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自分らしいキャリアに踏み出した
女性100人の軌跡
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子育て中の気づきもキャリアに活かしたい。みんなの体験を学びに変える場づくりを目指して。

人材育成、組織開発、採用など、一貫して人に関わるキャリアを積まれ、今年法人化された住田さん。二人のお子さまの育児に専念する期間も、ポジティブな気持ちで楽しみながら、現在のキャリアに繋げられたその道のりとは。お話を伺いました。

仲間と力を合わせて、最高の舞台を作り上げる

両親の実家である鳥取県で生まれ、生後1か月から、当時両親の住まいであった埼玉県で育ちました。2歳半の時、父の転勤でアメリカのイリノイ州へ引越し、幼少期を過ごしました。

小学校3年生の時に帰国し、家庭の都合で都内の小学校に転入。性格は大人しく、感情をストレートに出すのが苦手な子でした。

母が、英語を忘れないように、と帰国子女の人たちが通う英語の塾に通わせてくれました。英語は好きで得意でしたが、友達に「英語を話してよ」と言われて話すことは嫌で、英語が強みということはできるだけ隠して過ごしていました。6年生の2学期に埼玉県に戻り、地元の中学校に進みました。

高校は、英語に力を入れている学校を選択しました。第一志望の私立高校に合格できたことが自信になりました。希望の高校に入学できて、やる気でいっぱいでした。新入生歓迎会で直感的に惹かれたミュージカル団体に入り、すぐに夢中になりました。特に3年生の先輩たちが輝いて見えて、とても憧れました。

3年間男役を演じ、生徒主体で舞台を作り上げていくことに、のめり込んでいきました。最高の舞台を当日に完成させたいという、仲間共通の想いがあり、舞台をより良くするためのフィードバックを、毎日行っていました。3年生の文化祭まで活動を続け、ようやく受験勉強を始めました。得意だった英語は、周りにできる人が多かったため、得意とは思えなくなっていました。

大学受験では、残念ながら希望の大学には進学できませんでしたが、私大の文系学部に進学することになりました。

学びは喜びであることを、実感

大学入学後の1ヶ月間、とても焦っていました。目的がなく入学してしまった気がして、これからどうしようと考えながら毎日を過ごしていて、高校の時のように、何かに情熱を注ぎたい、と強く思いました。

そんな時、他大学からチラシ配りに来ていた、国際学生NPOの募集に興味を持ち、たった一人で説明会に参加しました。世界中に100以上の支部があり、全国各地にメンバーがいるという大きなNPOで、面白そうだなと思い、活動することに決めました。

海外の学生を日本に受け入れ、日本の学生を海外の企業やNGO・NPOへ送り出すことを通じてグローバルリーダーを育成する学生団体で、その中で送り出しの担当になりました。国際会議に出席するなど、英語の実践場面があったことも刺激的でした。

もっと語彙力を増やして国際会議での発言を増やしたいと思い、英会話学校で英語を勉強し直しました。同じビジョンを目指す仲間と活動できて、とても充実した時間でしたね。

3年生の時に人材育成担当になったことで、コーチングと出会いました。人材育成の分野で活躍されていた外部講師の方の研修を受けたことがきっかけでした。個の強みを引き出す、というアプローチが、すごく新鮮で興味を持ちました。

この研修をきっかけに、さらにスキルアップをしたくて、社会人が学ぶ場に、アルバイト代をためて参加しました。学びの場は、参加者の年齢層も幅広く、職種も異なる方々が集まっていて、とても勉強になりました。休日を使って学びに来る人たちのエネルギーはとても高く、やる気があれば、何歳からでも学べるんだ、と実感しましたね。

人材育成への情熱と、再び向き合いたい

NPOでの人材育成経験から、人材系の仕事に就きたいという思いが強くなっていました。コーチングの要素を活かせる仕事を探す中で、キャリアコンサルタントという職種を知り、その希望を叶えられるかな、と思ったんです。

最初のキャリアパスから、キャリアコンサルタントになれるという大手人材サービス会社と出会いました。社員の方たちが、誇りを持って仕事をしていたことと、人間的な魅力が決め手となり、入社しました。

配属は希望通り、人材紹介事業部のキャリアコンサルタントとして、転職希望者との面談を、1日に複数件実施しました。高い目標数字があり、転職希望者の入社が決まることで達成できる、営業的な要素が強い仕事でした。

毎月、数字のために行動しなければならないことがプレッシャーでしたね。達成意欲は強かったのですが、自分で自分を追い込んでしまい、精神的にも肉体的にも辛くなっていきました。面談は好きでしたが、10年後もこの仕事を続けていることに、自信を持てませんでした。

2年目に入り、大学時代に感じた人材育成の面白さや、人と深く長く関わってサポートすることに、もう一度向き合ってみたい、という思いが強くなりました。

ちょうど大学時代にインターンをしたコンサルティング会社で、人に関する新規事業を立ち上げる話があり、良いタイミングでもあったので、入社1年半で退職し、転職を決めました。コーチングの世界に導いてくださった先輩と一緒に仕事ができるチャンスでもあったので、もう一度、一からチャレンジしてみたいという気持ちがありました。

専業主婦時代、二人育児時代、新たな世界を楽しむ

転職した会社では、クライアントに深く入り込んで、人材育成や組織開発のコンサルティングに関わり、上司と同行して、研修の企画や営業、研修当日の運営などを担当しました。

