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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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ご縁を大切に紡ぎながら、キャリア支援の仕事を続けていきたい。

システムエンジニアとして経験を積まれた後、人材業界に転職され、ご結婚後はキャリアカウンセラーとしてキャリアを積む松井さん。ご縁を大切に紡いで歩んできた彼女のキャリアについて、お話を伺いました。

英語を学ぶ楽しさを知る

福岡県の自然豊かな田舎で一人っ子として生まれました。人見知りが激しく、隣の席の男の子に意地悪されても言い返せないくらいおとなしい子でした。

小学生の頃は先生に褒められたくて、勉強もがんばり、優等生でした。母の友人の娘さんが空港のグランドスタッフをしていると聞き、漠然とその仕事に興味を持ちました。高学年からは英語教室に通い始めました。英語を話せるようになりたい、英語が使えたら世界が広がるんじゃないかと、わくわくしながら楽しく通っていました。

中学生になっても勉強をがんばりました。成績もよかったので、高校は通学圏内で1番の進学校に進みました。

学力には自信がありましたが、入学してみると周りには自分よりできる人がたくさんいると気づき、とても落ち込みました。そこで勉強への情熱が少し冷めてしまいました。しかし、知人が通っていた私立大学で大好きな英語の勉強ができると知り、その大学に強く憧れ、その大学への進学を目標に再び勉強に力を入れました。とにかくその大学に入ることが目標で、その先は考えていませんでした。

高校時代は友人に誘われラグビー部のマネージャーもやっていました。入部当初は部員が足りないような状況でしたが、卒業時には部員が増え活気のあるクラブになりました。その過程を見ながら部員をサポートするのは楽しく、自分は人のサポートが好きなんだなと感じました。

目標にしていた大学の外国語学科を受験し、無事合格しました。私立大学に行くことも一人暮らしすることも父に猛反対されましたが、どうにか説得に成功し、念願の一人暮らしを始めました。家では門限が厳しかったので、親元を離れて自由になれた気がして、楽しくて仕方なかったですね。

入学後はアイスホッケー愛好会のマネージャーになりました。高校時代のマネージャー経験が楽しく、またやりたいと思ったんです。サークル以外にも、アルバイト、ゼミと毎日忙しくしていました。

ゼミの先生がとても楽しい方で、英語がさらに好きになりました。4年生のとき提出したゼミ論文が、ゼミ内で1位の評価をもらえたことで、英語に自信を持てるようになりました。

就職活動はなんとなく英語が生かせそうな旅行業界をみていました。しかし、他に軸はなく、さまよっていました。

大手IT企業に内定した先輩との交流会に参加する機会があり、そこで初めてシステムエンジニアという仕事を知りました。就職氷河期でしたが、IT業界は文系にも採用枠が多く、勢いを感じました。「これだ!」と直感的に思い、IT企業をメインに就職活動を行い、システムエンジニアとして内定をいただいた会社に就職を決めました。

システムエンジニアとしての限界

研修後の配属で第二希望として書いていた千葉の支社に配属が決まりました。2年目にいきなり同期3人だけでプロジェクトを任されました。タイトなスケジュールで、とにかく膨大な仕事量でした。お客様の会社に常駐していたので、質問したりアドバイスをもらったりできる上司や先輩がおらず、わからないながらも必死で業務を行っていました。

当初はお客様からも不安がられ、プレッシャーに常に追い詰められていましたね。深夜まで働いて寝に帰り、数時間寝てまた出勤するような生活をしていました。

無事そのプロジェクトを成功させることができ、会社にもお客様にも評価され、それが自信になりました。その後、いくつかプロジェクトを担当しました。最初はただお客様の意向に沿うだけだったのが、だんだん提案もできるようになったことでやりがいも感じられ、夢中で仕事をしていました。

入社して5年が経ち、業務がひと通りできるようになったなと実感しました。が、IT業界ではどんどん新しい情報を吸収していかなければならず、私自身が興味を持ち続けられるか疑問に思うようになりました。そんな思いで仕事を続けられる程甘い業界ではない、これ以上は無理かもしれないと思ったんです。

また、システムエンジニアの仕事はエンドユーザーの反応がわかりづらいことに、モヤモヤした気持ちがありました。もっとお客様からのダイレクトな反応がみえる、イメージの湧きやすい仕事がしたいと思いました。英語を使うことにも未練があり、転職を考えはじめました。

挫折をきっかけに出会った「キャリアカウンセラー」という仕事

人材紹介会社から紹介されるがままに面接を受け、語学関連会社の人材部に派遣コーディネーターとして転職が決まりました。

人材業界は初めてでしたが、人材業界に入ったという自覚はなく、人材部が何をするのかさえわかっていませんでした。とにかく英語に関わる仕事ができることにワクワクしていましたね。

派遣コーディネーターとしての業務を一から覚えました。前職ではパソコンと向き合うことがメインで、電話応対もろくにしたことがなかったので、最初は登録者に電話一本するのにもとても緊張しました。

だんだん業務にも慣れていき、案件を受注できたり、マッチングのスピードと質があがり、企業にも派遣社員の方にも喜ばれたりすることにとてもやりがいを感じるようになりました。

一方、英語に関しては、通訳や翻訳者という英語のプロでありながら、それでも語学の勉強を続けているプロフェッショナルな方たちを目の当たりにし、あっさりと挫折しました。自分のレベルも、英語を使う仕事というのがどんなものなのかということもあまり分かっていなかったのだと痛感しました。でもそれをきっかけに、私はその方たちの「キャリア」をサポートしたいと思うようになりました。

