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あなたは大丈夫?上司に言いたいことが言えないときの思考整理法


働いていく中では、必ず上司とのコミュニケーションが発生します。
エスキャリアのキャリアカウンセリングサービス(マイ・カウンセラー)にも、「上司にうまく伝えられない方」「上司の要望をつい優先してしまう方」からの悩みが多く寄せられています。

今回のコラムでは、実際にあったカウンセリングの実例から、自分の要望を気持ちよく上司に伝えるための思考の整理法について考えていきたいと思います。

■上司に自分の思いを伝えられなかったメーカー勤務(営業)Aさん

Aさんは、新卒で入社して以来、一貫して個人顧客を対象とした営業職として働いていましたが、1年前に法人営業に異動になりました。しかし、同じ営業職ではあるものの、正直なところ法人営業にやりがいを見いだせませんでした。

Aさんは個人営業の部署に戻るか、本社の個人商品開発部門に異動したいと思っていたのですが、上司とのキャリア面談では「自分は法人営業に向いていないと思う」としか伝えられませんでした。

それに対して、上司からは「諦めずにこの部署で2~3年経験を積んでほしい、更に成長すると思う」と言われてしまい、そこから何も言えなくなってしまいました。上司に対して「この部署で頑張っていきます」と答えたものの、「今から更に2~3年この部署で働かなければならないのか…」と考えた時の心の重さが解消できず、カウンセリングにいらっしゃいました。

1.はじめに~原因分析~

カウンセリングで分かったことを元に、Aさんが、上司と意に沿わない合意をしてしまった原因を分析してみます。

①他人(上司)の期待を裏切れないという思い
Aさんのように、「自分がやりたいこと」と「上司の期待」が異なる時に、つい他人の「期待」を優先して考えてしまう方は多いのです。特に女性は自分の能力を過小評価してしまう傾向にある(※)ため、つい「私なんかがわがまま言ってはいけない」と自分の思いを押し込めてしまうのです。※参考 インポスター症候群

②会社の決定は絶対、という思い込み
また、Aさんには「会社の決定は絶対だ」という合理的でない思い込み(※)がありました。上司の決定には従うべきだ、会社の決定は受け入れなければいけない、と思い込んでいたのです。※参考 イラショナルビリーフ

しかし、営利企業である以上、社員が能力を最大化して働くということは本来望ましいことなのです。つまりAさんが「個人営業部門か、個人営業で培った知識と経験を活かして本社の個人商品開発部門に異動した方が、私はパフォーマンス高く働くことができる」と提案した際に、受け入れられる場合があるかもしれません。

③上司とのコミュニケーション不足
Aさんケースを見ると、上司とのコミュニケーション不足が感じられました。
Aさんは上司の言葉を「法人営業部門に2~3年留まる」という「決定事項」として受け取ってしまいました。

しかし、上司としてはAさんが営業社員としてさらに成長するために、良かれと思って「法人営業で2~3年やってみてほしい」と提案したのかもしれませんし、「法人営業に向いていない」と言ったAさんを励ます意図で「たった1年で諦めずに、もう少し続けたら慣れてきて能力を発揮できるようになるだろう」と言ったのかもしれません。

2.再面談の設定

そこで、Aさんに、上司に再面談をお願いすることをお勧めしました。その上で、次のように面談時に話すことを整理しました。

①ポジティブな口調で伝えたいことを語る
Aさんの気持ちとしては「法人営業にやりがいを見いだせない」ですが、それだけを伝えてしまうと、ネガティブな印象になってしまいます。

そこで、
・1年法人営業を経験し、法人営業よりも個人営業の方が自分の力を発揮し、会社に貢献できると考えていること(また、その具体的内容、過去の実績)
・将来的に目指したい方向性(個人営業のスペシャリスト、または個人向け商品の開発など)を伝える事で、ポジティブに話を進めることが重要です。
あくまでも、自分の能力や労働力を最大化する道を提示するイメージで臨みましょう。

②上司からアドバイスをもらう
異動を希望するとしても、すぐに異動が叶うわけではありません。異動までの時間、意に沿わない部署であったとしてもそこから学ぶこと、また、上司との関係を良好に保つことは大事です。

そこで、
・(自分のキャリアビジョンはありながらも)現職でどのような力を付けたら良いか
・上司から自分に対する期待
を聞いてみましょう。

上司には上司の部下育成方針がありますし、また、上司もかつてはキャリアに悩んだ経験があるかもしれませんので、個人の経験から様々なアドバイスをしてくれる可能性もあります。

上司を、自分のキャリアの理解者、協力者にすることでこれから先も働きやすくなります。

さいごに~思考の整理と的確な上司との対話~

組織の中で働いていると、常に自分の意向が通るとも限りませんし、上司が自分の思いを正しく汲んでくれないことや、思いが行き違うことがあると思います。また、女性は妊娠や出産など、キャリアに大きな影響を及ぼすイベントが予想されますので、そのような環境においては、自分が進みたいキャリアの方向性をただ「願う」だけでは叶わないことも多いのです。

自分の思いを実現するためには、「思考の整理」とそれを「的確に上司に伝えること」が必要です。自分がこの組織の中でパフォーマンス高く働くにはどうしたら良いのか、どの分野に貢献していきたいのかをきちんと言葉で説明できるようにしておきましょう。なんとなくモヤモヤ考えているだけでは、いざ上司との面談の際に上手く説明できなかったり、意図が誤って伝わってしまったりすることもあり得ます。

エスキャリアが提供する女性専用のカウンセリングサービス(マイ・カウンセラー)では、チャットでのカウンセリングによって、じっくり2週間かけてキャリアカウンセラーと思いを言葉にして整理し、どのように上司に伝えるかを一緒に考えることができます。

キャリア面談や異動・昇進の時期に、ぜひ一度お試しください!

 


この記事を書いた人

山口 奈生 さん
大学卒業後、大手損害保険会社の総合職として勤務。夫の海外留学に帯同するために、子ども二人とともに渡米。帰国後、キャリアカウンセラーの資格を取得し、第三子を出産。人材サービス会社で勤務ののち、キャリアカウンセラーとして独立。現在、再度家族で渡米し、アメリカ⇔日本のリモート勤務中の、一男二女の母。
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