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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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居場所のリアルを見ての気づき。自らの人生を選択・行動できるサポートをしたい。

キャリアコンサルタントへの道を歩みだしたばかりの織田さん。キャリアコンサルタントを目指すきっかけになった出来事と、そこで芽生えた想いとは。お話を伺いました。

家庭・学校の外で、自分らしくいられた場所

神奈川県で生まれ育ちました。母は教育熱心で、いろいろな体験をさせてくれました。母の知り合いに勉強を教わったり、ピアノ・水泳などの習い事をしたり、ボーイスカウトに参加したり、忙しかったです。学ぶ楽しさを知り、物怖じせずに新しいことに挑戦するようになりました。

小学校では、友達が多く、男勝りでした。海外について書かれた本が好きで、海外に興味を持っていました。

家ではムードメーカーになろうと頑張っていましたね。7歳上の兄が反抗期で、父は仕事が忙しく、母も体の不調があり、家の中が荒れているように感じていたんです。負担をかけないよう、いい子になろうとしていました。兄の反抗期が終わると、母の目は兄に向いたように感じ、頑張ったけど一番好きなのは兄なんだ…と落ち込みました。

兄に倣って中学受験をして、中学から大学までの私立の一貫校に入学すると、小学校と異なり世界が広く感じました。最初は孤立してしまい、「こんなはずじゃなかったのに」と思いながら、おとなしく過ごしました。外見で男子からからかわれることが多く、自信もなくしました。学校には行っていましたが、初めて壁にぶつかりましたね。中学3年生の終わり頃には、大学は内部進学をせず、外に出たいと思うようになりました。

高校では勉強を頑張りました。予備校では友達もたくさんでき、スタッフさんもいつも元気に笑顔で温かく見守ってサポートしてくれたので、受け入れてくれる安心感を覚えました。予備校は、家庭にも学校にも居場所がなかった私が、自分らしくいられる場所でした。

国際社会を舞台に英語を使ってグローバルに活躍することに興味がありましたが、予備校のスタッフさんと面談する中で、ある私立大学の、一つの問題を解決するためにあらゆる分野からアプローチできる、分野を横断した学際的な考え方に惹かれました。3年間すごく勉強して、やっとその大学に合格することができました。

居場所の裏側を見て感じた、強い違和感

大学に入ると、世界は広いなと感じました。たくさん勉強して入学したけれど、世の中にはずば抜けて頭の良い人がいっぱいいることを知りました。

大学1年生から、高校時代に通っていた予備校で、チューターとしてアルバイトを始めました。すると、私に居場所を与えてくれたキラキラした場所の裏側には、スタッフの長時間労働や、スタッフ間の確執などがあることを知りました。とても幸せには見えず、ショックでしたね。「なぜたくさんの人に幸せを与えられる場所なのに、そこで働いている人たちは幸せそうじゃないんだろう」と強い違和感を覚えました。

それから、働くことや組織に関心を持つようになり、ゼミで組織論やキャリア開発論を学ぶことを決めました。労働基準法や、働く人をとりまく問題、どういった仕組みが必要なのかを学びました。ある時、ゼミの先生の知り合いというキャリアアドバイザーの人が講演に来てくれて、こういう仕事もあるんだと知りました。

将来はキャリアコンサルタントに近い仕事をしたいと思いました。ゼミでの学びから、企業内のキャリア支援の必要性を感じていましたし、アルバイトで高校生と関わり「高校生ってこんなに成長するんだ」と肌で感じて感動したので、中高生向けのキャリア教育にも携わりたいと考えていました。

でも、人の悩みを聞いてサポートするには、人生の豊かさ、修羅場の経験、引き出しの多さや懐の深さが大事なんだろうなと思いました。そのため、すぐにキャリアコンサルタントになろうとは思わず、3年生の秋から始めた就職活動では、自分を鍛えられる場所に行きたいと、業種・職種問わず、人材育成に力を入れている会社を探しました。

最終的に、教育体制がしっかりしている会社の中で、最初に内定をいただいたアパレル会社に入社しました。

カウンセリングで人が変わることを身をもって知る

神奈川県の、全国の中でも大きな店舗に配属されました。アルバイトの基本業務から、売上・在庫管理、人件費の管理まで、半年で店長になる目標に向けて頑張りました。

でも働きすぎて体がもちませんでした。頑張りたいという気持ちはあるのに、体がボロボロで出勤できなくなったんです。それで1年経たずに退職しました。

しばらく休んで元気になった後、人材紹介会社に登録しました。面談をしてもらった時、その会社やグループ会社を紹介してもらいました。新卒の就職活動の際に入りたいと思っていた会社の1つで、成長できそうだと思ったので、契約社員として入社しました。

人材紹介会社では、中途採用のスカウト業務を担当しました。いろいろな業種・職種を知ることができておもしろく、経営者に近い人に会えて勉強にもなりました。また、最初は怒られることもありましたし、厳しさはありましたが、飲み会に連れて行ってくれたり声をかけてくれたりする面倒見の良い方が多く、良い会社だと思いました。仕事でもプライベートでも尊敬できる上司もでき、会社がすごく好きでした。