職場にいた派遣コーディネーターは誰もキャリアに関する資格を持っておらず、派遣登録の面談のやり方もこれでよいのか、疑問を持つようになりました。メンバーの1人からキャリアカウンセラーの資格試験を受けようと誘われ、みんなで勉強し、受験。その後、無事合格しました。

転職して2年目、結婚の話が出てきました。その頃は、キャリアカウンセラーの資格試験で勉強したことが仕事にも生かされ、充実していました。一方で、残業も多く、日々の生活に疲れを感じていました。資格の勉強をしたことで、もっとキャリアカウンセリングの仕事がしてみたいと思うようになり、結婚を機に退職を決めました。

キャリアカウンセラーとして働き始める

結婚後は半年ほど専業主婦でした。毎日何をしてよいか分からず、社会との繋がりがなくなったようで孤独を感じ、就職活動にむけての情報収集を始めました。

雇用保険手続きのために行ったハローワークで、キャリアカウンセラーの資格を持つ私の経歴に興味を持ってくださった担当者の方が声をかけてくれて、非常勤職員としてハローワークで働かせていただけることになりました。

仕事を紹介する相談業務を行いながら、離職に伴う住宅喪失者の支援担当として、国の施策や制度の案内や就職支援をしていました。「派遣村」や「派遣切り」が取りざたされていたときで、1日中その対応をしていたこともありましたね。キャリアカウンセラーとして仕事ができる喜びを感じる一方で、連日、辛い状況の方の話を聞き、自分自身も気持ちが塞ぐこともありました。

その後、第一子を妊娠しました。まだ非常勤職員の産育休の制度が整っておらず、辞めるしか選択肢がありませんでした。産後は育児で充実した日々を送っていましたが、2年ほど経ち、そろそろ働きたいなと思いはじめました。

キャリアカウンセラーの協会から送られてくる仕事紹介のメールをチェックしていたところ、就職フェアでのキャリアカウンセラーの募集を見つけました。月数回の単発イベントだったらできるかも!と応募し、一時保育を利用しながら、1年半ほど稼働しました。

その会場で出会ったキャリアカウンセラーの方は、経験豊富でありながら常に知識を深め、とても尊敬できる素敵な方々でした。ただ与えられた仕事をやるだけで精一杯だった私にとって、自分のキャリアカウンセラーとしての意識や姿勢を考え直すきっかけになりました。

その後まもなく、第二子を妊娠し、再び育児に専念することにしました。

エスキャリアとの出会い

産後しばらくしてまた仕事を再開したいと情報収集を始めました。キャリアカウンセリングの仕事がしたくてネット検索をしていたのですが、継続的な仕事が多く、一時保育では賄いきれない現実がありました。

都心まで時間のかかる郊外に住んでいることもあり、キャリアカウンセリングの仕事をするのは無理かもしれないとあきらめかけた時に、ネット検索でエスキャリアを知り、パートナーへの応募面談を受けさせていただきました。

岡本さんとの面談で、「お仕事を紹介できると思います」と言われて、道が開けたような気持ちでした。すごく嬉しかったですね。ブランクもありましたし、自信を失っていた時期だったので、感動して泣きそうでした。

最初は事務系の単発業務をいくつか担当しました。事務作業も得意だったので、何でもやります!という気持ちで引き受けました。

その中の1つに、とある大学教授の講演のテープ起こし業務がありました。作業しながらその内容が面白く、興味を持ちました。後日、巡り巡ってその教授にお会いすることがあったんです。ご縁やチャレンジ精神の大切さを実感しましたね。

それから、海外企業にインターンをする学生のカウンセリングや、派遣スタッフのメールカウンセリングにも従事しました。成果を求められる大変さもありましたが、キャリアカウンセラーとしての経験を積むことができたと感じました。

ご縁を大切に、できる仕事に全力で挑む

現在もフリーランスのキャリアカウンセラーとして、エスキャリアにて企業の採用支援業務や研修のサポート業務などを行っています。

上の子が小学校に入ったばかりで、その環境の変化が大変だなと感じている真っ最中なので、しばらくは子どもに寄り添いながら在宅でのお仕事を続けていきたいなと思っています。

キャリアカウンセリングの仕事も人事事務の仕事も好きなので、いただける仕事をできる範囲でしっかりやっていきたいと思っています。エスキャリアのキャリアカウンセリングサービス「マイ・カウンセラー」のチャットカウンセリングも担当し、キャリアに関するコラムのライターにも挑戦する予定です。

私のように、行き当たりばったりでキャリアの選択をしている人や選択に悩む多くの人に、キャリアカウンセリングというものを知ってもらいたいですね。1人で悩んだり、もやもやしたり、身動きがとれなくなったりしているその状況を、キャリアカウンセリングを通して、自分の力で変えていけることを実感してもらいたいです。

今までの人生、ご縁に助けられてきたなと感じるので、これからもご縁を大切に生きていきたいなと思います。


松井 美佳 さん
30代後半 / キャリアカウンセラー

大学卒業後、システムエンジニアとして勤務。その後、語学関連会社に転職し、通訳・翻訳者の人材派遣コーディネーターを担当。結婚とともに退職し、キャリアカウンセラー資格を取得後は、行政機関にて職業相談を行う。妊娠とともに退職、出産後、フリーのキャリアカウンセラーとしてエスキャリアに参画。

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