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育休明けに転職ってアリ?ナシ?


育休中は、キャリアについて悩む時期でもある

「育休中に転職を考えた」という人は、多いのではないでしょうか。可愛いわが子との対面によって仕事観が変わる女性は多いですし、忙しく働いていた頃に比べて、将来について考える時間が確保しやすい、というのも理由だと思います。

「なかなか転職のふんぎりがつかずにいたが、これを機にトライしてみよう」と考える人もいるでしょう。育休前の仕事に不満や不安がある場合は、なおさらですよね。

育休中の転職は、前回の「「転職したほうがいいのでは?」と思った時、育休中にできること」でもお伝えしたように、会社に与える負担や影響もしっかり考慮した上で、それでも「転職したい、せねば」と思った時に取っていただきたい選択肢ではあります。

一方で、筆者がキャリアカウンセラーとして相談を受けてきた中には、「育休中に人員整理があり、真っ先に対象になってしまった」「育休中に会社の方向性が大きく変わり、転職を余儀なくされた」という厳しい現実を目の当たりにしている人もいらっしゃいました。

 

このように、育休中に転職活動を始める人は実際にいます。しかし、小さい子どもを抱えた状態では、転職活動に向けて動き出すには難しい場面もあります。

・希望通りの転職先が見つかるのか?
・育児との両立が不安なのに、初めての仕事・新たな人間関係の中で本当にやれるのか?
・いつから転職活動をするのか?
・そもそも保育園に入れるか?

など、不安は尽きないと思います。なので今回は改めて、育休中の転職活動のメリット・デメリットについてまとめてみたいと思います。

メリット:思い描いた通りの環境・仕事を手に入れられる可能性がある

2017年9月の求人倍率は、1.52倍(参照:厚生労働省)。バブル期を超える高水準とされ、仕事を探している人にとっては、追い風が吹いていると言えます。

また、ワーキングママを対象とした求人も増えており、かつてに比べて世の中もウェルカムモードになりつつあると言えます。転職を考えるには、悪いご時世ではありません。

転職を考えているということは、変えたい何かがあるはず。仕事内容かもしれませんし、職場環境かもしれません。まずは、自分がどんな仕事をしたいか、どんな毎日を送れていれば幸せか、思い描いてみましょう(参考記事:「復職後のスキルアップのために、育休中にできること」)。

自分の理想が定まったら、情報収集してみましょう。子どものお昼寝中にスマホで転職サイトを覗いたり、エージェントに登録・相談したりして、条件に見合う仕事があるかどうか探してみると良いと思います。もしかしたら、自分が思い描いている通りの環境や仕事内容に出会えるかもしれません。

自分のキャリア・条件では、どのくらいの求人や年収を提示してもらえるのかを知るだけでも、価値はあると思いますよ。

デメリット1:新しい環境に慣れるのが大変

元いた職場に復帰するのであれば、職場の雰囲気や仕事内容もわかっています。あなたの人となりや成果について理解してくれている人がいるなら、なおさら安心ですよね。

転職の大変な点は、“新しい環境に飛び込む”ということ。ワーキングママに限らず、誰にとっても大変なことです。望む仕事に就けるのだとしても、子育てとの両立に加え、さらなるストレスを抱える可能性があるというのは、ある程度覚悟が必要だと思います。

ですが、「元々いた職場が異動や転職などが多く、育休中に知っている人はほとんどいなくなってしまった」という場合もあります。また、「そもそも子育てとの両立で大変になるのは覚悟の上だから、この際思い切って職場も変えよう」と思える場合は、デメリットとは言えないかもしれませんね。

デメリット2:一定期間設けないと次の育休が取りづらい

育児休業を取得するには、

・同一の事業主に1年以上雇用されている
・子どもの1歳の誕生日以降引き続きも雇用されることが見込まれる
・週の所定労働日数が3日以上

など、いくつかの条件があります。もし、1年以内に更なる妊娠・出産を望んでいる場合は、転職のタイミングをいつにするか、注意が必要です(参考記事:「「育児休業手当」は誰が、いくらもらえるの?」)。

転職を成功させるために、知っておきたいこと

キャリアカウンセラーとして、転職希望のワーキングママと話していると、条件にばかり目が行きがちなことが気になる場合があります。

企業にとって一番大切なのは、“期待に見合うパフォーマンスを上げられる人かどうか?”という点。例え働く時間に制約があるワーキングママでも、期待以上のパフォーマンスを上げられる人ならば、喜んで採用するでしょう。

そのためには、

① 自分の得意分野は何で、どのような実績を挙げてきたのか
② 転職先でどのような貢献ができそうか
③ 制約条件はあるにしろ、やる気と覚悟はしっかりある

といったことを、アピールする必要があります。

そうは言っても、当然働く条件は気になるものですし、チェックは必須です。

① ワーキングママが多い
② 制度が“ある”だけでなく、活用されている
③ 働いた時間ではなく、成果を評価してもらえる

といった企業を選ぶと良いでしょう。業界や職種によっても、理解度に差がある場合もあります。選択肢を絞りすぎず、幅広く見るのも手です。


最後に、「すべての望みを叶える理想の仕事はない」と肝に銘じましょう。

元も子もない言葉に見えるかもしれませんね。ですが、家探しを思い出してみてください。駅に近い物件だと、家賃は高い。自然豊かな静かな環境を望めば、駅からは遠い。家賃が安くて、主要沿線の駅から近くて、公園や自然が多くて静かな環境で、築年数の浅いきれいな物件など、ありえないですよね。

仕事探しも同じことです。自分にとって、一番優先順位が高い条件は何なのか、しっかり見極めておきましょう。

もし、「誰かと一緒にキャリアの棚卸をしたい」、「自分のアピールポイントがわからない」、「復職か転職かあるいは退職か、思い悩んでいる」といった方がいらっしゃれば、ぜひエスキャリアのマイ・カウンセラーにご相談くださいね。

エスキャリアには、現役ワーキングママのキャリアカウンセラーが多くいます。あなたの悩みや不安を受け止め、一緒に解決の道を探ります。一人で抱え込まないでくださいね。


この記事を書いた人

天田有美 さん
大手人材会社において、法人営業、人事教育、プロモーションを経験。現在はフリーランスとして、キャリアカウンセラー、ライター、チアダンスインストラクターとして活動中。2歳の娘を抱えるワーキングママ。
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