転職活動を行うにあたって、一般的に「最適な時期」「一番有利な時期」というのはあるのでしょうか。
今回は、1年を通して転職に有利な時期があるのかどうか、企業の動向を交えてお話しすると共に、お1人お1人にとっての転職に最適な時期を見極めていくためのポイントをお伝えいたします。
中途採用ニーズが増える時期:3〜4月・9〜10月
すべての企業にあてはまるわけでもありませんが、一般に3〜4月・9〜10月は新規求人が増える傾向にあります。
お気づきかもしれませんが、この時期は「年度末」。切り替えによる退職者の後任補充、または、新規事業スタートにあたっての人員追加などがあり、中途採用の機会が高まります。
スキルや経験をほぼ問わない、若年齢層の募集の場合、新卒と同じ4月採用に合わせて募集広告を大きく出す企業もあります。新卒採用者と合同の研修に参加していただくことを狙って、中途採用も4月入社とする場合もあるようです。
このように、中途採用の求人が増えるこの時期、応募できる企業の選択肢も増えますので、活動する側にとっては有利となります。ただ、この時期に活動する方が増えれば、ライバルが多く出現することにもなり、選考も厳しくなることも考えられます。求人が増える=誰にでも好機、というわけでもないのかもしれません。
多くの大手企業が募集を控える時期:5〜8月、11〜2月
一般的に大手の企業が中途採用の募集を控えるといわれる5〜8月、11〜2月に、あえて採用活動をする企業もあります。その理由はいくつかあります。
1)他社との競合を避ける:
大手企業が求人を控える時期は、自社の求人が目立ち、応募を多く獲得できるのではないかと考える企業もあります。中小企業やベンチャー企業、一般に広く名前の知られていない企業、特に「BtoB」に関わる企業にはよくみられる傾向でもあります。
2)新卒関連業務が落ち着いている時期に中途採用を行う:
特に、春は新卒の採用受け入れや研修等、人事担当も多忙となるため、中途採用の募集時期を新卒採用の時期とずらして行う場合もあります。
3)職種やポジションによって効果的な時期であるため:
例えば、経理職の場合、期末となる3月~決算の山場を迎える5月、6月は辞められない方、転職活動ができない方も多くおられます。特に、マネージャークラスの募集の場合は、1年を通して多忙な時期を外して募集したほうが、より効果的という場合もあります。
※他にも、地方都市などで、Uターン人材の募集を行う企業は、お盆や年末年始を狙って募集をだし、この時期に会社説明会を開催する企業もあります。
ここまでお読みいただいてわかるとおり、結論、どなたにもあてはまるような「転職に一番いい時期」というのはないと言えるのかもしれません。
中途採用の求人は、通年で必ずある求人でもあります。やはり、ご自身の転職に有利な時期なのかどうか、お1人お1人が個別に考えることが大切です。
自分にとって「良い時期」かそうでないか、の判断は?
下記の事項について、ご自身のご経歴を少し見直してみましょう。場合によっては、よりよい転職をするためにも、少し転職を待った方がいいケースもあります。
1)勤続年数:
転職回数が多い場合、在籍期間が短い場合、応募先の採用選考であまり好意的に見ていただけない場合があります。せめて2年間、それ以上は在職した経験があると印象が変わります。在籍期間が現在短い場合は、いま一度、振り返り転職しない選択も視野にいれてみましょう。
2)現在のご年齢:
未経験から何か新しい職種に挑戦する場合は、年齢によっては職場が受け入れにくいと懸念される場合もあります。 職種や分野によっても違いますが、未経験職種にチャレンジしたい場合は、若いうちに早めに動くほうが有利な場合もあります。24歳、29歳、34歳などの区切り目で判断される場合もありますので、要注意です。
3)ご経験について:
今後やりたいことがある場合、その分野で生かせるご経験はすでにお持ちでしょうか。もう少し経験をつけ、即戦力になる強みをもつことで、次の転職に有利になる場合もあります。どの企業様も、より経験のある方のほうを採用したいと思われています。
期間とタイミングから転職時期を設定~キャリアアドバイザーに相談~
転職に有利な時期はお一人お一人違います。また、転職活動はおおよそ3ヶ月くらいの方が一番多く、選考に時間がかかる専門職の方などで6か月という場合もあります。まずは情報収集からはじめて、ご自身に必要な準備期間やタイミングを理解し、具体的なスケジュールをもとに自分なりの転職時期を決めることが大事なポイントではないでしょうか。
その際、現職に就業しながらの活動や情報収集は簡単ではありません。そんなときは、人材紹介会社のキャリアアドバイザーを利用する方法もおすすめです。
まずは面談をし、具体的なスケジュールを相談することから行うことも可能です。また、ご希望に合った求人があれば紹介してくれるので、どんな求人が自分に合うのか、どんな企業のどんな求人があるのかを知ることができます。一般に公開されていない求人を紹介してくれる場合もありますので、ご自身のみで求人を探している時よりも、新たな求人を見つけることができる可能性も増えてきます。
いずれにしても、転職市場の動向
はあくまで参考となさってください。広告やマスコミから流れてくる転職に関しての情報や雰囲気的なものに流されずに、ご自身にあった転職の時期、今後のキャリアに有利となる時期を見出していくことが大切なのではないでしょうか。