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保育園から幼稚園に転園ってどうなの?経験者に聞くチェックポイント


最近、筆者の周囲で「現在は保育園に通わせているけれど、幼稚園も気になる」「3歳になり、幼稚園に転園させることに決めた」という人が増えています。実は、筆者自身もその1人。しかし、未知の幼稚園事情を前に、いろいろ不安もあります。

そこで今回は、同じような悩みを抱えるワーキングママに向けて、経験者にヒアリングした結果をもとにしたチェックポイントをお伝えしたいと思います。

1、幼稚園転園したい人が増えている?

まず、なぜ保育園から幼稚園に転園するのか?を聞いてみたところ、様々な意見がありました。

・自分自身が幼稚園育ちだったので、なんとなく
・現在通っている保育園は、競争率の高い中でなんとかひっかかった第5希望。環境面、食育面など実は不満がある
・成長するにつれ、お昼寝の時間があまり必要なくなってきた。だが、現在通っている保育園ではしっかりお昼寝の時間があるため、夜寝てくれなくて大変
・あらゆるものに興味を示し始めたので、保育メインより教育メインの環境に身を置いた方が、子どもにとって刺激が多いのでは?と考えた
・引っ越しのため、保育園を変わることになった。しかし、引っ越し先も待機児童が多いエリアで、転園できる見込みはほぼない。そのため、幼稚園も視野に入れ始めた
・第二子の育休を丸2年取得する予定なので、それなら幼稚園に通わせられると思い、転園を決めた

引っ越しなどのやむを得ない事情、お子さんの成長に合わせた選択、より良い環境を求めての決断など、皆さんいろんな事情を抱えていらっしゃいました。
延長保育や給食、園バスでの送迎がある幼稚園が増えてきた、幼稚園・保育園と区別がない”認定こども園”が増えてきた、といった社会的な変化による後押しも、影響しているのかもしれません。
(参考:内閣府による認定こども園の概要説明

2、幼稚園転園を考えているなら、ココをチェック!

ワーキングママが幼稚園への転園を考える時、気になるのは下記のような項目ではないでしょうか。
‐延長保育の有無
‐給食の有無
‐園バスによる送迎の有無
‐保護者の関わり方について
‐夏休みなどの長期休みの乗り越え方

それぞれについて、経験者に話を聞いてみました。

‐延長保育の有無

幼稚園で預かってくれる時間は、だいたい9時~14時頃まで。仕事をしている以上、延長保育は必須ですよね。幼稚園によって、朝は7時から、8時から、夜は17時まで、18時まで、19時までなど、対応してくれる時間は様々。また、延長保育にかかる費用も幼稚園によってまちまちです。

延長保育は、たいていの場合、幼稚園が終わった後に保育士が来て幼稚園教諭と交代し、保育に当たるようです。近くの保育園と連携していて、場所を移動するケースもあるとのこと。保育内容も様々ですが、「お迎えに行ったら、みんなでテレビを見ていてビックリした。保育園では絶対ない光景」という声も中にはありました。

また、延長保育を使う園児がどのくらいいるか?も要チェックポイント。多くのお友達が残っているなら、子どもも気にせずお迎えを待てますが、少人数がポツンと残る状況だと、寂しいと感じてしまう子もいます。「みんな帰っちゃったのに、私だけお迎えが遅い」と泣かれて困っている、というワーキングママもいました。

・延長保育の対応時間帯
・延長保育の場所、担当してくれるのは誰か、どのような内容か
・延長保育を利用する園児の割合
・延長保育の料金

については、事前にしっかり確認しておく必要がありそうです。

‐給食の有無

ワーキングママにとって、給食かお弁当かは死活問題、と言っても過言ではありません。筆者の子どもがお世話になっている保育園では、月に1度お弁当の日があります。普段以上に朝ドタバタになることが目に見えているので、その日は朝一番のアポイントや打ち合わせは避けるようにしています。月に1度でその状況なのに、毎日となると・・・相当の覚悟と工夫が必要そうだと感じてしまいます。実際はどうなのでしょうか?

