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秋はキャリアの分かれ道!自分らしいキャリアを選択しよう(2)


前回のコラムでは「秋の人事異動を キャリア 形成においてどう捉えるか」についてお話しました。
今回は人事異動以外の秋の動きについて、同じくキャリア形成の視点からお話したいと思います。

秋は半期面談の季節

前回もお伝えした通り、日本企業の多くは4月から翌年の3月の1年間を事業年度としているため、10月はちょうど1年の半分が終了し、下期がスタートする時期になります。そのため、多くの会社ではこの前後に、上半期の業績について上司と共に振り返る「半期面談」が行われます。

皆さんの中にも、今まさに、面談に向けこの半年間を振り返って上期の自己評価に取り組んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

そして、もしかしたら、
「いつも書くことは同じだし、面倒だな…」
「上司とは常に話してるし、改めて話すことは特に無いんだけど…」
「どうせ何も変わらないんだから、この時間で仕事片付けて早く帰りたいな…」
と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

実際、半年間取り組んできたことを振り返り、評価シートに記載し、自己評価をするのはそれなりの時間と労力を要します。その割に、実際の半期面談は、上司の多忙を理由に後回しにされたり、面談はするものの日々のミーティングと変わらない内容で短時間で終わってしまったり、中には上司自ら「やらないと人事に怒られちゃうから」などと言って形式的に実施し、雑談に終始してしまったりするなど、軽く扱われがちだったりします。
そのため、半期面談は「面倒」で「時間の無駄」なものに感じてしまうのです。

しかし、この半期面談は、実は皆さんのキャリア形成において重要な意味を持つものでもあります。

半期面談を実施する主な目的は、これまでの半年間の成果を上司と一緒にチェックし、年間目標の達成に向けて、下期も引き続き行っていく事は何で、改善すべき点は何か、などを整理・明確にすることです。

が、それだけではなく、上司にとっては部下がどんな仕事に興味があり、どんな仕事をしたいと考えているのかなどを把握し、来期以降の仕事の割り振りや人材育成プランなどの参考にする貴重な場でもあります。3月に行われる期末の面談は年間評価の決定が主な目的のため、成果や実績に話が終始しがちですが、今の時期の半期面談は、社内でのキャリア形成を自ら能動的に作っていく絶好のチャンスというわけです。

ですから、この半期面談を、面倒なもの、形式的にやるものとして適当にやり過ごすのではなく、もし興味のあることや挑戦したい仕事があるのであれば、自ら積極的に上司に伝えていく事がキャリア形成において重要になります。

とはいえ、皆さんの上司が上述のように、半期面談を雑談で終わらせたり、短時間で形式的に終わらせたりするようであれば、伝えたくても伝えられない、結局上司次第、と思うかもしれません。

けれども、自分のキャリアは自ら切り開いていくものでもあります。「私は上司に恵まれない」と嘆くのではなく、前もって伝えたい事を整理しておくなどし、「今日はこういうことについてお話したい」と冒頭に自ら上司に伝え、面談の主導権を握ってみるのも1つの方法かもしれません。

秋は中途採用も活発に

秋は中途採用が活発になる時期でもあります。

新卒の採用活動が一定時期に集中するのとは異なり、一般的に中途採用は年間を通じて行われています。でも実は、中途採用が活発な時期というのがあり、もっとも活発なのは年度初めに向けての3~4月、次いで多いのがこの9~10月と言われています。
これは、新卒採用が一段落し人事部に時間的な余裕が出来ることも理由の1つですが、夏の賞与を受け取って退職した人の欠員補充や、下期や来期から始まる新たなプロジェクトや新規事業のための人員強化、上期の業績巻き返しのための人員補強なども理由と言われています。

いずれにせよ、秋は転職活動にも適した時期なのです。

秋の人事異動や半期の面談後、「何年も出し続けている異動願いが今回も叶わなかった」とモチベーションが下がることもあるでしょう。「面談のたびに挑戦してみたい仕事を伝えているが、どうも難しそう」と、社内でのキャリアに限界や行き詰まりを感じる事もあるかもしれません。また、今大きな不満があるわけではないけれども、自分が社外で通用するのか、自分に市場価値はあるのか漠然と不安に思うこともあるかもしれません。

そのようなときは、中途採用の活発な今の時期に、一度「社外」に目を向けてみることも選択肢の1つです。

もちろん、慣れ親しんだ環境を離れることには大きな不安を伴いますし、上手くいく保障があるわけでもないので躊躇する気持ちも当然強いと思います。

が、転職活動=転職ではありません。

転職活動を行う中で、自分自身を俯瞰したり、現在置かれている環境を客観的に見たりする機会が沢山出てきます。その結果、今の仕事や会社でまだ出来そうな事ややり残したことがあることに気付くこともあるでしょう。また、実際の転職活動を通して、自分の実力や経験不足に気付かされることもあるかもしれませんし、これまでに気付かなかった今の会社の良さに気付くこともあるかもしれません。

その場合は、「今の会社に残る」選択をすれば良いのです。

総合的に考えた結果、今の会社に残るよりも、他の会社に移る方が自分にとってより良い選択と思えたときに転職を決断すれば良いのです。

正しい決断をするためには、いかに多くの選択肢を見ることができるか、いかに多方面から比較検討できるかが重要なります。その意味で、最終的に転職するかしないかに関わらず、中途採用の活発な今の季節は一度社外に目を向けてみるのに適した時期と言えるのではないでしょうか。


この記事を書いた人

上杉麻里 さん
キャリアカウンセラー
大学卒業後、不動産会社の人事としてキャリアをスタート。以降、日系・外資系のコンサルティングファームや消費財等、多様な業界に勤務。30代前半に留学によりキャリアを中断、その後派遣や契約社員等を経て、30代半ばで管理職となるなど、様々な働き方や立場を経験。現在は、働く女性を中心としたキャリアカウンセリングや人事制度コンサル、研修等を行う。
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