりました。店長になって半年後には、5店舗を統括するエリア統括マネージャーに昇進しました。

アイリストとして接客、自店の店長としてのマネジメント、エリアマネージャーとして店舗の売り上げ管理など、仕事が多岐にわたり、残業・休日出勤は当たり前で、とにかくがむしゃらに働きました。

リーダーとして、時には厳しくしなければならず、後輩から影で「怖い」と言われることもあり、辛かったですね。でもお互い分かり合えるように、夜遅くまで働いた後でも、後輩たちを食事に誘うなどして積極的にコミュニケーションをとるようにしていました。

入社して5年目で、結婚、妊娠しました。これをきっかけにライフスタイルを見直したいと思うようになりました。毎日とても忙しかったので、産後この働き方を続けるのは無理かもしれないと思ったんです。

アイリストの仕事は好きだったので、続けたいと思っていました。売上管理などの事務作業も得意でしたが、もともとお客さんと接する方が自分らしく、そちらが自分にはあっているなと思っていたので、自分でサロンを開いてもいいかなと考えました。

また、知人の紹介で、現エスキャリア・ライフエージェンシー代表の城さんにお客様として出会いました。施術をしながらこれからのキャリアについて話しました。「エスキャリアで在宅でできる仕事もあるよ」と教えてくださり、いつか何かお手伝いできることがあれば、ぜひお願いしたい、と思いました。

店長になって、経営からマネジメントまで一通り学ぶことができましたし、悔いはないという気持ちでした。出産ギリギリまで働き、退職しました。

子どもと常に一緒にいながら、仕事をする

産後2か月くらいから、自宅で、親しい友人のまつ毛施術や友人の子どものヘアカットを始めました。赤ちゃんの寝ているそばで仕事をするのは、より緊張しましたね。泣いたらどうしようと、友人であってもお客様なので、迷惑にならないよう、より気合が入りました。

娘が8か月になり、育児と仕事の両立に少しずつ慣れてきました。娘の預け先はないけれど、娘がお昼寝する時間や寝かしつけた後など、時間はあって、もう少し仕事がしたいなと思うようになりました。そしてエスキャリアから、在宅でできるお仕事を紹介していただきました。

大手人材会社で業務を行うメンバーを取りまとめる、プロジェクトマネージャーの仕事でした。事務スキルやマネジメント経験があるとはいえ、今までとは全く業界が違ったので、最初は不安でした。また在宅勤務なので、メンバーとのやりとりは基本的に文章のみ。日本語があまり得意ではないので、コミュニケーションの難しさを感じました。

ただ、ある時期から意識して、直接メンバーに会う機会をつくったことで、距離がぐんと縮まり、コミュニケーションが活発になりました。

子どもを見ながらの仕事は大変だと思うこともありましたが、1日の計画をしっかりたてて、メリハリをつけて行動することができるようになりました。また、緊急のことも、対応できるときは自分で対応し、できないときは人にお願いする、ということも心がけていました。

娘が1歳になった頃、幼児英語講師の資格を取得し、親子で学べる英語教室を始めました。子どもが生まれたら、自分の海外経験を生かし、自分の子やその周りの子どもに英語を教えたいと思っていたんです。地域の社会福祉協議会に所属し、その活動を始めました。

その後、第二子を妊娠しました。体調をみながら、アイリスト、プロジェクトマネージャー、英語講師を出産直前まで続けました。

第二子を出産後、3か月ほどで英語教室と自宅でのまつげサロンを再開しました。そして、娘の幼稚園入園が決まった昨年の12月から、前職での事務経験を活かし、エスキャリア・ライフエージェンシーの経理業務を業務委託で受け始めました。

英語教室を本格的に運営していきたい

現在も、息子を自宅保育しながら、アイリスト、英語講師、経理の仕事をしています。息子が成長とともに活発になり、自宅保育しながらの業務が難しいときは、ファミリーサポートを利用しています。

英語教室は、今年からはフリーの状態になりました。運営面もしっかり行い、たくさんの生徒さんが楽しく英語を学べる場をつくっていきたいと思っています。今後は子ども向けの英語教室をもっと本格的にやっていきたいので、子どもがもう少し大きくなったら英会話教室に就職しノウハウを学んでみたいなと思っています。

アイリストとして、お客様の想いをヒアリングし、お客様にあった提案をしてきた経験を美容以外のお仕事にも生かして、お客様を大切に思う気持ちを忘れず、仕事していきたいですね。

息子が幼稚園に入るまでは、ファミリーサポートをうまく利用しながら、子どもとの時間も大切にしたいです。英語講師も、アイリストも、経理のお仕事もどれも好きで続けていきたいと思いますが、子どもの成長やライフスタイルの変化に合わせて柔軟にそのバランスを考えていけたらいいなと思っています。


白川 まりな さん
20代後半 / サロン運営(幼児英語講師/アイリスト)

ニューヨーク育ち。高校卒業後、日本へ帰国。美容師を目指し美容専門学校へ入学、美容室勤務を経てまつ毛サロンに転職し、店長・エリア統括を務める。結婚、出産を機に退職。現在はヘア・アイラッシュ・親子で学べる英語教室のサロン運営をしながら、エスキャリアライフエージェンシー・エスキッチン事業の経理業務にも携わっている。

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