毎日給食があれば万々歳ですが、週の半分だけ、月に数回、といったところもあります。毎日お弁当、という幼稚園も多いので、やはり覚悟と工夫が必要、ということなのでしょうか。園によっては、数百円でランチの申し込みができる場合もあるようです。アレルギーを持っているお子さんは一律お弁当、というケースもあるそうので、こちらもしっかり確認しておきたいですね。

‐園バスによる送迎の有無

園バスでの送迎があると、多少遠い幼稚園でも通わせることができ、選択肢がぐっと広がります。朝や夕方の忙しい時間帯にわざわざ出向かなくても、送り迎えしてもらえるのはありがたいですね。ですが、園バスがあっても、延長保育を使う場合は直接親が送迎する必要がある、という園もあります。また、バスの送迎は時間が決まっているので、出退勤の時間に間に合わないという場合もあります。

筆者の友人が利用している幼稚園では、延長保育を使っても、マンションの下まで送ってくれるそう。「17時に退社して18時に保育園に着くのがやっと、という生活から、自宅で自分の荷物を下ろし、マンションのエントランスで待っているだけで帰ってきてくれるので、大助かり!」と話していました。

園バスの有無だけでなく、

・対応してくれるエリア
・延長保育を利用する場合はどうなるのか
・バスの到着時間

といったことも、確認しておきたいですね。

‐保護者の関わり方について

幼稚園は、保護者向けの会合が平日日中に行われる、保護者がコミットすべきイベントの頻度が多い、というのは耳にしたことがあります。また、TVドラマなどで取り上げられた影響もあり、「幼稚園はママ友との付き合いが大変」というイメージが筆者にはありました。実際はどうなのでしょうか?

保護者向けの会合のタイミングは、やはり平日日中が多く、コミットすべきイベントの頻度についても保育園と比べて多い、という声が多かったです。そのために、仕事を抜けたり、休んだり、在宅勤務に切り替えたり、という対応をせねばならず、ちょっと大変だという声もありました。

仕事をしていないママに任せる、というケースもあるようですが、それはそれで申し訳なかったり、肩身が狭かったり、というのが実情だそうです。延長保育を使う園児の割合がどのくらいか、と同じで、ワーキングママがどのくらいいるか?によって、肩身の狭さも変わってくるようです。

保護者会は、先生たちが仕切ったり関わったりすることなく、保護者だけで構成されている場合もあります。その場合、保護者がどういう属性で、どういう考えをする人か?によって変わってきます。

筆者の友人には、「保護者会の初めての顔合わせの時に、保護者会代表から『仕事をしている、していないは一切関係なく、平等にいきましょう』と言われ、ワーキングママにも役員が割り当てられた。正直手が回るか心配」「保育園時代は、決めるべきことがある場合でも、さっさと決めて解散!というパターンが多かった。でも幼稚園は、話し合いにかかる時間が長い。仕事を抜けて来ているので、早く終わりにしたいというのが本音」と話していた人もいます。

「幼稚園に通わせる以上、保護者のコミットが増えるのは仕方ない」と割り切れるかどうか、現実的に役割が回ってきた時に務められるのか、考えておく必要がありそうです。

ママ友同士の付き合いについては、園の雰囲気によって大きく異なります。ワーキングママが多い幼稚園であれば、比較的サバサバとした関係性が多いようです。仕事をしていないママが多いと、幼稚園に送り届けた後の茶話会や、園バス送迎場所でのおしゃべりなどの付き合いもあるようです。

筆者の友人は、「仕事をしている・いないに関わらず、自分がどのくらいの距離感で他の保護者と関わるか決めておくことが肝心!」と言っていました。「付き合いが苦手な場合、忙しくて避けたい場合は、無理に茶話会やおしゃべりに加わる必要はないし、できる限り役割を果たし、運動会など保護者がみんな集まる場でコミュニケーションが取れれば、あまり心配する必要もないと思う」と話していました。