しかし、25歳頃、人とのコミュニケーションが上手くいかず、自責の念が強くなり、気持ちが沈むようになりました。会社が原因ではなく、幼少期から少しずつ積もり積もった自信のなさや自分に対するマイナスの認識が、たまたまこの時爆発したんだと思います。

上司に相談すると、社内の心理カウンセラー、産業医に繋げてくれました。最終的には社外の精神科医から、認知行動療法を受ける機会がありました。

自分の過去を丁寧に振り返ることで、価値観の源泉を辿ることができ、治療を通して考え方が一変しました。こんなにも見える世界が変わり、思考も行動も変わるのか!と、感銘を受けました。今どんな状況にいる人でも、支援の手を差し伸ばせば何か変化を起こし、自分が納得する人生を歩むことができる、と実体験として感じることができました。

入社して2年半が経った頃、仕事は楽しかったのですが、長時間働いていたので、結婚のタイミングで働き方を変えたほうが良いかなと漠然と考えていました。周囲にも話したところ、以前から面談でキャリアコンサルタントになりたいことを伝えていた上司が、採用コンサルティング会社を紹介してくださいました。

悔しさをバネに夢に向かう

結婚を機に退職し、紹介いただいた採用コンサルティング会社に入社しました。新卒採用のアウトソース業務で、お客様の会社の媒体管理や学生対応、イベントの呼び込みなどをしました。短時間勤務にしたかったことと、「アルバイトでも正当に評価されてすぐ社員になれる」と知人に言われたことから、アルバイトとしての入社でした。

しかし入社してみると、社員との教育機会やおりてくる情報に差をがあり、やる気があっても認めてもらいづらいと感じました。深く考えず、知人の言葉を鵜呑みにして、アルバイトで入社したことを後悔しました。ただ、上司が話を聞こうとしてくれて、社員の打ち合わせやお客様とのアポイントにも同席させてくれたので、この人のもとなら頑張れるかなとも思いました。

2年目に妊娠が判明しました。先輩ママに相談してみると「産育休をかけあってみたら?」と背中を押してもらい、マネージャーや社長に交渉して、産育休を取得させてもらいました。でも、直前に出ていた契約社員になる話は白紙になりました。

1年間の産育休取得後、時短勤務で復帰しました。上司も変わり、仕事内容はより簡易なものになりました。育児と仕事のバランスが上手くとれず、子どもを預けてまで働く意味を見出すことができなくなりました。

ならば働く意味を見出そう、と思い、改めて自分の目標を設定し上司との面談を打診しました。しかし上司に「時短で仕事のやりがいを求めるなら、転職したほうがいい」と言われました。とても悔しかったですね。この会社で働く意味を見出すのは難しそうだと失望し、仕事に対するモチベーションもなくしてしまいました。

「ここにいても頑張り続けられないなら辞めよう」と思いました。この機会に、今まで踏み出せていなかったキャリアコンサルタントの資格を取得してから退職することに決めました。

キャリアコンサルタントの勉強は思ったより大変でしたが、悔しさをバネに頑張りました。結果的には夢に向かうことができて、背中を押してくれた上司に感謝しました。

1年後、無事に資格を取得できた頃に、第二子の妊娠が判明。これからどのような働き方をするか悩み、産休まで仕事を続けることも検討しました。ただ、通勤時間も長く、体力がもたないだろうなと思い、結局退職しました。

それから、在宅の仕事はないかなと考え、前職の同期だったエスキャリアの安村さんに相談しました。スカウトをできる人が足りないという話を聞いて、エスキャリアにてある企業のスカウト代行案件の立ち上げに関わることになりました。

大学時代に感じた想いを実現していく

現在は、エスキャリアのスカウト代行案件にて、スカウター業務をしています。まだ立ち上げ段階ですし、妊娠中のため、あまり多くは動いていません。キャリアコンサルタントは資格があっても経験がないので、まずは今、自分ができることで信頼してもらえれば良いなと思っています。

産後、動けるようになったら、フリーランスとして、キャリアコンサルタントの仕事を積極的に探し、経験を積んでいきたいと考えています。

将来は、2つの分野でキャリアコンサルタントとして働きたいと思っています。1つは幼少期から学生までのキャリア教育です。大学時代の予備校のチューターの経験から、中高生の発達・成長に関わるおもしろさを感じたので、自分を知る機会を提供していきたいです。もう1つは、企業内のキャリア支援です。キャリア面談やプログラム開発を通して、働く人が組織に縛られることなく、自由に納得感と自信を持って自らの人生を選択、行動できるようにサポートしていきたいと思っています。


織田 樹子 さん
30代前半 / キャリアコンサルタント/ヘッドハンター

大学卒業後、アパレル会社に入社。その後人材採用広告事業会社へ転職。3年弱、中途採用のスカウト業務に携わる。結婚を機に採用コンサルティング会社へ転職。大学の研究会で出会い、それ以来、将来の目標としていたキャリアコンサルタントの資格を取得後、退職。現在はフリーランスとして活動中。

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