転職を考えはじめたら、まずはネットで求人を検索する方が多いでしょう。その過程で、人材紹介会社に出会い、登録に至る方も多いのではないでしょうか。
一般的な人材紹介会社への登録・サービス利用は、すべて無料です。無料で求人紹介のサービスが受けられるのはとてもうれしいことですが、実はメリット・デメリットもあることは確かです。
今回は、理想の転職を実現していただくにあたって、知っておきたい人材紹介会社のメリット/デメリットについてお話ししたいと思います。
人材紹介会社とは?
念のためお話ししますと、人材紹介会社とは、従業員を採用したいと考えている企業に「人材」を「紹介」する会社です。企業へ良い人材を紹介するにあたり、優秀な求職者をあらゆる手段で集めたいと考えており、求職者の登録・サービス利用は無料が一般的となっています。人材紹介会社は成功報酬制で企業側からお代金をいただき、営まれています。
人材紹介会社の<メリット>
まずは人材紹介会社を利用するメリットをいくつかご紹介します。登録・サービス利用が「無料」であるということ以外にもたくさんあります。
●キャリアアドバイザーという担当が付いてくれる:
無料にもかかわらず、1人1人に担当の「キャリアアドバイザー」が付いてくれます。まずは面談の場で、経歴や転職における悩み、希望を聞いてくれます。その上で企業の求人と照らし合わせ、経歴やご希望に一番マッチする求人を紹介してくれます。
例えば、残業が多くワークライフバランスが保てないことが転職の理由である場合、転職先でそれが実現できるような働き方ができるか、確認してくれた上で、求人を紹介してくれます。
実は求人企業にも、各社に担当者がついています。担当者が企業状況について把握していて、キャリアアドバイザーに情報が共有されているため、的確な求人を紹介してくれるのです。
●キャリアに関する相談を受けてくれる:
求人の紹介だけではなく、求職者の今後のキャリアに関する相談にも親身にのってくれます。例えば、これから私はどういう道に進めるのか、または進めばいいのかわからない、という場合にも、今までの経歴を棚卸しながら、自分では気づかなかった可能性を見出してくれることもあります。場合によっては、転職しないほうがいい、というアドバイスもあり得ます。
最終的に転職先を決めるのは求職者本人ですが、いい決断をするための、有意義な情報や第三者の意見をもらえるのは貴重です。
●非公開求人を紹介してくれることがある:
一般の求人サイトには掲載されていない求人を取り扱っている場合も多くあります。ご自身では考えもつかなかったような思わぬ企業や職種に出会えることで、選択肢の幅が広がることもあります。
●職務経歴書の添削、面接の対策をしてくれる:
求人に応募する際、まずは書類選考があります。実は、職務経歴書書き方一つで、書類選考通過率は変わります。応募企業によって、内容や見せ方を変えた方がいい場合もあります。その職務経歴書が、応募企業にとってしっかりアピールできるものとなるよう、添削してくれます。このためだけでも、人材紹介会社を利用する価値があるかもしれません。
また、面接対策をしてくれるのも一般的です。企業によって面接の雰囲気や、質問内容、ポイントは異なります。その情報を事前に教えてくれるのも、人材紹介ならではの利点です。
人材紹介会社の<デメリット>
では、反対にデメリットはどのような点があるのでしょうか。
●求人がない場合もある:
経歴によってはご紹介できる求人がない場合があり、あまりあてにできないこともあります。また、ブランクが長い、若手ではない、転職回数が多いというだけで、サービスを受けられない人材紹介会社もあるようです。
●採用のハードルが上がる:
実は、人材紹介会社経由で求人に応募することによって、企業側の採用基準が上がる場合があります。人材紹介会社サービスは、紹介した方が採用となってはじめて料金が発生します。一般の求人広告よりかなり割高です。人材紹介会社経由で応募して来た人と、安価な広告媒体から来た人を区別して面接をします。当然、人材紹介会社から来た人を採用すると割高な料金がかかるので、より慎重に採用選考が行われても無理もありません。
※区別しない企業もありますが、意外と多いのが現状です。
●人材紹介会社本位の求人を紹介される:
メリットとして、キャリア相談にのってくれると申し上げましたが、残念ながら担当によっては、本人の悩みや希望をきちんと聞いてくれないまま、キャリアアドバイザーが紹介したい求人を一方的に紹介されるにとどまる場合もあるようです。これでは、安心して転職活動ができないですね。
また、希望しない企業にも応募を強いられたり、内定がでたら行くようにと強引にすすめられたりする場合もあります。ここまでくると誰のための転職かわからなくなってきます。(もちろん、キッパリとお断りして問題ありません)
自分に合うキャリアアドバイザーを探すことが大切
デメリットには、人材紹介会社ならではの仕組みによるものもありますが、キャリアアドバイザー個人の質によるところが正直多いように思います。
親身に寄り添ってくれるキャリアアドバイザーは、きっといます。担当の方と自分が合わないと思った場合は、我慢せずに担当変更を申し出ましょう。もちろん、無料だからと遠慮することはありません。もしくは、1社だけではなく、2、3社の人材紹介会社に登録し、自分に合うキャリアアドバイザーを探すのもいいかもしれません。
転職の決断は、最終的には求職者自身が行うものです。またその決断は、今後の人生を左右する決断と言っても過言ではありません。
人材紹介会社は、求人の紹介を受ける目的のためはもちろん、その最高の決断をするためのアドバイザー的存在として、うまく利用したいものですね。