・園から求められる保護者の関わり方
・保護者会から求められる関わり方
・どういう属性、志向性の保護者が多いか
・自分自身が周囲の保護者とどう付き合いたいか

について、確認しておいた方が良さそうです。

‐夏休みなどの長期休みの乗り越え方

保育園にはない、夏休みなどの長期休暇。子どもたちにとってはワクワクする期間ですが、ワーキングママにとっては頭を悩ませる期間でもあります。皆さんどのように乗り越えているのでしょうか?

幼稚園によっては、預かり保育を実施している場合があります。その分費用はかかりますが、普段通っている幼稚園で過ごせるなら、子どもにとっても安心ですね。
また、ファミリーサポートの方に長期休暇中の保育をお願いしているケースもあるようです。ファミリーサポートを活用する場合は、あらかじめ登録しておくことが必要です。詳細は、お住まいの自治体に確認してください。

祖父母にお願いする、というのも手です。離れた場所に住んでいる場合でも、夏休みならまとまった時間が作れるので、子どもだけを送り込み、1週間まるごとよろしくお願いします!ということもできますね。送り迎えの手配や、パパ・ママと離れても大丈夫か?という心配はありますが、小学生のお兄ちゃん・お姉ちゃんやいとこが一緒、などという場合には、これを機に挑戦してみても良いかもしれません。

3、子どもにどう伝えるか

保育園は子どもにとって、毎日通い、慣れ親しんだ場所です。先生との信頼関係もできており、3~4歳ともなれば友達もできているでしょう。転園するとなると、不安になったり、嫌がったりする子も出てくると思います。そんな時、子どもにどう伝えればいいのでしょうか?

できるだけポジティブに伝えるのが鉄則です。転園は親にとっても不安なものですが、「大丈夫かな・・・」と探りながらでは、子どもも不安になってしまいます。「新しいお友達ができるよ!」「お庭が広くて、遊具もたくさんあるんだって」「新しいオモチャで遊ぶの楽しみだね!」など、子どもが喜びそうなポイントを伝えてあげましょう。

比較的自由に過ごせる保育園に比べ、時間割が決まっている幼稚園は、窮屈に感じる子もいるようです。「幼稚園では、授業でこんなこと習えるんだよ」と説明したり、「今日は幼稚園でどんなお勉強したの?すごいね!」と聞き出して褒めてあげたり、慣れるまではフォローが必要かもしれません。

4、先生との連携

今までお世話になった保育園、これからお世話になる幼稚園の先生方と、連携が取れると安心です。保育園の先生に、「転園するに当たり、日中の過ごし方で気になることはありますか?」と聞いてみてはどうでしょうか。長い時間一緒に過ごしているプロの目から見て、集団生活をする上で気になる点があれば、ぜひ知っておきたいですよね。自宅ではなかなか見えてこない一面があるかもしれません。

保育園の先生にもらった情報や、普段様子を見ていて気になる点について、幼稚園の先生にもしっかり申し送りをしておきましょう。幼稚園でも、保育園同様に連絡帳を導入しているところは多いと思います。日々のコミュニケーションに役立てたいですね。

保育園から転園した子を受け入れた経験がある園や先生がいれば、より安心です。説明会などで確認しておくと良いと思います。

いかがでしたか?保育園とは異なり、ワーキングママにとって至れりつくせり、というわけにはいかない幼稚園。でも、各ご家庭の教育方針、子どもの性格、状況によっては、幼稚園の方がマッチするケースもあると思います。メリット・デメリットをしっかり確認した上で、子どもと親にとってどうするのが良いのか、ご家庭で話し合ってみてくださいね。


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。3歳の娘を抱えるワーキングママ。
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