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人生100年時代! 今からでも遅くない、40代からのキャリアについて考える(2)


前回のコラムでは、「人生100年時代」の今、40代でキャリアを考えることは決して遅くないこと、昔から40代は「迷う時期」といわれており、「迷って当然」であることをお伝えしました。

今回は、私たちエスキャリアが運営するカウンセリングサービス(マイ・カウンセラー)に実際にあった40代からのご相談を2例、ご紹介します。

40代は氷河期世代

40代からのご相談では、最初の就活で躓き、それが今も尾を引いていると話される方が多くいらっしゃいます。

そうです、40代は、まさに、「就職氷河期世代」なのです。

80年代半ばから続いた好景気が90年代になって突如崩れ、日本全体が未曽有の不景気に陥ったことで、多くの企業は新卒採用を控えたり大幅に縮小したりしました。その時代に就職活動を余儀なくされたのが今の40代です。

Aさん(40代前半)の場合

マイ・カウンセラーにいらしたAさんは転職を検討中でしたが、「最初の就活で失敗し、キャリアを積めないまま今に至るので、転職できるか不安」とのことで、転職すべきか悩んでいらっしゃいました。

お話を伺うと、
・氷河期でどこからも内定を貰えず、今の会社に派遣で働き始めたところ、正社員の退職により、“運よく”正社員になれたこと
・それ自体は今でも感謝しているが、最初から正社員の人とは待遇面で差があり、未だに解消されないことが不満なこと
・最初は経理の仕事だったが、欠員のたびに担当業務が変更になり、「いいように使われている」気がし、それも不満なこと
・それでも、人間関係は悪くなく働きやすいので続けてきたが、40歳になって改めて今後を考えたとき、将来が不安になったこと
・が、いざ転職と思っても、「武器」がなく難しいかもしれないと感じていること
などが分かりました。

1.キャリアの棚卸しをする
Aさんのようなご相談はよくあり、「小さな会社なので、言われた事は何でもやってきました」と言う方も沢山いらっしゃいます。
キャリアカウンセリングでは、この「何でも」を1つ1つ確認(棚卸し)していきました。
Aさんの「何でも」を探っていくと、経理のほか、総務や人事、広報に加え、簡単なHPの作成や、短期間ではあるものの役員秘書の経験もあることが分かりました。

初めは、「かじったことがある程度」と話していたAさんでしたが、棚卸しをしていくうちに、「そう言えば、こんなこともやりました」「今の仕組み作ったのは私なんです」「人手不足で、複数の役割を1人で担当していた時期もありました」など色々思い出すことができました。
「結構色々やってきた」自分に気付くと同時に、管理部門全般の経験があることに自信も出てきました。

2.強みを認識する
棚卸しをすると、自ずと「強み」が見えてきます。

Aさんの場合、状況に応じて様々な仕事をしてきた「柔軟性」や「のみこみの早さ」、性質の異なる仕事を同時進行できる「マルチタスク力」などが浮かび上がりました。

また、マイナスと思っていた「広く浅い」経験も、管理部門全般が分かっているという武器になることをも認識しました。

3.強みを活かす
強みが明確になれば、その強みを活かす転職も見えてきます。

Aさんはそれまで、職種を1つに絞ってある程度の規模の会社に転職することを考えていましたが、むしろ、「専門に人を置く程ではないが管理部門全般を一通りできる人が欲しい」というニーズの多いベンチャーなどの方が経歴とマッチすることに気付き、方向性を変えて転職活動する意思を固めました。

Bさん(40代後半)の場合

Bさんは、バブル崩壊前の好景気の時代に大手企業に就職し、現在も一般職として働いています。

安定していて、休みが取りやすいなど、それなりに満足していたBさんでしたが、ここ1~2年、気持ちがモヤモヤし始め、転職も考えているとのことで、マイ・カウンセラーにいらっしゃいました。

お話を伺うと、社歴も年齢も部内で一番上、多くの一般職が退職や総合職に転換していく中、今も一般職でいる事に肩身が狭かったり、総合職と遜色ない仕事をしている自負はあるものの、総合職の後輩に立場も待遇も抜かれ納得できなかったりしていることが分かりました。

1.裏の気持ちに焦点をあてる
一般職で採用された方も多い40代後半には、Bさんと同じようにモヤモヤしている方は少なくありません。カウンセリングでは、まずそのモヤモヤの裏にある気持ちに焦点をあてていきました。

初めは居心地の悪さや待遇への不満を話していたBさんでしたが、一般職でいることを決めたのは自分で、待遇の差は納得済みであることや、勝手に肩身の狭さを感じていることに思い至りました。

そして、実は「誰からも認めてもらえていない気がする」ことに不満や不安、「居場所の無さ」を感じている自分に思い当たりました。そして、本当は転職したいのではなく、今の会社で「認めてもらいたい」気持ちが強いことに気付きました。

2.出来る事を考える
「認めてもらいたい」気持ちに気付いたBさんは、同僚から質問や相談を受けたり、何かを頼まれたりすることがないことが、「認めてもらえていない」と感じる要因であることに思い至りました。

同時に、年齢も社歴も上の自分に若手社員が気軽に聞ける雰囲気が、自分には足りていないのかもしれないことや、自分から声かけすることが今までなかったことにも気付きました。

3.将来に備える
自分から働きかけることで居場所を作る事もできそうだと気付いたBさんは、今の会社で、できれば定年まで頑張ることを選択しました。

また、定年を1つの目標に置いたことで、Bさんは「定年後の自分」にも目が向くようになり、これからの時間は、定年後をどう過ごすのかを考え、それに備える準備期間にもしたいと話されました。

キャリアは百人百様

同じ40代でも、キャリアは人それぞれで、そこに正解も不正解もありません。大切なのは、自分で納得し、自分で選択することです。

ただ、1人では行き詰まることもあります。そんな時はマイ・カウンセラーに相談されてはいかがでしょうか。キャリアカウンセラーが気持ちと思考の整理をお手伝いします。


この記事を書いた人

上杉麻里 さん
キャリアカウンセラー
大学卒業後、不動産会社の人事としてキャリアをスタート。以降、日系・外資系のコンサルティングファームや消費財等、多様な業界に勤務。30代前半に留学によりキャリアを中断、その後派遣や契約社員等を経て、30代半ばで管理職となるなど、様々な働き方や立場を経験。現在は、働く女性を中心としたキャリアカウンセリングや人事制度コンサル、研修等を行う。
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