ワークショップの場面で、参加者とインタラクティブなやりとりが出来た時や、学びが参加者に落とし込まれた様子を感じ取れた時には、物凄くやりがいを感じましたね。

転職して2年目に結婚しました。仕事はとても充実していましたが、宿泊を含めた出張もある仕事柄、家庭との両立が難しいと感じ、退職という選択肢を取ることとなりました。

退職後、しばらくは専業主婦でした。これまで忙しく、あまり向き合えていなかった家事も、意外と好きだな、と思いながらのんびりと過ごしました。程なくして長女を妊娠、出産しました。長女が1歳になり育児にも余裕が出てきた頃、外へ向けて少しずつ活動を始めようと思い、個人向けに細々とコーチングを開始することにしました。

さらに、育児がきっかけで英語のベビーサインを学び、インストラクターの資格を取得。知り合いや、ママコミュニティを通じて集客し、ベビーサインのインストラクターとしての活動を始めました。2歳になった長女連れでの仕事でした。娘がワークショップの最中に横でサインを見せてくれるので、良いアシスタントに恵まれて非常に楽しい仕事でした。

長女出産から3年後、次女を出産。しばらくは長女が幼稚園に慣れることと、次女の育児に忙しい毎日を送りました。コーチングのメソッドである、「相手の中に答えがある」を育児にも転用すると、ストレスなく子どもとコミュニケーションが取れるようになりました。育児は究極の人材育成だ、と思うと、一般的には大変と言われる時期の育児も奥深く、楽しむことができました。

理解あるパートナーの協力を得て、法人化を決意

次女が1歳半になり、コーチングやベビーサインなどの個人向け活動を再開しようしたところ、ITベンチャー企業に勤務していた大学NPO時代の先輩に、「人手が足りないので採用を手伝ってほしい」と、声をかけていただきました。

自分が役に立てるのであればと思い、長女が幼稚園に行っている間、次女の育児をしながら、在宅で1日2〜3時間、月2回の打ち合わせから、アルバイトとして仕事を再開することにしました。在宅とはいえ、久々に会社のために働くことが楽しく、次の日の稼働が待ち遠しいくらいでしたね。

自社の採用コーディネーターとして、主に面接の調整など、外部エージェントや候補者とのやりとりを担当しました。会社が業務拡大する時期であり、採用に力を入れていたので毎日やることは沢山あり、仕事に燃えました。アメリカにもオフィスがあり、現地の採用担当者と英語でやり取りし、グローバル採用にも関われたことは、とても刺激的でした。

次女が保育園に入ることができたので、出社頻度を上げ、勤務時間も少しずつ長くしていきました。段階的に、柔軟に復帰できたことは、本当にありがたかったです。

多様な経歴の仲間を増やしていくことが面白く、優秀な人たちと協同して、優秀な人を獲得することは、常に大きなやりがいがありました。

入社してから3年間で、正社員だけで30人から150人規模まで大きくなり、それまでの全社員の採用に関わりました。これからは部門採用になることが決まり、自分の役割が一区切りつきました。ここで働いたことがきっかけで、人材系の仕事をフリーランスとしてやっていきたい、と思い始めるようになりました。

フリーランスとしてエスキャリアからのお仕事をしていた大学NPO時代の友人に話をしたところ、「エスキャリアに登録したら、業務委託という形で仕事ができるのでは」と勧められ、2017年7月に岡本さんを紹介していただき、エスキャリアにパートナーとして登録をしました。

その後、エスキャリアのプロジェクトで、大手人材サービス会社で新人キャリアアドバイザー育成のトレーナーをすることになりました。

業務委託という働き方を知り、エスキャリアでの稼働をきっかけに、フリーランスとして仕事をしたい気持ちがより強くなっていきました。そんな時に、夫から「法人にしたら?」と突然提案をされました。新卒で入社した人材紹介会社で先輩だった夫は、仕事が好きな自分のことを良く知っていました。考えてもいなかった法人化でしたが、これはチャンスかもしれない!という直感を信じ、思い切って7月に法人化しました。娘たちが大きくなったというのも大きかったですね。

色々な立場の人が、体験や気づきを学びに変えられるような場づくりを企画していきたいという想いを込めて、株式会社workshopsを設立しました。

学びの場を、自ら作っていく立場になりたい

現在は、組織開発や人事採用支援の業務を中心に活動しています。

法人化したばかりで、一人で引き受けられる仕事量が限られているので、各業務のバランスを模索中です。今のところは、営業や打ち合わせには出向き、あとは在宅で働くというスタイルをとっています。日々、新しい働き方に挑戦しています。

エスキャリアからご紹介いただいたお仕事も、引き続き担当しています。キャリアコンサルタント職の経験と、高校時代の舞台経験が活かされ、お客様役を毎回演じ切りながら、楽しく仕事ができています。自分にぴったりな、奇跡的な案件をご紹介いただけて、とても感謝しています。

今後、やりたいと考えているのは、女性、特にお母さん向けのワークショップです。彼女たちがどんなことを考えているか、どんなことがあったら自信につながり、その後仕事や育児とどう向き合うのかなど、彼女たちが求めているものが何かを知ることが必要だと思っています。

あとは、自分自身のスキルをもっと高めるためにも、まずは、以前行っていたワークショップのファシリテーションから復習していきたいですね。

参加者の方に、この場に来て良かったな、と思っていただける企画ができるような力をつけていきたいと思います。


住田 真弓 さん
30代後半 / 株式会社workshops 代表取締役

大学卒業後、大手人材サービス会社に入社。キャリアコンサルタント職として約1年半勤務。コンサルティング会社へ転職し、人材育成・組織開発のコンサルティング領域の開発職にて3年間勤務した後、結婚を機に退職し、家事育児に専念。その後、ITベンチャー企業の採用コーディネーターとして段階的に復職。2018年7月、株式会社workshopsを立ち上げ、人材育成・組織開発コンサルタント、コーチとして活動している。

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